2020.9.21 マニュアルの作り方

マニュアルをクラウドに切り替える:Excel/Wordと比較したメリットとデメリット

貴山 敬
執筆者:貴山 敬

動画教育システムtebikiを提供するピナクルズ株式会社代表取締役。元食品工場長、ISO9001導入責任者。現場の使いやすさを1番に考えてサービス開発しています。

弊社が提供する、クラウド型現場向け動画教育システム tebiki をご検討いただく際に、「マニュアルをクラウド型に切り替えてよいのか」はよく議題に上がるポイントです。この記事では、弊社システムの導入実績に基づいて、クラウド型マニュアルシステムのメリット/デメリット、Excel/Word/PowerPointなどのファイル作成ソフトとの比較、買い切り型の問題点などをふまえて、なぜクラウド型マニュアルシステムが人気なのかを解説します。

実際のところ、マニュアルシステムを独自開発する会社はよほどの大企業に限られますので、ファイル作成ソフトで運用しているものをクラウド型に切り替えるかが検討の焦点になります。

目次

クラウド型マニュアルシステムのメリット

クラウドのメリットとしてよく言われる以下の点は、マニュアルシステムの場合も同じです。なかでも、かんたんに共有できるという点は、「最新版の配布と回収が面倒」という紙マニュアルの長年の課題を解決してくれる非常に大きな利点だと言えます。

  • インターネットにつながればどこでも利用できる
  • 共有が簡単
  • 自社開発よりも安い
  • 運用コストが安い
  • システム改善速度が早い
  • 常に最新版を見せることができる
  • 利用状況を会社がモニタリングできる

クラウド型マニュアルシステムのデメリット

デメリットでとしてよく挙げられる点についてそれぞれ解説します。

セキュリティレベルを自社で管理できない

「セキュリティが不安」とよく言われますが、実際のところ、クラウド型の方が自社システムよりもセキュリティレベルが高いことも多いので、自社で管理できない、という表現が正しいと思います。

カスタマイズできない

クラウドで提供されているマニュアルシステムの仕様は変えられないことがほとんどです。しかし、自社で開発する場合は最低でも数千万円~数億円の開発費用がかかりますので、どちらをとるのか、という判断になります。

インターネット回線がないと閲覧できない

WiFiがない/貧弱な環境の場合、クラウド型の大きな弱点と言えます。
※弊社が提供する tebiki は、電波が届かないところでも閲覧できる機能があります。

 

システム提供会社がサービス停止したときに困る

システム環境を外部に依存することになるので確かにこのリスクはありますが、実際のところ、サービス停止してしまってすごく困ったという話を聞くこと稀なので、リスクはかなり小さいと言えます。

他ソフトとの互換性がない

各社のマニュアルシステムは独自フォーマットなので、他システムと互換性がない場合が多いですし、そもそも独自仕様の機能は他システムでは使えません。もしもマニュアルシステムを別の物に切り替える場合は大きな手間がかかる点は、どのクラウドソフトでも同じです。

ファイル作成ソフトでのマニュアル運用の問題点

マニュアルはWord/Excel/PowerPoint等で作成される場合がほとんどですが、これらのファイル作成ソフトでマニュアル運用する場合、以下の問題点があります。

  • スマホやタブレットだと見にくい
  • 共同編集できない(うまく同期されない)
  • 旧版の回収と新版の配布が面倒
  • 動画に対応していない
  • 動画/画像などを挿入してファイルが重たいとパソコンがフリーズする
  • 常に誰かが意識して整理しないと、どこに何があるかわからなくなる
  • 社員の異動/退職時にうまく引き継がれない
  •  社内運用ルールを設計する必要がある

これらの中で、見落とされがちな点ですが、マニュアルの社内運用ルール設計にはかなり手間がかかります。

ファイル作成ソフトでの運用ルール

以下のルールを汎用的なファイル作成ソフトでは設定できないので、組織内で独自に考えながら作る必要があり、そのルールを常に見直しつつ、新人が来るたびに徹底する必要があります。

  • フォーマットの統一
  • 部門などによるアクセス権限の設定
  • 最新版に更新したときの告知
  • ファイルの分類わけ
  • 誰がどこまで理解しているかの確認

ITシステムで強制できない管理ルールの設計と徹底は一般的に難しく、忙しい現場管理職の貴重な時間を使うことになってしまうことに注意が必要です。

買い切り型/オンプレミスの考え方

弊社でも、たまに「買い切りできないですか?」とご質問いただくことがあります。
※弊社では、買い切り型ではお客様に良いものをリーズナブルな価格でご提供できないと考えており、月額利用料を頂く方式(サブスクリプション型)のみご用意しています。

買い切り型の場合、サブスクリプション型と比較して、お客様側に以下のコスト/問題点があります。

  • 高価な初期投資
  • 継続的にシステムが改善されない
  • 社内情報システム部門による運用コスト
  • Windows/Android/iPhoneなどの、新しいOSバージョンへの対応

各デバイスの最新OSに対応しつつ、継続的に改善を続けるクラウド型と比較すると、買い切り型のトータルコストが結局高くつくため、様々なサービスがクラウド型に移行していると言えます。

後回しにされるシステム改善

買い切り型の契約にもよりますが、運用しはじめてから実感するのが、「システム改善が後回しにされる」という点です。

例えば倉庫会社の場合、在庫管理システムは会社の根幹そのものなので、社内のITシステム部門で常に最優先で扱われます。しかし、マニュアルシステムのような基幹システムではない場合、どうしてもシステム改善が後回しになってしまいます。

現場の利用者からすると「どうしてこんな簡単なことがすぐ直らないの?」と思うことも、要望がたまっていくだけで一向に改善されない、という状況をよく拝見します。

オンプレミスの場合も同じ

オンプレミスとは、顧客が管理するサーバーにシステムを設置することですが、買い切り型の場合と議論は同じです。尚、所有サーバーへのシステム導入(構築)が必要なので、初期費用も運用コストも非常に大きくなります。

「クラウド禁止」の注意点

弊社サービスにご興味を持って頂けたのに、「社内的にクラウドは禁止」ということが後からわかって、ご検討がストップしてしまうことが残念ながら時折あります。

弊社としてご提案できることがないので、お客様の方針が変わるのを待つしかないのですが、実態として、クラウドを禁止すると逆にセキュリティレベルが下がる、という状況はよく拝見するので注意が必要です。

もちろんシステムによりますが、クラウドシステムは改善を続けてどんどん良くなっていくので、非クラウド型とのサービスレベルの差はどんどん拡がっていきます。

会社がセキュリティを厳しくしても、たいていの場合どこかに「裏技」があるので、優秀な社員の方ほど、会社が非推奨のネットワーク/デバイス/ソフトウェアを介して、最新の一番良いものを使う傾向があります。そして、こういう「裏技」は利用状況を会社がモニタリングできません。

会社的に、セキュリティを厳しくして社員に裏技を使われたら本末転倒ですので、クラウド禁止とするかは、慎重に判断するべきだと言えます。

参考:マニュアル作成方法のまとめ

マニュアルの作り方に関する豊富なノウハウ集です。

マニュアル作成方法のまとめ:コツ/目的/手順/進め方など

クラウドでかんたんに動画マニュアルを作成/共有できるtebiki

弊社が提供するクラウド型現場向け動画教育システム tebiki は、PC/スマホ/タブレットで同じようにクラウドでマニュアルを編集/閲覧することができるシステムです。

クラウド型のデメリットである「インターネットにつながってないと使えない」という点も、独自技術で対応しています。暗号化通信/アクセス権限/監視ログ/IP制限などのセキュリティ対策も万全ですのでご安心ください。ご興味あればぜひこちらのサービス紹介をご覧ください!

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