2023.6.12 動画マニュアルの作り方

失敗しない動画マニュアルを誰でも簡単に作成する6つのポイント、作成手順や活用事例集

tebikiサポートチーム
執筆者:tebikiサポートチーム

製造/物流/サービス/小売業など、数々の現場で動画教育システムを導入してきたノウハウをご提供します。

これから動画マニュアルの作成を行う人にとって、動画マニュアルは「編集や撮影が大変」というイメージをお持ちかもしれません。初心者でも動画マニュアル作成にチャレンジできるように、本記事では「動画マニュアル作成手順」を事例を交えて丁寧に解説いたします。また動画マニュアルの作成に失敗しないための「動画を撮影する6つのポイント」と「動画マニュアルを作成する6つのポイント」も合わせてご紹介いたします。わかりやすく現場で活用される動画マニュアル作成の参考にしていただければ幸いです。

参考:はじめての動画マニュアル作成ガイド

 

目次

1. 動画マニュアルとは?メリット・デメリット

動画マニュアルとは、業務手順や製品の使い方といった情報を動画を用いて説明する資料を指します。動画には、テロップや音声を加えて作成するケースが一般的です。業務手順を視覚的に伝えやすいため、動きが伴う作業現場では、テキストや画像だけのマニュアルよりも理解しやすいです。そのため動画マニュアルの利用が様々なシーンで増えつつあります。

Tebiki株式会社が過去に行ったアンケート調査『動画マニュアルの導入傾向と効果』では、教育動画システムを利用したことがある人は全体の52%と半数を超えています。また利用したことがある人から見ると、全体の87%が紙の業務マニュアルより動画マニュアルに満足している結果が出ています。

 

動画マニュアルのメリット・デメリット

動画マニュアルを作成することで、以下のようなメリットとデメリットがあります。

 

動画マニュアルのメリット

  • 理解度の向上
  • 教育の質を統一できる
  • 時間と場所を問わず視聴できる
  • 教育者の工数削減

 

動画マニュアルのメリット

  • 動画撮影と編集の知識が必要
  • 部分的に確認しづらい
  • 動画を見る環境やデバイスが必要
  • ファイルの容量が大きい

上記のようなメリットとデメリットを踏まえ、動画マニュアル作成時に本記事をご参考いただければと思います。

 

2. 動画マニュアルの活用シーン【サンプル動画つき】

社内研修、安全教育のマニュアル

新入社員の集合研修や社内の安全教育などに動画マニュアルが活用されています。

【事例・サンプル】ロール台車の扱い方

HubSpot Video

 

作業・業務のマニュアル

社内の業務手順、業務要領書、作業手順書などに動画マニュアルが活用されています。

【事例・サンプル】パイプの面取り方法(音量にご注意ください)

HubSpot Video

 

営業のマニュアル

商談時の話し方やポイントの説明、トークスクリプトの学習に動画マニュアルが活用されています。

 

【事例・サンプル】訪問営業 商談(音量にご注意ください)

HubSpot Video

 

熟練者のノウハウマニュアル

高度な技術を持った熟練者のノウハウやスキルを後世へ継承するために、動画マニュアルが活用されています。

【事例・サンプル】ウォシュレットの脱着

HubSpot Video

 

商品の使い方マニュアル

今までは商品の購入者向けに取扱説明書を紙やPDFデータを用意することが多かったですが、顧客満足度向上や顧客自身で自己解決へ導く(問い合わせを減らす)などを目的に動画マニュアルを活用するケースが増えています。

 

参考:実際に企業で使われている動画マニュアルの事例・サンプルを多数ご紹介

 

3. 基本的な動画マニュアル作成の手順

失敗しないわかりやすい動画マニュアルを作成するには下記7つの手順で作成します。

  1. ターゲット、目的、ゴールを明確にする
  2. 必要な要素を洗い出す
  3. 構成案の作成
  4. 台本を作成
  5. 必要な機材の準備
  6. 動画を撮影
  7. 動画を編集

各手順を詳しく解説していきます。

 

①ターゲット、目的、ゴールを明確にする

まずは誰に向けて、何を伝え、どのような状態になって欲しいのか、ターゲットと目的とゴールを明確にすることが重要です。
作業担当者ではない場合:担当者への情報収集することをおすすめします。

例として「カレーの作り方」と「製造業での新人教育」の動画マニュアルを作成するケースをご紹介します。

誰に

何を伝えて

どのような状態に

カレーの作り方

視聴者に             

まるでプロのようなカレーの作り方を理解してもらう

視聴者自身で美味しいカレーを作れるようになる

製造業での新人教育

新入社員に

正しいロール台車の扱い方と危険を理解してもらう

新入社員がロール台車を正しく扱える、労働災害をなくす

 

②必要な要素を洗い出す

目的を達成するために、どのようなものが必要で、どのような流れで作業を行い、どこがポイントで、どこに注意が必要なのかを洗い出します。
(既に紙のマニュアルがある場合は、紙のマニュアルを参考に作成することもできます)
作業担当者ではない場合:担当者に作業の流れを聞いてみたり、作業を実演してもらうことをおすすめします。

【コツ】ポイントや注意事項を明確にする(業務のポイント、過去にミスが起こったこと、安全に注意する点、過去のヒヤリハットなどを参考に)

「ロール台車の扱い方」の動画マニュアルを作成する場合のように作業に「注意点」がある場合は、「正しい扱い方」と「注意点やNG例」として動画マニュアルを分割することをおすすめします。

(例)「カレーの作り方」の動画マニュアルを作成する場合

必要なもの

牛肉、じゃがいも、人参、たまねぎ、油、水、カレーのルウ、厚手の鍋、包丁、まな板、ピーラー

作業

具材の皮を剥く、具材を切る、具材を炒める、水を加えて具材を煮込む、アクを取る、ルウを入れ煮込む

ポイント

・長時間煮込む料理には厚手の鍋がおすすめ

・ルウを入れるのは火を止めて沸騰がおさまってから

 

(例)「ロール台車の扱い方」の動画マニュアルを作成する場合

必要なもの

ロール台車

作業

ロール台車の準備、ロール台車を移動する、ロール台車を片付ける

ポイント

ロール台車を使用後は必ず所定の場所へ片付ける

注意点

ロール台車が空であっても移動する際は一段目を開いておく(閉じると台車が倒れやすく危険)

注意点が発生する動き

ロール台車の一段目を閉じる、一段目を閉じた状態でロール台車を移動する

 

③構成案の作成

洗い出した要素を時系列順に並べて、動画マニュアルの構成案を作成します。
構成をしっかりと固めずに動画作成を進めてしまうと、編集中に「こんな素材が必要だった」「このアングルでは分からない」といった手戻りが発生することがありますのでご注意ください。
(既に紙のマニュアルがある場合は、紙のマニュアルを参考に作成することができます)

【コツ】目的やゴールを意識しながら構成を考える
【コツ】動画の長さは短く簡潔に(1分くらい)、それ以上の長さが必要な場合は動画を分割する
【コツ】分割する場合は目的、作業単位、注意点で分ける(例:正確な作業手順とNG例は動画を分ける)

(例)「カレーの作り方」の動画マニュアルを作成する場合

No

工程・作業内容

撮影内容

1

オープニング

正面から人物を撮影、今回の動画マニュアルについて説明

2

具材の皮を剥く

斜めから手元を撮影

3

具材を切る

真上から撮影

4

具材を炒める

真上から撮影

5

水を加えて具材を煮込む          

真上から撮影

★ポイント:長時間煮込む料理には厚手の鍋がおすすめ、熱の伝わり方が間接的で具材に平均的に伝わる

6

アクをとる

斜め上から撮影

7

ルウを入れる

斜め上から撮影

★ポイント:ルウを入れるのは火を止めて沸騰がおさまってから

沸騰しているシーンと、おさまったシーンを寄りで撮影

 

(例)「ロール台車の扱い方」の動画マニュアルを作成する場合

No

工程・作業内容

撮影内容

1

オープニング

正面から全体を撮影、今回の動画マニュアルについて説明

2

ロール台車の準備

正面から全体を撮影

3

ロール台車で移動する

正面から全体を撮影

4

ロール台車を片付ける

正面から全体を撮影、保管場所へ移動し片付ける様子

★ポイント:ロール台車を使用後は必ず所定の場所へ片付ける              

 

(例)「ロール台車の扱い方(注意点)」の動画マニュアルを作成する場合

No

工程・作業内容

撮影内容

1

オープニング

正面から全体を撮影、今回の動画マニュアルについて説明 

2

ロール台車の一段目を閉じる

正面から全体を撮影(ロール台車全体が映るくらい)

3

閉じた状態でロール台車を移動する

正面から全体を撮影、台車が倒れやすいことを実演

 

④台本を作成

作成した構成案から、どこでどんなセリフやナレーションを入れるか/画像や資料を差し込むか、台本に落とし込みます。
事前にセリフを決めておいた方が撮影はスムーズですし、撮影を事前にイメージすることで手戻りを防ぐ効果もあります。動画マニュアルの作成に慣れるまではしっかりと準備をした上で撮影に望むことをおすすめします。

(例)「カレーの作り方」の動画マニュアルを作成する場合

No

工程・作業内容

セリフ

1

オープニング

こんにちは。今日は「まるでプロのようなカレーの作り方」を・・・

2

具材の皮を剥く

まずはじゃがいもと人参の皮むきを・・・

3

具材を切る

次にじゃがいもや人参を・・・

4

具材を炒める

次に切った具材を・・・

5

水を加えて具材を煮込む

次に水を加えて煮込みます・・・

(ナレーション)ポイントは・・・

6

アクをとる

アクがでてきたらとります・・・

7

ルウを入れる

次にルウを入れます・・・

(ナレーション)ポイントは・・・

 

(例)「ロール台車の扱い方」の動画マニュアルを作成する場合

No

工程・作業内容

セリフ

1

オープニング

「ロール台車の扱い方」ついて説明します                                        

2

ロール台車の準備

まずはロール台車を保管場所から・・・

3

ロール台車で移動する    

次にロール台車で移動・・・

4

ロール台車を片付ける  

最後にロール台車を指定場所に・・・

ポイントは・・・

 

(例)「ロール台車の注意点」の動画マニュアルを作成する場合

No

工程・作業内容

セリフ

1

オープニング

「ロール台車の注意点」ついて説明します

2

ロール台車の一段目を閉じる

ロール台車を動かす時は一段目を・・・

3

閉じた状態でロール台車を移動する

一段目を閉じた状態だと不安定・・・                               

 

⑤必要な機材の準備

動画の撮影には様々な機材が必要ですが、最初から全ての機材を揃えることはハードルが高いため、まずは身近にあるスマートフォンやタブレットで撮影を始めることをおすすめします。
徐々に撮影に慣れてきてよりよい動画マニュアルを作成するための工夫をしたい、と思った際に追加で機材を揃えていきましょう。

  • カメラ   :ビデオカメラやスマートフォンなど
  • マイク   :現場で音声も収録する際は外付けのマイクを準備
  • 三脚、一脚 :手ブレ防止用の機材、カメラに合わせて準備
  • 照明、ラフ板:撮影場所が暗い場合は照明を準備
  • 背景紙   :背景を統一したい場合など

 

参考:スマホを使って一人で動画撮影!オススメの機材をご紹介します
参考:スマホ撮影で使えるおすすめのピンマイクと接続確認の方法
参考:無線マイクとスマートフォンを接続して動画を撮影する方法:iPhoneの事例をご紹介
参考:卓上マイクで会議の音声を録音する:おすすめのマイクをご紹介

 

⑥動画を撮影

必要機材の準備ができたらいよいよ撮影です。準備した構成案と台本に沿って撮影を行います。
撮影のポイントはこの後の「わかりやすい動画マニュアルを撮影する6つのポイント」でご紹介します。

 

参考:動画マニュアルの作り方 スマホ撮影の5つのコツ
参考:パソコン/スマホの画面録画(動画キャプチャ)方法とアプリ
参考:Windowsでマイク認識を確認する方法

 

⑦動画を編集

撮影した動画の編集を行います。よく行う編集の一覧です。

  • 字幕の挿入
  • ナレーションを入れる
  • BGMを入れる
  • 画像の差し込み
  • 資料の差し込み
  • 動画をカット
  • 動画を一時停止、スローモーション

編集後には必ず全体の動画を見直すことをおすすめします。
(予期せぬ編集が行われていないか確認)

4. 動画マニュアル作成時のよくある失敗

展開が早くついていけない

動画の展開が早すぎると内容が頭に入ってきません。視聴者に合わせた適度なスピード感が大事です。
作業が切り替わる際には少し余白を入れることで展開の速さを抑えることができます。

【良い事例】

HubSpot Video

 

どこがポイントか分かりづらい

字幕やナレーションでポイントを伝える際に画面上でどこがポイントなのか明確にわかるよう「矢印」「ハイライト」などで視覚的に視聴者がすぐ分かるように編集を心がけましょう。

【良い事例】

HubSpot Video

 

見たい時にすぐ見れない、見つからない

動画マニュアルを作成しても必要な時に動画が見つからないと、動画マニュアルを作成した目的は達成できません。
見つからないことが続くといずれ探すこともしなくなってしまいます。
誰もが見たいタイミングですぐに動画マニュアルが見れるような環境を用意することが重要です。

 

動画の作成、編集で手が回らない

通常業務もある中で動画マニュアル作成や更新になかなか工数を割けない、動画編集ソフトの使い方が難しく作成業務が属人化してしまうと、動画マニュアルを作成した目的は達成できません。また動画マニュアルは作成して更新していくことが大事です。

社内の運用が回るように誰でも編集作業をかんたんに行える動画編集ソフトやサービスがおすすめです。

 

このようなわかりにくい動画マニュアルは相手に伝わらず、目的を達成することはできません。そのため動画マニュアルを作成する際は「わかりやすさ」がとても重要になります。次の章では失敗しないためのわかりやすい動画マニュアルを作成するポイントを詳しく解説します。

 

5. わかりやすい動画マニュアルを作成する6つのポイント

動画マニュアルを作成するコツは、だれが見ても「わかりやすい!」と感じる動画マニュアルを作ることです。せっかく動画マニュアルを作成しても誰も見てくれないのであれば、形骸化された動画マニュアルとなってしまいます。わかりやすい動画マニュアルを作成することは、動画マニュアルを作成する目的達成のために非常に重要なポイントです。

ここからは、だれが見てもわかりやすいと感じられる動画マニュアルを作るコツを解説します。

 

①あえてNG例も盛り込む

「マニュアル=正しい手順のみを盛り込む」と考えがちですが、動画マニュアルでは正しい手順だけでなく、あえて誤ったNG例を盛り込むことで、よりわかりやすく動画になります。
よくあるNG例ややってはいけないことも伝えることで、正しいこととダメなことが明確になり、そのポイントに注意を向けつつ作業することができるため、ヒューマンエラーを起因とした品質不良やポカミス、労働災害など品質面と安全面のトラブルを未然防止することができます。

 

②見栄えにこだわりすぎない

マニュアルを作成する際に重視するべきポイントは、「わかりやすさ」つまり相手に伝わるかどうかです。

動画というと、テレビ番組のように高品質なものをイメージするかもしれませんが、動画マニュアルにおいては高品質よりわかりやすさの方が優先です。

仮にテレビ番組を制作している企業に動画作成を依頼すると、数百万円かかることが多いです。さらに、動画の完成後に変更が必要になった場合も、追加で高額な見積もりが届くでしょう。
このように動画作成だけでなく、変更する際も高額な費用がかかると、動画マニュアルを作っても更新されなくなる可能性があります。更新されないマニュアルは、社内で活用されなくなってしまい、動画マニュアルを作成した目的を達成できなくなります。

また見栄えにこだわっているといつの間にか動画を作ること自体が目的となり、相手に伝わるかどうかが抜けてしまうケースがあります。
動画の見栄えは、シンプルでわかりやすければ十分です。デザインや見栄えに時間をかけるよりも、マニュアルの内容を充実させることに時間をかけることをおすすめします。

 

③テロップ/記号や一時停止/ナレーションを適度に使う

わかりやすい動画マニュアルを作るには、基本的な編集機能を用いて編集してみましょう。使用をおすすめする機能はテロップ/記号や一時停止/ナレーションの3つです。

 

テロップ(字幕)作成

動画に字幕を入れることで内容を補足することができるため、よりわかりやすい動画マニュアルにすることができます。テロップでは新人が見ても理解できるように、専門用語や長文を用いないようにすることがコツです。

テロップは短く簡潔にすることによって、だれが見てもわかりやすい情報になります。

 

記号や一時停止

動画の中で、重要な箇所を一時停止で強調することでより伝えやすくします。補足として記号を用いることで、具体的に注目してほしい部分を視覚的に伝えることができます。

もしも外国人が多い現場の場合、用いる記号は〇や✕といった、言葉や文化の違いがあっても意味がわかるものを使用しましょう。

 

ナレーション

撮影した動画に、後からナレーションを録音することで、聞き取りやすく詳しい解説を追加することができます。音声のポイントとして、きれいに録音する/滑舌よくシンプルに話す/抑揚をつけるといったことが挙げられます。

 

④動画は短く 1分ほどの動画になるように意識する

動画マニュアルの長さは、1分程度の短い時間をおすすめします。なぜなら、長い動画マニュアルを作っても誰も見てくれないからです。

業務の合間に動画マニュアルを見ようとしても、まとまった時間がないと長い動画は最後まで見れません。そのため「時間のあるときに見よう」と動画マニュアルを見るのが後回しになり、そのまま忘れられてしまいます。

また、集合研修の際に長い動画マニュアルを見せても、集中して見てもらえません。集中して見てもらうには、長くても2分から3分程度が限界でしょう。

さらに、長い動画は編集作業にとても手間がかかる、というデメリットもあります。30分の動画を編集するためには、何時間も編集を行う必要があります。さらに、編集完了後の動画の書き出しにも時間がかかる点も問題です。

このように、長い動画はマニュアルを利用する側、作成する側の双方にとってメリットが少ないと言えます。そのため、動画を作成するなら、1分程度の短い動画にすることをおすすめします。

もしも1分程度に収まらない場合は、業務の手順を細かいステップに分けて動画を作成することをおすすめします。短い動画なら空き時間に合わせて、必要な箇所だけ視聴できます。さらに、全体の業務手順も各動画のタイトルを見れば把握できるというメリットもあります。

このように、動画マニュアルを作成する際は1分程度の短いものにすれば、動画を見る側にも制作側にもメリットがあります。

参考:動画マニュアルの長さは1分がオススメの理由

 

⑤当たり前のことも盛り込む

動画作成者からすると当たり前に思っていることも動画マニュアルに盛り込むことをおすすめします。
特に新人教育向けの動画マニュアルでは、経験者が知っていて当たり前のことも知らないケースが多いです。知らないことがあると理解度の低下に繋がってしまうため、初めて作業をする人でも動画マニュアルを見ながら1人で作業ができるように視聴者目線で作成することがコツです。

 

⑥定期的な見直し/修正をする

動画マニュアルは社内に展開して終わりではありません。展開した後に集まった意見を元に、動画の改善を重ねることが、誰でも分かりやすく「活用される動画マニュアル」を作成するためには重要です。

作業手順の変更、製品仕様の変更など、様々な理由で動画マニュアルの更新が必要になります。そのため、マニュアルは作成すれば完成ではなく、更新し続けなければ内容が古くなり、使われなくなってしまいます。マニュアル作成は、ゴールではなく改善を重ねるためのスタート地点に過ぎません。継続的に動画マニュアルの改善を重ねていくことがコツです。

 

6. わかりやすい動画マニュアルを撮影する6つのポイント

動画マニュアルを撮影する際は、現場にあるようなスマートフォン/タブレットで問題ありません。以下では撮影のコツをそれぞれ解説します。

 

①手ブレしないようにカメラを持つ

動画のカメラはしっかり固定して、手ブレが発生しないように注意します。三脚を利用すると、安定した状態で撮影ができます。
手で持って撮影をする場合は、脇を締めて腕や手が揺れないようにすることがコツです。

 

②カメラのズーム機能は使わず自分の身体を寄せる

カメラのズーム機能を使うと、小さな揺れでも大きく映像に残ってしまい、撮影対象が見えにくくなります。また、ズームをすればするほど画質が荒くなるため、動画マニュアルの場合は使わないことを推奨します。
拡大して撮影したいときは、自分の身体を寄せて撮影対象との距離を近づけて撮影するようにしましょう。

 

③引きの映像は全体が見えるように撮影する

「引き」とは撮影対象から離れて、全体が見えるようにすることを指します。引きの映像を撮影するときは、全体が見えるように、撮影対象から引いた位置で撮影しましょう。
撮影場所や撮影対象の全体、周囲を表現する際に引きの映像を撮影します。

 

④撮影環境に気を付ける

動画を撮影する際、撮影環境にも配慮することがコツです。具体的には照明が暗すぎない/明るすぎないといった部分や、周りの作業音で音声がかき消されてしまうといった点で注意が必要です。

照明については機材を用いることで改善できますが、作成するマニュアルによっては作業音への対処が難しいというケースもあると思います。そのような場合は動画マニュアルを作るコツでご紹介したように、テロップや記号、ナレーションを追加してわかりやすくしましょう。

 

⑤解像度は720pでも問題ない

動画を撮影する際は、動画ファイルの容量にも注意しなければなりません。動画ファイルの容量が大きいと、ファイルを編集したり、ファイルを送信したりアップロードする際に時間や手間が掛かるようになります。

動画ファイルの容量は、スマートフォンの機種、OSのバージョン、動画の解像度と長さに左右されます。スマートフォンで撮影する場合は、基準は1080pの解像度に設定されています。マニュアル用の装画であれば、720pの解像度でも問題なく使用可能です。動画ファイルの容量を圧縮できるため、作業効率が改善します。

参考:スマートフォンで動画撮影:画質設定 720pと1080pの違い

 

⑥モデル役は該当業務の中心的な人を選ぶ

マニュアル用の動画を撮影するにあたって、モデル役の動作や振る舞いがマニュアルでの見本となります。ただし、細かい作業のやり方は、人によって異なります。そのため、どの作業のやり方を見本とするかまで協議をしていると、動画の撮影が進まなくなってしまう可能性があります。

モデル役を選ぶ際は、該当業務の中心的なトレーナーを一人選び、その人の作業内容を見本として撮影することをおすすめします。普段から新人に教育を行っている人を選べれば、理想的です。教育を受ける側も撮影する場合は、新入社員に協力してもらえれば、現実に即した内容の動画を撮影できるでしょう。


参考:動画マニュアルのモデル役を誰がやるか

 

7. 動画マニュアルの制作・編集方法

動画マニュアル編集ソフトを利用

動画の編集ができるソフトを利用して、自身で動画マニュアルを編集することができます。
動画編集ソフトは有料だけでなく無料でも提供されていて、無料ソフトはiPhoneやiPadでは「iMovie」が有名です。有料のソフトでは「Adobe Premiere Pro」「PowerDirector」「Filmora」など様々なソフトがあります。
無料ソフトと有料ソフトのどちらを選ぶべきかについては下記の記事をご確認ください。

 

参考:Windowsフォトアプリの動画編集機能の使い方まとめ

参考:Androidの動画編集

参考:iPhone版iMovieの動画編集機能の使い方まとめ

参考:iPad版iMovieの動画編集機能の使い方まとめ

参考:動画マニュアルを作るなら無料ソフトと有料ソフトどっちが良いかを考察

参考:はじめての動画マニュアル作成ガイド

 

動画制作会社へ委託する

動画の制作会社へ委託することで動画のプロによる質の高い動画マニュアルを作成することができますが、動画1本あたり数十万円~の費用が必要となり、動画を修正する際にも追加費用が発生する点にご注意ください。
(企画から委託するのか、撮影だけなのか、編集だけなのか、制作会社への業務委託範囲で費用は変動します)
「動画制作会社」で検索をするとたくさんの会社がヒットするため、どこに委託するべきか悩んでしまいます。選定のポイントとしては制作実績、委託する業務範囲、料金、サポート体制といった点が基準になるかと思います。

 

動画制作会社を比較する際のポイントと比較は下記記事をご覧ください。

参考:【比較】動画・映像制作会社18選|選ぶための比較ポイントも解説

 

動画制作会社へ委託する際の相場感は下記記事をご覧ください。

参考:動画・映像制作会社の料金相場|費用を抑えるポイントも

 

動画マニュアルサービスを利用

動画マニュアルサービスとは、動画マニュアルを作成・管理する専用のサービスで高度な編集技術がなくても比較的容易に動画マニュアルを作成することができます。
動画マニュアル編集ソフトを使い自社内で動画編集を行うと「動画をどこで管理するのか」「編集に大きな工数がかかる」といった課題がよくでてきますが、これらの課題を動画マニュアルサービスで解決することができます。
「tebiki」という動画マニュアル作成ソフトについて次の章で詳しくご紹介します。

 

8. 動画マニュアルが作れる動画教育システム『tebiki』とは?

Tebiki株式会社は動画マニュアルをクラウドで作れる現場教育システム『tebiki』をご提供しています。

tebikiは「現場の教育を、動画でもっとかんたんに」という考えのもと、動画マニュアルの作成から従業員の習熟度管理まで一貫して行えるクラウドサービスです。

編集機能の種類をシンプルにすることで、PCに慣れていない現場スタッフでも動画マニュアルをかんたんに作成ができます。普段のOJTを動画にとるだけで、字幕も翻訳もシステムが自動生成されるため、文字/写真ベースの紙マニュアルでは伝えられなかった現場ノウハウを可視化できます。

新人教育におけるOJTの削減はもちろんのこと、マニュアル作成工数の削減、業務標準化や多能工化、安全教育、外国人教育、技術伝承など、ノンデスク領域におけるさまざまな課題解決の手段として、多くの現場で導入いただいています。


参考:tebikiについて詳しく見る

 

9. tebikiで動画マニュアルを作成している企業事例と効果

大同工業株式会社

オートバイや自動車、産業機械、福祉機器といったさまざま領域へ展開する同社では、OJTで学ぶことが非常に多く、教育担当者の知識や経験、指導方法によって業務品質のバラつきが起きていたことで、試験におけるヒヤリハットや、評価結果のエラーによる再試験などが発生していました。

そこでtebikiを導入し、動画マニュアルを作成しつつ部内からフィードバックを集めて改善を重ねたことで、部内全体で標準化を実現し、試験中のヒヤリハットや評価エラーを削減することができました。

参考:大同工業株式会社の事例記事を見る

 

東急リゾーツ&ステイ株式会社

全国100を超えるレジャー/宿泊施設の運営を手掛ける同社では、施設が増加する中で各現場の個人ごとにサービスレベルのバラつきがあったことが課題でした。また働き方改革の一環で従業員1人1人の労働時間を短縮しつつ、サービスクオリティの維持と向上を行うため、多能工化教育を目的とした業務標準化と可視化が急務の課題でした。

これらの課題に対してtebikiを導入し、導入後2年で9,000本以上のマニュアルを作成しました。それにより業態、施設毎に異なっていたマニュアルを統一管理することで業務のバラつきを解消し、業務の標準化・平準化を実現しています。

参考:東急リゾーツ&ステイ株式会社の事例記事を見る

 

アスクル株式会社 

事業所向けECサイト「ASKUL」と個人向けECサイト「LOHACO」を運営し、全国10カ所に自社物流拠点を構える同社では、高度に自動化された物流設備を扱う高度で正確な技術を、OJTや紙の手順書作成で教育を行っていました。

しかし従来の教育手法では教育担当者の属人化や、担当者ごとで正確性のバラつきが起き、現場ではさまざまな場面で非効率な状況に陥っていたため、効率的で効果的な教育を行う必要がありました。

そこでtebikiを用いたことで、メンテナンス手順の正しいやり方を都度確認しながら作業ができ、属人化の解消やベテラン技術の伝承に繋がりました。また、動画マニュアルは繰り返し視聴できるため、個々のスキルや習熟度、正確性が向上し、結果独り立ちまでの期間が半年から3か月程度に短縮しました。

参考:アスクル株式会社の事例記事を見る

 

失敗しない動画マニュアルを誰でも簡単に作成する方法のまとめ

今回の記事では、失敗しない動画マニュアル作成6つのポイントと作成手順や事例についてもご紹介しました。

動画マニュアルには、現場のノウハウを見える化できる、短時間で理解できる、外国人スタッフでも理解しやすいといったメリットがたくさんあります。
記事内で解説した、動画マニュアルの作り方、動画撮影の方法、編集ソフトの解説を参考にすれば、現場で活用されるわかりやすい動画マニュアルを作成できます。
また、tebikiには、動画編集だけでなく、社内共有にも便利な機能が備わっています。動画マニュアルの作成に役立つtebikiを活用し、動画マニュアルを作成してみてはいかがでしょうか。

 

 

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