2024.3.27 マニュアルの作り方

見本テンプレ付!わかりやすいマニュアルの作り方とコツ。構成、レイアウト、作成ツールは?

tebikiサポートチーム
執筆者:tebikiサポートチーム

製造/物流/サービス/小売業など、数々の現場で動画教育システムを導入してきたノウハウをご提供します。

かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」を展開する、tebikiサポートチームです。

マニュアル作成をお考えの方は、使用者に内容を正しく伝えるために「わかりやすく」「見やすく」マニュアルを作りたいとお考えだと思います。一方で、わかりやすく作ったつもりでも、正しく情報が伝わっていない…という場面もあるのではないでしょうか。

そこで本記事では、「伝わるマニュアルを作るに、どのように分かりやすくしたらいい?」とお悩みの人に、さまざまな現場のマニュアル作成をご支援する私たちが持つノウハウをもとに、作成手順やコツ、構成やレイアウトなどを見本テンプレートを交えてご紹介します。また、簡単に分かりやすく見やすいマニュアルを作れるツールや、選定時の比較ポイントもご紹介します。

また、本記事ではご紹介しきれない作成のコツは、別紙のマニュアル作成ガイドブックでご紹介しています。ガイドブックではマニュアル作成の手順やコツを、図解を交えてより分かりやすく解説しています。以下の画像をクリックして、ガイドブックもご活用くださいませ。

目次

【見本テンプレートDL可!】わかりやすいマニュアルのデザイン/レイアウトの例

まずは、わかりやすいマニュアルの一例として、飲食店の接客マニュアルの構成をご紹介します。

わかりやすいマニュアルの一例としての【飲食店の接客マニュアル】画像

最初は上のマニュアル見本のように簡単なもので構いません。わかりやすくするためには、次章から詳しくご紹介する作成手順やコツ、レイアウト例を参考に作成を始めてみましょう。

より、実際の業務での使用に適しているフォーマットをお探しの方は、私たちが記事用に作成したマニュアルテンプレートをご利用ください。以下のフォームをご入力いただくと、どなたでも無料でダウンロードいただけます。

【作成手順】伝わるマニュアルの作り方

使用者に正しく伝わる、わかりやすいマニュアルを作るためには、いきなりマニュアルを作り始めるのではなく事前の準備が大切です。まずは、以下の画像で示しているような6ステップで作成を進めてみましょう。

マニュアル作成の6つの手順概要 図解

この6ステップのうち、ステップ1から4は「作成前にやるべきこと」ステップ5から6は「マニュアル作成時の手順」という2工程に分けられます。

ここからは、マニュアル作成の前にやるべきことと、実際の作成手順の2つに分けて説明します。

マニュアル作成の前にやるべきこと


手順1:マニュアルの目的を明確にする

目的を明確にしないままマニュアルを作成すると、誰が/どの場面で/何のためにマニュアルを見るのかわからなくなる可能性が高いです。その結果、作っただけで誰にも使われないマニュアルになってしまいかねません

作成前にマニュアルの目的を明確にすることで得られる効果は、以下の通りです。

  • 用途が明確になるため、長く使われる
  • 必要な情報が絞り込まれた読みやすいマニュアルになる
  • 作成に必要な情報や手順を把握しやすくなり、作業がスムーズに行える


つまり、目的を明確にすることで、効率的な作業を実現しながら、マニュアル作成の質を向上させ、読み手の満足度を高められるということにつながります。

手順2:作成フォーマット/作成ツールを決める

作成ツールやフォーマットは、マニュアルの使いやすさや情報の伝わりやすさに直結します。そのため、どのツールを使用するか、またどのようなフォーマットで作成するかを決めましょう。これらは、マニュアル化する業務によって決めるのがおすすめです。

▼主な作成ツール/作成フォーマット▼

作成フォーマット

・動画(動きのある業務におすすめ!)
・文書
・フローチャート など

作成ツール

tebiki現場教育のようなマニュアル作成ツール
・ワード/Googleドキュメント
・エクセル/Googleスプレッドシート
・パワーポイント/Googleスライド など

 

チーム全体でリアルタイムにマニュアルの編集や更新をしたい場合は、クラウド型のツール利用が良いでしょう。情報の一貫性と最新性を保てます。マニュアル作成ツールの選び方は、後述の「わかりやすいマニュアルは何で作成する?ツールの選び方は」をご覧ください

一方で「まずはExcelやWordなど身近なツールで作りたい」という方もいらっしゃるでしょう。そのような方に向けて、クラウド型のツールとExcelやWordを比較した場合のメリット/デメリットを解説する記事をご用意しています。ぜひ以下の記事もご覧ください。

▼関連記事▼
マニュアルをクラウドに切り替える:Excel/Wordと比較したメリットとデメリット

手順3:作成責任者を決める

マニュアルを作成する際は、「みんなで頑張る」のではなく作成する責任者を決めることが重要です。

「みんなで頑張る」にしてしまうと、責任と権限の所在が明確になりません。そのため、誰が/どの作業を行うのか決めないままマニュアル作成を進めてしまい、チェック漏れや記載ミスといったトラブルが発生する可能性が高まります。マニュアルは、「① 責任者が1人で作る → ② 2~3名のチームで作る → ③ チーム全員で作る」の順番で作成するのがおすすめです。

マニュアルを作り始める順番


「マニュアルは誰の仕事なのか?」「責任者に向いているのは誰?」などの疑問の答えは、以下の記事で解説しています。

▼関連記事▼
マニュアルは誰が作るのが正解?新人や派遣に依頼して良いのか

手順4:作成スケジュールを計画する

マニュアル作成の担当者が決まったら、作成を始める前にマニュアル作成のスケジュールを計画しましょう。スケジュールを計画するにあたり、以下のことを確認してください。

  • マニュアルのボリューム
  • 利用できる人的リソース
  • 利用できる金銭的なリソース
  • 締切


新人受入のためのマニュアルのように、明確な締め切りがある場合があります。このような場合は、締切日から逆算してスケジュールを計画しなければなりません。上司のチェックなど、予想外に時間が掛かることもあるため、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

マニュアル作成時の手順


手順5:マニュアルの骨子を作成する

骨子を作ることで、抜け漏れのない整理されたマニュアルを作成しやすいです。骨子がないまま書き始めてしまうと、どこにどの要素入れれば良いか迷ってしまい、効率的に作成できない/要素がバラついている見にくいマニュアルになる可能性があります。

骨子には、マニュアルの有用性を高めるために、作業手順のほかに以下の要素も記載することがおすすめです。

  • 作業の注意点
  • 作業効率化のためのヒント
  • 作業者がよく疑問に思う点


手順6:骨子をもとに内容を肉付けする

マニュアルの骨子が整った段階で、内容を詳しく記載し、肉付けしていきます。

業務の洗い出しと骨子の作成が適切にできていれば、作業内容の詳細を記入するだけで完了します。必要な業務手順が抜けていたり、作業手順に誤りがあったりした場合は、前のステップに戻り内容の追加や変更を行いましょう。

マニュアルの肉付けを行う際/骨子を考える際は、後述している以下の内容をご覧ください。


『作成手順をより具体的に知りたい』『この解説で不明瞭な部分があった』という方
は、私たちが作成したマニュアル作成のガイドブックもご活用ください。以下のリンクをクリックすると資料をご覧いただけますので、ぜひこちらもご活用ください。

>>【成功に導く「わかりやすいコツ」つき!はじめてのマニュアル作成ガイド】を読む(DL無料)

【構成】何をどの順番で入れたら伝わりやすいのか

わかりやすいマニュアルは、読み進めやすく受け取りやすい構成になっています。

読み手が情報を受け取りやすい順番にすると、頭に入りやすく内容を理解しやすくなります。ここでは、情報が頭に入りやすいマニュアルの構成をご紹介します。

構成① 序文

マニュアルの本文に入る前に序文を入れます。序文では、以下を説明すると良いでしょう。

  • マニュアルの目的
  • ゴール
  • マニュアル閲覧対象者
  • マニュアルの目次


マニュアルの使用者には、一連の作業内容を学ぼうとしている新人以外にも、『一部の作業内容だけを確認したい』という既存従業員もいます。そのような方に向けて、目次を提示することでスムーズな情報取得を手助けします。

▼関連記事▼
マニュアルの「目次構成」の作り方5STEP!見やすい見出しを作るには?

構成② 概要

解説する業務の概要や、必要な道具/利用ソフトなどを記載しましょう。概要説明をすることで、初めて業務を行う人でもスムーズに進行できます。

構成③ 具体的な業務手順

業務の流れと具体的な手順を説明します。手順は製品ごとに分けたり、日次の作業・月次の作業と時期で分けたりするなど、業務内容次第で分け方を工夫して説明すると良いでしょう。

手順を箇条書きにしたり、写真や図表を挿入したりするとわかりやすくなります。

構成④ トラブルシューティング

起こりうるトラブルやエラーとその対処法について説明します。トラブルシューティングのセクションがあると、問題に直面した際、迅速に対処できます。また、作業の中断を最小限に抑えられるというメリットも考えられます。

構成⑤ よくある質問 (FAQ)

よく聞かれる質問や補足説明をしたい事項を記載します。更新の度に追加するとノウハウを貯められます。また、質疑応答の時間の削減にもつながるでしょう。

構成⑥ 参考資料

業務を行う際参考にすると良い図表や資料の保存場所やリンクを記載します。例えば、必要なシステムの操作マニュアル/トラブルが発生した際の連絡先などがあるとよいでしょう。

構成⑦ 用語集

マニュアルの本文中に出てきた用語やよく耳にする用語についての解説、参照ページを記載します。専門用語やよく使われる略語については必ず解説しましょう。

【レイアウトデザイン】作業者が見やすい配置とは

わかりやすいマニュアルは、説明がわかりやすいとともに見た目もわかりやすいものです。パッと見ただけでどこに何が書いてあるのかが掴めるようになっています。

おしゃれでかっこいいデザインである必要はなく、一瞬で内容を把握できるデザインがベストです。ここでは、わかりやすいマニュアルにするためのレイアウトやデザインのポイントをご紹介します。

レイアウトやデザインのポイント


読み手の視線を意識した段落配置にする

読み手の視線の動きを考え、その流れをさえぎらない段落配置にすると読みやすくなります。例えば、以下のように配置するのがおすすめです。

  • 文字だけのページであれば「上から下」
  • 写真や図が多いページであればアルファベットの「Z」
  • 見開き2ページで見るフロー図であれば「左から右」

レイアウトデザインのポイント【↓Z→】

詰め込みすぎず余白をつくる

文字や図表、写真をページいっぱいに詰め込むと読み手は読み疲れてしまいます。まずページの周囲は余白をほどよく取り、文字列は改行し、写真は隣の写真との間隔を空けるようにして、余白を作り出しましょう。

文字の大きさや漢字の量、太字などでメリハリをつける

見出しと本文の文字の大きさが同じだったり、漢字ばかり・ひらがなばかりに偏っていたりすると読みづらいものです。文字の大きさや太さを変え、漢字とひらがなを混ぜるなど適度に変化をつけると読みやすくなります。

デザインの凝りすぎには注意

デザインに凝りすぎると、果てしなく作成時間がかかるため、注意が必要です。

文字の色やフォントを何種類も使ったり、段落の囲みの枠線をデザイン性の高いものにしたりと、デザインを工夫すると作成にも確認にも時間がかかります。マニュアルの目的は、おしゃれなデザインを作ることではありません。読み手のことを考えて、シンプルかつ見やすいものを心がけましょう。

わかりやすいマニュアルに適しているフォントやデザインについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。

▼関連記事▼
【見本あり】マニュアル作成のための「見やすいデザイン」3つのポイント
マニュアル作成での「最適な字体」は?見やすいフォント&デザインのポイント 

マニュアルの運用を成功させるポイント

わかりやすいマニュアルを作ることに加え、どのように運用するかによってマニュアル活用の成功を左右します。成功のためには「どれだけ職場で浸透して使われるか」がカギです

浸透するためには読んでわかりやすい(から使われる)という前提があるものの、ここからは運用面でできるポイントなど工夫をご紹介します。

使用頻度が多いマニュアルから拡充する

マニュアル運用の定着には、「どれほどマニュアルを使う場面があるか」が1つのポイントです。

よく社内で使われる頻度が多い機械やツールの使い方、総務などへ質問が多数寄せられるトピックス、新人が定期的に入社してくる部門など、マニュアルの使用度が高いところから拡充することによって、「マニュアルを確認すれば疑問が解消できる状態」を目指します

このような状態を整えられると、従業員が何か疑問点が出てきたときに『まずはマニュアルを探してみよう』という意識になるため、自然とマニュアルが運用される状態になることが期待できます。

役職の高い人が積極的にマニュアルを使う

マニュアル運用の定着には、役職者などがマニュアル活用を推進することも効果的です。役職者がマニュアル作成/運用を推進することで、マニュアル活用の風土形成や内容遵守の重要性を伝えることに繋がります

また、前述のマニュアル拡充と組み合わせることで、従業員から聞かれた質問に『まずはマニュアルを見てみて』と伝えられ、徐々にマニュアル活用する動きが進んでいきます。

マニュアルを閲覧しやすいように管理する

運用の成功のためには、「必要な時にすぐ使える状態か」という点も大切です。従業員が『マニュアルを使いたい!』と思っても、その場ですぐ使えないと運用定着が難しいです。そのため、以下のような管理体制を構築して運用できると理想です。

  • 紙ではなくデジタル上/クラウドで管理する
  • 管理ルールを整備する


紙の場合、保管場所へ探しに行く手間や旧バージョンの管理工数など、ムダな手間が生じやすいです。このようなムダを解消する手段がデジタル上/クラウドでの管理です。

しかし、デジタルやクラウドによる管理でもルールが整っていなければ、『社内サーバーのどこに格納されているか分からない』『どれが最新のものか分からない』と、閲覧しやすい状態とは言えません。

社内のデータベースで管理するのではなく、管理機能が備わっているマニュアル作成ツールを用いるとこのような問題を解消し、だれでも簡単にマニュアルを閲覧できる環境が整えられます

定期的に内容を見直す

マニュアルは一度作成して終わりではなく、定期的に内容をブラッシュアップすることが必要です。業務内容などは細かい変更などが重ねられるものであるため、徐々にマニュアルと実際の業務内容に乖離が生じます。

このような乖離を無視してしまうと『マニュアルを読んでも疑問が解消されない』『マニュアルに沿ったのに違うと注意を受けた』など、マニュアル活用に対する疑念が生まれて結果的に使われなくなってしまいます

このような事態にならないためには、使用頻度が高いマニュアルや業務上の重要度が高いマニュアルは定期的に見直し、必要に応じて修正することが必要です。

失敗例から学ぶ!わかりやすいマニュアル作成のコツ

わかりやすいマニュアルを作成するためには、以下の6つのコツを意識してください。各ポイントで「ありがちな失敗例」も交えて、詳しく解説します。

  • マニュアル作成の責任者を決める
  • 作成スケジュールを計画して進行する
  • 要点をまとめてから作成する
  • 文字数を極力少なくする
  • 最初から完璧を目指さない
  • 文字や写真だけで説明しようとしない

 

マニュアル作成の責任者を決める

マニュアル作成は大変な仕事の1つ。作成工数がかかり、通常業務の時間を圧迫する可能性が高いため、「マニュアル作りはめんどくさい……」と敬遠する人も少なくないでしょう。そのため、最初は責任者が主導してマニュアルを作成し、だんだんとチーム/部署一丸となって作成を進行するのがおすすめです。

「簡単に責任者を決められたら苦労しない」と感じるかもしれませんが、社内評価と連動させる/取り組み状況を社内周知し「○○さん凄いね!」と周囲に声をかけられるような環境を整えるなど、責任者が前向きになれるような状況を作り上げることが大切です。

また、既存マニュアルの課題が明らかになっている場合は、問題点を整理した上で「○○をしたら確実に良くなる(成功できる)」というメッセージを出し、取り組みに対する心理的ハードルを下げることもおすすめです。

ありがちな失敗例

  • チーム全員でマニュアル作成を試みたが、責任と権限の所在が曖昧で作成自体が頓挫した
  • AさんとBさんがマニュアルを作成しただが、別々に作業しているためマニュアルの範囲や質にバラつきが出た


マニュアルの作成者については、以下の記事でも詳しく解説しています。責任者に向いている人の特徴なども紹介しているので、チェックしてください。

▼関連記事▼
マニュアルは誰が作るのが正解?新人や派遣に依頼して良いのか

作成スケジュールを計画して進行する

マニュアル作りは、業務と並行して行われることが多いです。そのため、業務が忙しくなるとマニュアル作りが進みにくくなります。業務の繁忙を見越した上で、無理のないスケジュールを立てると、業務に影響なくマニュアル作りにも気持ちの余裕を持てるため、わかりやすいマニュアルを作れます。

「スケジュール重視の結果、マニュアルの質が悪くなったら意味がない」と感じるかもしれませんが、後述の【ポイント5:最初から完璧を目指さない】も意識することで、「運用⇒改善」のサイクルを重ねて徐々に質を高めていけば問題ないでしょう。

ありがちな失敗例

  • 計画を立てておらず、マニュアルの完成予定日がはっきりしていない
  • ざっくりとしたスケジュールを立てたものの、業務が急に忙しくなった。新人が来るまでに間に合わせようと、やっつけ仕事で作った

 

要点をまとめてから作成する

いきなりマニュアルを書き始めると、要点が抜け落ちる可能性があります。そのため、あらかじめ要点をまとめることで、マニュアルに含めるべき情報を明確化でき、わかりやすいマニュアルが完成します。

また、要点をまとめた後に作成することで、執筆の効率化にもつながります。必要な情報が明確になっているため、マニュアルの文章をまとめるのにかかる時間が短縮されて、効率的なマニュアル整備ができるでしょう。

ありがちな失敗例

  • 業務に詳しい人がマニュアルを作ったが、その人にとって「当たり前」となっている要点が抜けていた
  • マニュアルに事前準備について書かれていないため、その後の手順を読んでもよくわからない

 

文字数を極力少なくする

マニュアルには、必要な情報を盛り込んだ方が良いものの、文字が多すぎるとわかりづらい/読みづらいマニュアルになります。文字数を減らす工夫としては、以下のことを試してみましょう。

  • 冗長表現を避ける
  • 不要な修飾語や間接的な表現は避ける
  • 過剰な敬語表現はしない

 

ありがちな失敗例

  • 文字数が多すぎて、結局何をすればいいのか掴みづらい
  • 繰り返しになる説明が多く、読み飛ばされてしまう

 

最初から完璧を目指さない

1度作成したマニュアルをそのまま使い続けるのではなく、変更や修正すべき点が見つかればマニュアルの更新が必要です。

できるだけ修正箇所がない完璧なものを作りたい、と意識するのは良いことですが、実際に仕事をするときにわかりやすい内容かが重要です。粗削りでも作成し、現場で使ってみて改善/更新を重ねたマニュアルこそ、わかりやすいマニュアルとなります。

ありがちな失敗例

  • 完璧を目指したため、時間がかかりすぎて内容のブラッシュアップが疎かになった
  • 見た目も美しく完璧な仕上がりゆえ、修正しづらく変更点を反映するのが面倒になる

 

文字や写真だけで説明しようとしない

マニュアルというと「文字や写真」で作ることをイメージしますが、マニュアルで伝えたい内容によっては適していないケースがあります。

PC上のツール操作方法や、製品の梱包手順など「動作」にまつわる情報は、動画を用いた方が適切です。動作は一連の流れを伝える必要がある一方で、文字や写真では断続的な情報共有となってしまい『どんな流れでその作業工程に移った?』と疑問を覚えることが少なくありません。

また、動きを文字や写真で伝えようとすると、動作を文章に言語化するだけでなく補足用の写真/画像の用意と、作成工数が膨れ上がります。動画を撮影してマニュアル化することで、簡単にわかりやすいマニュアルの作成が可能です。動画を用いたマニュアル作成ツールとしては、tebiki現場教育などが挙げられます

ここまで、わかりやすく内容が伝わるマニュアルを作るための手順やコツについて、詳しくご紹介してきました。一方で、さまざまな現場のマニュアル作成を支援する私たちのノウハウは、本記事だけではご紹介しきれません。

『マニュアル作成のコツやノウハウを、他にも具体的に知りたい!』という方は、私たちが持つノウハウを1冊に凝縮したガイドブックもご活用ください。以下の画像をクリックするとご覧いただけますので、本記事と併せてご覧ください。

わかりやすいマニュアルは何で作成する?ツールの選び方

読み手にとってわかりやすいマニュアルを作るツールは、紙/電子ファイル/動画など使用するフォーマットによって変わります。

ここからは、マニュアル作成ツールとは何か?ツールの特徴や選ぶヒントをご紹介します。

マニュアル作成ツールとは?

マニュアル作成ツールとは、わかりやすいマニュアルを効率的に作成するために、さまざまな機能でサポートしているツールのことです。

ワードやエクセル、パワーポイントなど、PCの標準ソフトで作成される場合はあるものの、自由度が高いがゆえに作成工数がかかったり、職場での作成手順/ルールを統一することが難しいです。マニュアル作成ツールであれば、マニュアル用途に特化した機能/画面になっているため、誰でも簡単にわかりやすいマニュアルを効率的に作成できます。

また、tebiki現場教育のように、ツールによっては従業員の習熟度や教育状況の管理機能が備わっていることも特徴です。代表的なツールについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、リンクをクリックしてご覧ください。

▼関連記事▼
【無料あり】マニュアル作成ツール比較12選│失敗しない選び方も

マニュアル作成ツールの選び方


閲覧方法から選ぶ

どのようにマニュアルを閲覧するかによって、フォーマットとツールを選びましょう。

例えば、紙で文字ベースのマニュアルを閲覧するなら、WordやExcelなどのツールで作成して印刷します。パソコンやタブレット、スマートフォンなどで動画によるマニュアルを閲覧するなら、動画編集ソフトや動画マニュアルツールなどで作成することになります。

機能面から選ぶ

ツールによっては、作成の手間や管理の負担を軽減する機能/自動翻訳機能/字幕生成機能などがあります。使いたい機能が搭載しているかどうかチェックして、ツールを選びましょう。

とはいえ、機能が多すぎると、使いこなすのに時間がかかり、作成工数がかかってしまいかねません。自社のマニュアル作成に必要な機能を見極めて、選定することをおすすめします。

料金から選ぶ

マニュアルの作成や共有に充てられる予算に合わせてツールを選ぶ視点も大切です。

例えば業務でも使っているWordやPowerPointであれば、既にライセンス料を支払っているため、追加費用は生じません。他にもWebサイトから無料でダウンロードできるマニュアルテンプレートもあります。これらの場合はマニュアルのデータ保存先を確保する必要がありますが、低予算で作成可能です。

一方で、料金から選ぶときには単純なコスト比較にならないように注意が必要です

ツールの高い/安いではなく、『このマニュアル作成ツールを使用することによって、どれだけ業務効率化が進むか?』という費用対効果の視点で選ぶことが望ましいです。費用対効果は主に以下のような視点から考えます。

  • マニュアル作成時間がどれほど減るか?
  • 伝わるマニュアルになることで、OJTなどの教育/問い合わせ対応工数がどれほど減るか?
  • 紙マニュアルだった時と比較して、管理工数がどれほど効率化されるか?


マニュアル作成ツールの導入によって捻出された時間に対して、1時間あたりの生産性(売上など)を掛け合わせることで、おおよその費用対効果を検討することができます。この費用対効果が大きいもの=コストパフォーマンスが高いと判断して、ツールを選ぶことがオススメです

そして、コストパフォーマンスが高いと判断いただき、多くの職場で導入されているマニュアル作成ツールが、私たちのtebiki現場教育です。次章以降では、tebiki現場教育の機能概要や活用事例についてご紹介します。

わかりやすいマニュアルは「tebiki現場教育」で簡単に作成できる

読み手にも作り手にもわかりやすいマニュアル作成ツールとして「tebiki現場教育」をご紹介します。


「動画マニュアル」を軸としつつも文書マニュアル作成にも対応しており、作業手順などの動作は「動画」で、それ以外の情報は「文章」でといったように、活用シーンに合わせて適切なフォーマットでマニュアル作成が可能です。

ここからは、tebiki現場教育の主な機能など概要をご紹介します。

tebiki現場教育なら簡単に「わかりやすいマニュアル」が作成可能

tebiki現場教育では、以下の手順だけで簡単に「マニュアル作成」が可能です。

  1. スマートフォンやPC画面収録で業務の様子を撮影する
  2. 撮影した動画をtebikiにアップロードする
  3. 不要な部分のカット/字幕の追加などの編集を行う
  4. 補足情報など、必要に応じて文書マニュアルを作成する
  5. マニュアルを公開する


音声の自動認識による字幕生成/自動翻訳機能/字幕読み上げ機能などの機能が搭載されており、初めて動画編集を行う人もスムーズにマニュアルを作れます。

「動作」ではない情報を伝える場合には、文書マニュアルのみ作成することも可能です。tebiki現場教育であれば、動画/文書問わず容量無制限でマニュアルを一元管理することが可能です。

検索機能により、どこにどのマニュアルがあるか管理しやすい

tebiki現場教育では、マニュアルがクラウドに一括保存されるため、データが散逸しません

検索性の高さも魅力で、ファイル名/タグ/説明文などからキーワード検索ができ、見たいマニュアルをすぐに探し出せるでしょう。フォルダ分けも可能なため、チームごとにマニュアルを格納するのも可能です。

理解度を確認できるテスト機能もあり

通常、理解度を確認する場合は、テストや研修を行う必要があります。しかし、tebiki現場教育では、テスト機能もあるため、教育管理が可能です。

また、各スタッフのアクセス状況や閲覧時間の把握も可能。tebikiがどれくらい活用されて、どれくらいの学習効果を出せるのか一目瞭然でわかります。

より具体的なtebiki現場教育の機能紹介やプランなど、ツール概要を知りたい方は以下の画像をクリックしてサービス資料をご覧ください。次章からは、tebiki現場教育を活用して「わかりやすいマニュアル作成/運用の成功事例」についてご紹介します。

わかりやすいマニュアルの作成/運用に成功している事例

ここからは、本記事でご紹介したようなノウハウを適用し、わかりやすく伝わるマニュアルを作成して運用に成功している事例を3社ご紹介します。

今回ご紹介している事例は、いずれもマニュアル作成ツールとして「tebiki現場教育」を活用している事例です。

新日本工機株式会社

工作機械、遠心力鋳造管、産業機械の製造販売を手がける新日本工機株式会社は、1898年創業の歴史ある企業です。人が育つ環境づくりを心がけ、仕事だけでなく仕事への姿勢も丁寧に指導していますが、作業が標準化されておらず、人によって品質がバラついてしまう課題がありました。

▼インタビュー動画:新日本工機株式会社▼


作業内容の標準化を目指して動画マニュアルtebikiを導入したところ、作成が簡単だからこそ1年で1,500本以上の動画マニュアルを作成。動画マニュアルによって、標準化に成功し、作業のバラつきが減り品質が安定しました。さらに、ベテランの技術やノウハウを動画によって可視化できたことで、技術継承にもつながっています。

もっと詳しく新日本工機株式会社の導入経緯や効果を見たい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

▼インタビュー記事▼
人が育つ環境づくりとして動画マニュアルtebikiを活用。技術の蓄積と作業品質の安定を実現。

サッポログループ物流株式会社

サッポログループの商品輸配送を主軸として、さまざまな企業の配送を手がけるサッポログループ物流株式会社では、紙のマニュアルやOJT指導を中心に人材育成を行っていました。しかし、物流特有の高度で明文化しづらい「動きが伴う業務」を紙マニュアルでは効率的に伝承できず、業務の属人化や業務品質のバラつきが発生していました。

複数のツールを並行運用した結果、操作性がシンプルでわかりやすく、マニュアル運用に必要な機能が揃っている動画マニュアルtebikiを導入。作成に2〜3時間かかる紙マニュアルが、tebikiなら30分前後と作成にかかる時間を以前の3割ほどまで削減しました。現在では、部門横断的にtebikiの利用が広まり、業務ノウハウを可視化して蓄積し共有する体制が構築され、属人化の解消や生産性向上につながっています。

サッポログループ物流株式会社の導入当時のエピソードなどをより詳しく見たい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

▼インタビュー記事▼
物流現場のノウハウを動画で可視化!ロジスティクスの生産性を上げるため人材教育の課題に挑む

株式会社ハングリータイガー

オリジナルハンバーグやステーキの専門店を12店舗展開する株式会社ハングリータイガーは、炭火で焼く肉と高品質なサービスに定評があります。高品質なサービス提供の維持には、紙のマニュアルやOJTでは難しい点が多いため、動画マニュアルの内製化に取り組んだものの、編集には一定のスキルが必要であり、動画の共有手段が限られるため困難を抱えていました。

そこで、動画編集が簡単にできるツールを比較検討し、動画マニュアルtebikiを導入。ITスキルがなくても動画編集が簡単にでき、細かい所作も伝えられるため、マニュアル作成工数削減/高品質サービス維持にもつながりました。現在は新人教育に活用していますが、安全教育やベテラン社員の技術伝承にも活用していきたいと考えているそうです。

株式会社ハングリータイガーのより詳しい事例を読みたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

▼インタビュー記事▼
マニュアル作成やOJTの工数削減!接客の所作や業務の動きを伝えるには動画がベスト 

ここまで、tebiki現場教育を活用した、わかりやすいマニュアル作成/運用の成功事例をご紹介しました。『マニュアル作成ツールとして、tebiki現場教育を活用した事例を他にも知りたい!』という方は、さまざまな業界の活用事例を1冊に凝縮したガイドブックをご活用ください。

以下の画像をクリックするとご覧いただけますので、本記事と併せてご活用ください。

エクセルvsパワポ、マニュアル作成向きなのはどっち?

どちらのツールもマニュアル作成が可能です。作りたいマニュアルの種類によって使い分けると良いでしょう。

Excel版:見やすいマニュアルの作成方法

Excelは表計算のためのソフトであるため、表/グラフ/関数などが頻出する内容のマニュアルに適していると言えます。ただ、ファイル内に複数のシートを入れる構造のため、シートが多いと読み手が見落とす恐れがあり、注意が必要です。

Excelでマニュアルを作成する際は、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

  • シートを分ける場合、わかりやすいタブ名にする
  • 印刷を想定する場合、1シートに情報を詰め込みすぎない

 

PowerPoint版:見やすいマニュアルの作成方法

PowerPointはプレゼンテーションのためのソフトであり、文章の他に図表・イラスト・写真なども入れられるため、比較的どのようなマニュアルにも適していると言えます。余白を意識したレイアウトも作りやすいです。

PowerPointでは、レイアウトテンプレートを活用すると規則性が生まれ、見やすい上に効率的に作成できます。印刷を想定する場合は、スライドの背景を凝ったデザインにするとインクが大量に必要になります。無地の白にとどめておくと良いでしょう。

PowerPointであれば、使い方によって簡易的な動画マニュアルを作成することも可能です。PowerPointで動画マニュアルを作る方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

▼関連記事▼
パワーポイントを活用して動画マニュアルを作成する方法と手順【Windows版】
パワーポイントを活用して動画マニュアルを作成する方法と手順【Mac版】

マニュアル作成に関するQ&A

そもそもマニュアルとは?

マニュアルとは、「対象となる業務の手順だけでなく、その業務に必要な知識についてまとめたもの」です。

たとえば、業務の概要/目的/全体の流れ/必要なシステムやツール/トラブルシューティングなど、業務を行う上で知っておくとよい内容を掘り下げて記載します。

マニュアル作成の意味や目的は?

マニュアル作成の意味/目的は「教育する仕組みを作ること」にあります。

職場にマニュアルがなければ、何に従って作業を進めれば良いのか迷ってしまいますよね。しかし、マニュアルを整備すれば、人材育成の基盤を作ることができ、生産性の向上 / スキルの伝承 / 業務品質向上といった効果が期待できます。

マニュアル作成の意味を詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。「マニュアルは必要ない」という声が挙がる理由についても解説しています。

▼関連記事▼
【事例あり】マニュアル作成の3つの意味。「必要ない」は本当?

マニュアルにはどんな種類がある?

マニュアルの主な種類は、以下の通りです。

  • 教育/業務/作業/操作マニュアル
  • 作業手順書
  • 作業標準書
  • SOP(標準作業手順書)


全て「作業内容を伝える」という目的を持っていますが、記載する内容や使い方などが異なることがあります。マニュアルの種類について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

▼関連記事▼
マニュアルとは:「作業手順書」「SOP」等の類語との意味の違いや英語の呼び方など
【見本画像あり】操作マニュアルとは?分かりやすく作る方法や手順、ポイントを解説!

マニュアルと手順書の違いは?

マニュアルと手順書は、目的/内容/役割に違いがあります。これらの3つの違いを一言で表すと、「マニュアルは幅広い内容を詳しく説明するもの」「手順書は限定的な内容をわかりやすくまとめるもの」と表現できます。

具体的な解説は以下の記事をご覧ください。

▼関連記事▼
【例あり】マニュアルと手順書の違いは?わかりやすくするコツも解説

マニュアル作りが上手な人はどんな人?

わかりやすいマニュアルを作るのが上手な人は、次のような特徴があります。

  • 業務を中心に、前後工程の業務にも広く知見のある人
  • 初心者の視点に立てる人
  • 人に説明するのが得意な人


業務経験がさほど長くなくても、こういった特徴がある人にマニュアル作成の担当者や責任者をお願いすると円滑に進むでしょう。

▼関連記事▼
【即上達】マニュアル作成が上手い人の5つの特徴!コツやおすすめツールも

まとめ

今回は、わかりやすいマニュアルを作るためのポイントや手順をご紹介しました。

責任者や計画をきちんと決めて、マニュアルに盛り込む要点を考えておくことや、文字数は抑え目に、最初から完璧なマニュアルを作ろうとしない、などのポイントがあります。また、構成やレイアウトについてもヒントをご紹介しているので参考にしてみてください。

また、マニュアル作成に使うツールもわかりやすいマニュアル作りには大切な要素です。文字中心のマニュアルよりも動画のマニュアルのほうが情報量は多く、短時間でわかりやすく伝えることができます。

今回は、動画も作れるマニュアル作成ツールとして「tebiki現場教育」をご紹介しました。もう少し詳しい機能やプランを知りたい方は、以下の画像をクリックして資料をご覧ください。

クラウド動画教育システムtebiki

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カテゴリー: マニュアルの作り方