近年、私たちの生活で動画が身近なものになり、職場の業務マニュアルについてもそのわかりやすさから動画を採用する企業が増えつつあります。
それにともない動画マニュアルを作成できるさまざまなソフトが開発されていますが、たくさんの種類がありますので、この記事では選び方のポイントとそれを踏まえたおすすめの動画マニュアル作成ソフトを10選ご紹介します。動画マニュアル導入を検討中で、ソフトについて情報を並べて比較したいとお考えの方はぜひご覧ください。
また、実際に企業で使用されている動画マニュアルのサンプルや、動画マニュアルを業務に活用している企業を3社ご紹介します。実物や事例をご覧いただくことで、職場での活用方法をイメージしていただければ幸いです。
他にも、これから動画マニュアルを作ろうとお考えの方に向けて作成ノウハウを凝縮した『はじめての動画マニュアル作成ガイド』もご用意していますので、併せてご活用ください。
動画マニュアルとは?
動画マニュアルとは、業務の手順を説明するマニュアルを動画にして視覚的にわかりやすくしたものです。ここでは動画マニュアルについて、基礎知識やメリット/デメリットなどを簡単にご説明します。
より詳細な基礎知識をまずは知りたいという方は、基礎知識から作り方まで網羅的に解説している以下の記事もご覧ください。
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失敗しない動画マニュアルを誰でも簡単に作成する6つのポイント、作成手順や活用事例集
動画マニュアルの基礎知識
動画マニュアルは、必要な情報がすべて動画になっています。紙やWord文書などの文字だけのマニュアルとは異なり、動画をパソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末で視聴するスタイルとなります。
例えば、工場での組み立て作業について動画マニュアルにする場合、必要な材料や工具を揃えるところから実際に組み立てるところ、組み立てたあとの完成形など、手順の最初から最後までを動画にします。1つの動画で長時間になる場合は、編集で短くカットしたり、2本の動画にすることもあります。
また、音声だけでなく字幕を表示したり、間違っている例に大きくバツ印を挿入したりすることで、パッと見ただけで伝わりやすくする工夫もできます。
動画マニュアルのメリットとデメリット
紙のマニュアルにも、例えばメリットとして「どこでも持ち運んで閲覧しやすい」点がある一方で、デメリットとして「言葉の表現によって解釈が分かれてしまう」点などがあるように、動画マニュアルにもメリット・デメリットがあります。
どのようなメリット・デメリットがあるのか、見てみましょう。
メリット
- 伝わりにくいノウハウを可視化できる
- 情報が多く、短時間でわかる
- 外国人スタッフにわかりやすい 使用言語に左右されない
デメリット
- 端末がないと閲覧できない
- 編集技術が必要
- ファイルの容量が重い
上記のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
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動画マニュアルのメリットとデメリットは?事例から学ぶ導入の効果
動画マニュアル作成ソフト/ツールの選び方3つのポイント
スマートフォンで業務の様子を撮影するだけでも動画マニュアルを作成することができますが、動画マニュアル作成ソフトを使って編集を行うと、特別な編集技術がなくてもわかりやすい動画マニュアルに仕上げることができます。
さまざまな動画マニュアル作成ソフトがあり、それぞれに特徴や違いがありますが、どのような視点で比較するとよいのでしょうか。
ここでは、選び方のポイントを3つご紹介します。
機能
動画マニュアル作成ソフトでマニュアルを作るプロセスは、大きく分けると「作る段階」「使う段階」の2つになります。この2段階でどのような機能が使えるのかをチェックしましょう。
作る段階
まず「作る段階」において、動画を撮影して編集するにあたり、高機能のカメラやパソコンがなくてもスマートフォンや業務用パソコンでツールを扱えるかが、初期投資額を考える上で必要になります。編集の際にも、使い勝手がよいと思えるインターフェースであることや、字幕やテロップ、マークなどを誰でも簡単に挿入できるかどうかなどもポイントです。
弊社が運営するWebメディア「現場改善ラボ」で、動画マニュアル作成経験がある様々な業界の課長職以上の方を対象にした『動画マニュアル内製化の実態調査』において、一般的な動画編集ソフトを用いた動画マニュアル作成がうまくいかなかったと回答した43名の理由を紐解くと、以下の2点で作成につまづいている様子が伺えます。
- 動画の作成が手間で時間がかかる:33.3%
- 動画マニュアルを作成できる担当が限られていた:24.4%
クリエイター向けに作られている動画編集ソフトで動画マニュアルを作ろうとすると、作成できる人が属人化してしまい時間もかかることが調査結果からも分かるため、動画マニュアル作成ソフト/ツールを選ぶ際には編集経験がない方でも簡単に短時間で作成できそうか?を意識することが大切です。
使う段階
次に「使う段階」では、閲覧者視点と管理者視点それぞれからチェックすることをおすすめします。動画マニュアルを活用すると主に作成部分に目が向きがちですが、それ以外の部分も確認することでより自社にマッチしたツールを導入しやすくなります。
先ほどの『動画マニュアル内製化の実態調査』で、動画マニュアル活用がうまくいっていないと考える方の理由として実は作成以外の理由、特に管理方法と閲覧方法で悩む方が約75%もいます。
そのため、これから動画マニュアル作成ソフト/ツールを検討する方は作成部分だけでなく、作成した動画の管理方法や閲覧方法にも目を向けて比較するとよいでしょう。以下の内容は比較時の項目としてご参照ください。
- 動画マニュアルをアップロードする本数に上限はあるか?
- 数百本近く作成したときの検索性はどのようになるか?
- 公開範囲を設定できるか?
- 旧バージョン/新バージョンでバージョン管理ができるか?
- 動画マニュアルの閲覧状況を可視化できるか?
- ネットワーク環境が整ってない環境でも閲覧できるか?
- 動画の翻訳機能が整っているか?
- 早送りやスロー再生ができるか?
- 5秒スキップなど見たい作業をピンポイントで見返せるか?
加えて導入後、困ったときにサポートしてもらえるかどうか、アフターフォローの回数や期間もチェックするとよいでしょう。
価格
動画マニュアル作成ソフトには、ソフトのライセンス料のみのものや、月額料金を支払うものなどがあります。
月額料金には、利用人数やマニュアルの本数によって料金プランが分かれるもの、もしくは使える機能によって料金プランが分かれるものなどがあります。
一見料金プランが高いように見えても、例えば既に使用中の他のツールに連携する機能があるなど、自社に新しい価値をもたらしてくれるソフトもありますから、価格の内訳をしっかり検討するとよいでしょう。
無料トライアル
無料トライアルの有無は、機能や価格と並んで重要なポイントです。
無料トライアルがないものと、2週間や1カ月などの期間でトライアル可能なものとがあります。デモンストレーション画面を見たり、トライアル用のアカウントを発行してもらい、実際に動画マニュアルを作りさまざまな機能を試したり、といったものがあります。
動画マニュアル作成ソフトはさまざまな種類があり、特に画面などのインターフェースは実際に画面遷移させてみないとなかなかイメージできないものです。また、自社でどのようなツールを使ってきたかによって従業員の経験値が異なりますから、自社の従業員にとって扱いやすいものかを確認する上でも、トライアルの有無はポイントの1つとなります。
代表的な動画マニュアル作成ソフト/ツール10選
さまざまなソフトの中から、動画によるマニュアルを作成できるソフトを10個厳選しました。先ほどご紹介した3つの選び方(機能・価格・無料トライアルの有無)に沿ってご紹介します。
2024年1月時点の各ホームページ上の情報のため、より詳細な最新情報を知りたいという方は別途お調べください。
tebiki
弊社が提供する現場教育システム「tebiki」は、動きが伴う作業をわかりやすく視覚的に伝えるための動画マニュアルを軸としたクラウドサービスです。
▼主な機能
- スマートフォン等で撮影した動画をアップロードすると音声認識システムが字幕を自動生成
- 正しい/間違い/強調など、動画への図形挿入もかんたん
- 直感的な操作で、動画シーンのカットや静止など編集が簡単
- 生成された字幕は瞬時に100を超える国と地域の言語へ自動翻訳
- レポート機能でいつ誰が何を見ているか活用状況を可視化できる
- テスト機能を用いて、従業員の作業理解度も可視化できる
- 動画のアップロード本数はエントリープランでも無制限
- サポートの期間や回数は無制限
▼価格
価格はご契約プランや発行アカウント数により前後するため、抱えている課題やマニュアルの運用方法、従業員数などといったご状況をまずはヒヤリングさせていただいたうえでお見積りをお出ししています。
- エントリープラン
- ビジネスプラン
- エンタープライズプラン
機能面など各プランの違いについては「動画マニュアルtebikiの契約プラン」のページをご覧ください。
▼無料トライアル
あり(詳細はお打ち合わせ時にご案内いたします)
より詳細なtebikiのサービス内容については、以下の「3分でわかるtebiki」の資料をご覧ください。
VideoStep
VideoStepは株式会社VideoStepが提供する動画マニュアル作成ツールです。
▼主な機能
- AIの活用により、動画の作成経験がない方でもパワーポイントのような感覚でノウハウやナレッジを動画マニュアル化できる
- 動画マニュアルと既存のマニュアルを含め一元管理できる
- 日本語を入力するだけで20カ国語で音声を読み上げ
- パワーポイVideoTouchントも動画化。AI音声読み上げ機能により字幕も自動で26カ国語に翻訳
- 「いつ」「誰が」「何秒間」「どの箇所を」見たのか、まで詳細に分析するための画面を保有
- 階層制限のないフォルダ構造
▼価格
要お問い合わせ。機能別に以下のプランをご用意しています。
▼無料トライアル
あり(2週間)
VideoTouch
VideoTouchはVideoTouch株式会社が提供する動画トレーニングプラットフォームです。
▼主な機能
- スマートフォンで撮影した動画を簡単にアップロード
- 編集は専門の人材がいなくても簡単かつ直観的に操作できる
- AIにより、動画の音声を自動で字幕へ書きおこし
- 動画に目次をつけられるため一目でわかりやすく、探しやすい
- テキストやURLなど補足情報も簡単に付与
- 個人での視聴状況や動画単位での視聴状況、全体の視聴数など閲覧履歴の確認が一覧で見られる
▼価格
要お問い合わせ
▼無料トライアル
あり(無料デモ)
ABILI Clip
ABILI ClipはClipLine株式会社が提供する動画型実行支援システムです。
▼主な機能
- 「ABILI」シリーズの他サービスと同時導入できる
- 生成AIによる自動字幕の付与、1クリックでの英語翻訳
- 組織・階層・個人ごとの教育カリキュラム設計自己学習へのフィードバックとコミュニケーション機能
- 組織管理・学習進捗管理
- テスト・アンケート機能
- 導入や運用時にサポート充実
▼価格
要お問い合わせ
▼無料トライアル
あり
Teachme Biz
Teachme Bizは株式会社スタディストが提供するマニュアル作成・共有システムです。
▼主な機能
- 自動翻訳機能で20言語に対応
- PDF出力やQRコードでの共有、タスクとして配信も可能
- アクセスログなどで活用状況を分析
- マニュアルを複数選んで、トレーニングコースを作成できる
- 動画のトリミングや字幕の追加、図形やテキストを用いた要点の強調が簡単
- お客様の課題解決に向けて伴走するコンサルティングサービス
▼価格
要お問い合わせ。機能やアカウント数別に以下のプランがあります。
▼無料トライアル
あり
COCOMITE
COCOMITEはコニカミノルタ株式会社が提供するマニュアル作成ツールです。
▼主な機能
- 画像、動画、PDF、Word、Excel、PowerPointが入ったさまざまなタイプのマニュアルを作成、更新(1ステップに画像・動画・PDFを合わせて4つまで添付可能)
- 必要な情報は「ココミテ!」リンク機能で素早く共有できる
- 電話やメールでのサポート体制
- マニュアル作成でお悩みの方に外部パートナーと連携したコンサルティングサービスを提供
▼価格
要お問い合わせ。年額制・月額制の以下のプランがあります。
▼無料トライアル
あり(30日間)
Dojo
Dojoは株式会社テンダが提供するマニュアル作成ツールです。
▼主な機能
- Wordやパワーポイントなどの紙マニュアルと動画マニュアルの両方を作成
- マニュアルの自動作成・共有・更新が簡単
- テキストを入力し音声変換ボタンを押すだけでハイクオリティの音声に自動変換。世界16カ国26種類以上の言語に対応
- 単語の読みやアクセントの位置、イントネーションを調整して登録。品詞属性を選ぶことにより、文中でも適切に単語を読み上げ、自然な音声が作成できる
- 電話とメール、Webサイトからサポート
▼価格
要お問い合わせ。ライセンス制で以下のプランがあります。
▼無料トライアル
あり
トースターチーム
トースターチームはnoco株式会社が提供するAIマニュアル作成管理ツールです。
▼主な機能
- パソコン画面を音声とともにビデオクリップとして録画し、マニュアル内に埋め込み表示
- パソコン内蔵のマイクを利用すれば、画面の録画とともに音声の収録にも対応。ナレーション・解説付きの説明動画も簡単に作成
- マニュアルは、グループ、フォルダ、セクションによる3つのレイヤーで管理でき、ラベル機能で横断検索にも対応
- 作成サポートあり
▼価格
要お問い合わせ。機能やアカウント数別に以下のプランがあります。
▼無料トライアル
あり(14日間)
viaPlatz
viaPlatzはNTTテクノクロス株式会社が提供する法人向け動画配信システムです。
▼主な機能
- コンテンツごとに視聴ユーザ、視聴グループの設定が可能
- 月単位で視聴ログの確認やCSVを出力
- 動画とスライド(資料)を連動させて表示
- 動画視聴後に理解度確認テストやアンケートを実施できる
- マニュアルの利用証跡を管理できる
- カメラとエンコーダがあれば、ライブ配信可能
▼価格
要お問い合わせ。ストレージ別の以下のプランがあります。
- パブリッククラウド
- プライベートクラウド
- オンプレミス
▼無料トライアル
あり(1カ月間)
shouin+
shouin+はピーシーフェーズ株式会社が提供するクラウド型eラーニングプラットフォームです。
▼主な機能
- 動画のアップロード、動画情報の入力、字幕の設定の簡単3ステップ
- 動画を使用したクイズを出題可能
- コンテンツの活用状況や研修進捗、試験の合格状況などさまざまなデータを可視化
- 本社で一括登録されたチェックリストを使用することで、全ての従業員が同じ教育を受けられる
- サービス利用開始までのすべての段階で手厚いサポートがある
▼価格
要お問い合わせ
▼無料トライアル
あり(1カ月間)
tebikiが考える効果的な動画マニュアルの作り方は?
動画マニュアル作成ソフトを活用し、人材育成に効果のある動画マニュアルを作るには次のようなポイントに気をつけて作るとよいでしょう。より具体的な作成手順については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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失敗しない動画マニュアルを誰でも簡単に作成する6つのポイント、作成手順や活用事例集
準備でのポイント
「マニュアルを見てどこまで理解してほしいか」のゴールを明確にして、動画に盛り込む要素を決めます。
動画を作る人が当たり前のように思っている基礎知識と、業務をうまく行う応用知識や注意点など、業務初心者に知ってほしいことを洗い出しましょう。
洗い出したら動画の構成を考え、作業のOK例とNG例は別の動画にするなど割り振ります。そして台本を作成し、ナレーション内容も決めておきます。
撮影でのポイント
台本に沿って撮影します。映画やドラマのような見栄えを目指すのではなく、例えば「作業する手元のアップ」など業務のことがわかるように撮影することが重要です。
編集でのポイント
一つひとつの動画を短時間に収めつつも、あまりにも展開が早すぎないように注意します。業務初心者が見てスムーズに頭に入るような展開にしましょう。
実際に企業で使われている動画マニュアルのサンプルと事例
動画マニュアル作成ソフトで作られ、実際に企業で使われている動画マニュアルを見てみましょう。また、動画マニュアルの導入でどれほど効果があったのか、動画マニュアルを活用している企業3社の事例をご紹介します。
より具体的な動画マニュアル活用事例を知りたいという方は、以下の「tebiki動画活用事例集」でさまざまな業界業種の活用事例をご覧ください。