2023.12.29 マニュアルの作り方

マニュアル作成のコツを紹介!わかりやすく作成する方法や事例も解説

tebikiサポートチーム
執筆者:tebikiサポートチーム

製造/物流/サービス/小売業など、数々の現場で動画教育システムを導入してきたノウハウをご提供します。

マニュアルとは、仕事や作業を進めるためのルールや手順が書かれた書類です。業務の効率化や標準化を推進するうえで、マニュアル作成は必要不可欠です。
そのため多くの情報を盛り込む必要があり、長文になりがちですが、使う人が迷わないようにわかりやすく作成することが重要です。

マニュアルを作るためにはいくつかコツがあります。それがわかれば、だれでもわかりやすいマニュアルを作れるようになります。シンプルな内容で教育すれば理解が容易で、人による差がない、均一な仕事をすることができるようになります。
その結果、業務品質が向上し安定した製品やサービスを提供できるようになります。

今回の記事では、わかりやすいマニュアルを作るコツを紹介します。

他にも、これから動画マニュアルを作ろうとお考えの方に向けて作成ノウハウを凝縮した『はじめての動画マニュアル作成ガイド』もご用意していますので、併せてご活用ください

 

 

目次

作成前に押さえたいマニュアルの基礎知識

マニュアルとは、業務に関する概要や手順、コツやポイントなどをまとめた資料です。ただ単に単なる業務の手順をまとめた手順書とは違い、ではなく、業務の内容や全容を把握することを目的に活用されます。

具体的にマニュアル作成のコツを説明する前に、そもそもマニュアルは何のために作るのかを簡単に解説しましょう。マニュアルの意味や目的について、より詳細に知りたい方は以下の記事をご覧ください。

▼関連記事▼

マニュアルの意味とは?わかりやすく作るコツと流れを解説

 

マニュアルの役割

マニュアルには以下のような役割があります。各役割について、詳しく解説します。

・業務の効率化

・新人教育

・業務の標準化

 

業務の効率化

マニュアルは、従業員や作業者が知っておくべき業務内容をまとめたものです。手順だけでなく、仕事の背景を理解しておくことで作業の間違いや失敗が少なくなり、再現性良く仕事ができるようになります。

また、迷って調べたり、やり直したりが無くなるので、効率よく業務をこなすことができるようになります。

加えて、新しく配属された社員や、新入社員の教育にマニュアルを活用することで、ベテラン社員が教育に割く時間を短縮することが可能です。

このように業務マニュアルを作成し、活用することで、社員が本来行うべき業務に集中することができ、生産性向上や業務効率化につながります

 

新人教育

同じ部門で長く働いている人は、どこに何があり、仕事をどのように処理するのかは体が覚えています。手順も頭に入っているので、毎回マニュアルを読む必要はないでしょう。

しかし、新入社員や別の部署から異動してきた人は、新しい仕事を覚えるために誰かに教えてもらう必要があります。また、人によって内容が違ったり、間違った処理の仕方を教えてしまうと効率的な仕事ができなくなります。
マニュアルはこのような場面において、OJT(先輩社員が実務を通じて後輩社員を指導する教育方法)などの新人教育を実施する際、非常に便利です。

マニュアルには、業務の手順を中心にはもちろん、業務を遂行する目的が記載されています。その業務が何のためにあるかや、業務の重要性を確認することで、自社の経営方針やビジョン、ミッションとどう紐づいているかを認識できます。

これらを意識して業務に従事することで、会社へ貢献しているという意識が強くなり、業務に対するモチベーションアップや、自社への帰属意識向上が可能です。

しかし、マニュアルを作成するより、「OJT研修ですべて教えた方が早い」と考える方も多いでしょう。

確かに、新入社員が極端に少ない場合はOJT研修ですべて伝えた方が、教育期間は短くなります。ただしデメリットも多く、ほとんどの組織においてはマニュアルを作成し、教育に用いることがオススメです。
上記の理由については、以下の関連記事をご覧ください。

▼関連記事▼

OJT研修とマニュアル教育の違い「マニュアル作るよりOJTの方が早い」は本当か

 

業務の標準化

もしマニュアルが無ければ、特定の社員しか業務ノウハウや、遂行する際のコツを把握しておらず、業務が属人化してしまう可能性があります。また、業務品質のばらつきが大きくなることや、不良品が多くなることが増えるでしょう。
業務に関するマニュアルがあれば、誰でも業務ができるようになり、業務の属人化解消が期待できます。

またマニュアルには、その業務の目的や、適用される部門の範囲まで書くことが一般的です。そして、その仕事に対して誰がどんな役割を果たすのかまで記載するようにします。

それにより責任の所在と権限が明確になり、人による差がないように業務を統一化し、共通認識を持つことができるようになります。つまり、業務の標準化ができるのです。

 

マニュアルと手順書の違い

マニュアルについて調べてみると、手順書といった別の表現が出てくるかと思います。マニュアルと手順書はどちらも、業務に関する情報が記載されているというポイントは同じですが、記載する情報の領域範囲が異なります。

マニュアルは、業務が効率的に進められる仕組みを作ることを目的として作成され、その仕事に従事する組織、役職者、担当部門、業務範囲などが書かれます。ルールがまとめられたもの、業務の全体像が把握できる内容だと考えると良いでしょう。

一方で手順書は、実際に仕事を処理するための細かい手順を記載したものです。ファイルを開く、文書番号を記入する、金額と振込先を記入する、などのように、ひとつひとつの作業ステップが記されたものです。いつ、誰が、何をするかを5W1Hで書くようにします。

仕事の目的と流れを理解するために作成された概要書がマニュアルで、手順書はその中に含まれたり、別文書として作業ステップを書き出したものだと考えるとわかりやすいと思います。

他にも、仕事の進め方が書かれた書類には作業標準書、手引書など似たような用語があります。こちらの記事で整理しているので参考にしてください。

▼関連記事▼

・マニュアルとは:「作業手順書」「SOP」等の類語との意味の違いや英語の呼び方など
・マニュアルと手順書って何が違うの?特徴や作り方のコツをそれぞれ解説

 

【ステップ別】わかりやすいマニュアル作成のフローとコツ

マニュアルを作成するためには、しっかりとした事前準備と、わかりやすくするためのポイントを意識する必要があります。
ここからは作成のコツについて、作成前/作成中/作成後のステップ別に分けてまとめました。

 

マニュアル作成前のコツ

目的を明確にする

どのような文章でもそうですが、「何のために作るのか」「誰に読ませるのか」を明確にしないと、わかってほしいことが伝わりません。背景や理由と、何をルールにするのかを最初に明確にします。これによって、作業手順が守られなければならない理由がわかり、理解しやすくなります。

 

スケジュールを決める

ルールをいつから適用するのかを明確にします。今日通達されて、いますぐ適用ですと言われても追従できる人は限られるでしょう。職場のルールであれば発効するまでの時間を長くとる必要はありませんが、それでもいつから運用するかを決めないと、マニュアルの内容を吟味し作成して、説明するまでの期間が定まりません。そして、準備したマニュアルを説明して理解してもらわないとマニュアルを運用できないといえます。

また、マニュアルに欠かせない写真やフォーマット造りを誰かに応援してもらうとしても、いつまでに何人くらいの手が必要なのかを見積もる必要があります。そのためには、準備段階でスケジュールを明確にする必要があります。

 

作成するツールを決める

以前であれば、マニュアルを作って文章化するときは紙で配布し改訂があれば回収、最新版を配布するという手続きが必要でした。しかし、インターネットが普及しクラウドサービスも広く使われるようになったので、データベースに文書を保管して、どこからでもアクセスできるようにしているオフィスや現場が増えています。

さらに、文字だけのマニュアルでは業務内容を伝えるのが難しい作業の場合、目で見てわかるような写真、動画などを活用して効果的な教育を行う必要があります。

このように、どこで、誰が使うのかによってツールを選ぶ必要があります。作る人の都合ではなく、使う人の都合に合わせてツールを選択することが重要です。代表的なツールについては、後述の「マニュアル作成のツールと比較」で解説していますので、併せてご覧ください。

 

構想を5W1Hにまとめる

全体像は、5W1Hで書き出してみるとまとめやすくなります。実際に運用するときのことを書き出してみて、それを以下の表にしたがって整理しなおします。

Who(だれのために、誰が)

対象となる作業者や、ルールに従うべき人を明確にする

What(何を)

どのような内容をルールとして周知するか。教える業務内容、作業内容はなにか

Why(なぜ、なんのために)

なぜこのルールが必要なのか。背景や理由を明確にする

When(いつまでに)

ルールはいつから適用するか。新人教育をいつ行うか。

Where(どこの職場で)

そのルールが適用される範囲を明確にする。会社全体なのか、部内や課内だけに限定していいのか。作業マニュアルなら対象となる業務処理や作業場所、設備。

How(どのようなツールで)

紙、Word/Excel、クラウドなどどのツールで業務マニュアル、作業マニュアルを運用するかを決める

 

マニュアル作成中のコツ

業務を整理する

職歴が長い人やその仕事に慣れている人は、毎回マニュアルを見なくても業務処理や作業をしています。その人の頭の中に入っている手順や情報を文字起こししたり、仕事の流れを書きだして整理します。

仕事の流れは文字でだらだらと書かず、フローチャートを用いて図にすると整理しやすいでしょう。

このフローチャートは、人によって手順が違ったり、処理の内容が違っていないかを確認し、統一するときにも役立ちます。そのため、何人かで一緒にフローチャートに書き出して、正しい処理の仕方を相互に確認して認識合わせをするとよいでしょう。

 

構成を決める

手順書と違って、マニュアルにはいろいろな情報が含まれます。適用される部門、誰がどんな責任と権限を持っているか、文中に出てくる用語、実際の作業手順など、知っておかなければならない情報が盛りだくさんです。

これを整理してマニュアルにまとめるために、構成を決めます。文章のどこに重要なことが書かれているかが理解しやすいように、組織内で使われるマニュアルは、同じ構成順になるようにします。

<マニュアルの構成例>

目的

マニュアルを制定する理由や背景を明確にします。どのようなルールなのかがすぐに理解できるように、2行以内で簡潔に書きましょう。

ルールを作成するに至った歴史やできごとを細かく書く必要はありません。もし何らかの品質事故や重大なインシデントでルールを制定することになった場合は、巻末や別紙として背景を説明する文章を添付するとよいでしょう。

例:本マニュアルは、得意先からクレーム連絡を受けた時の対応方法を明確にし、円滑に処理し、得意先および社内の被害を最小限にするために制定した。

適用の範囲

マニュアルが適用される部門の範囲を明確にします。会社全体、部内、課内、ある特定の作業など、限定される範囲がわかるようにしましょう。

例1:本マニュアルは、本社、および関係工場に適用する。
例2:本マニュアルは、製造部品質管理課に適用する。
例3:本マニュアルは、プレス加工作業に適用する。

用語

文中に出てくる単語で、人によって考え方や認識が異なる可能性のある用語を解説します。主に専門用語の解説が多いですが、広く使われている言葉でも人による解釈がないように解説します。

例1:修正:不具合を取り除き、正しい状態に直すこと。
例2:是正処置:原因を深堀り、究明し、対策を打つことで再発させないようにするための処置のこと。

関連部門の役割

業務処理をする担当者や担当部門の役割付けをします。誰が対応するか、どこの部門が何をする責任があるのかをあらかじめ決めて組織間連携をよくし、円滑に処理が進むようにします。

例:
製造部門長:製造停止・再開判断
                    製造品に対する統括責任者

品質部門長:製造工程および製品の品質管理責任者
                    得意先クレーム対応責任者

品質管理部門:得意先クレームの情報受領および工程履歴情報の収集
                        原因と対策導入時期、対策効果をレポートにまとめる

業務手順

マニュアルで何度も読まれる部分です。業務の処理や作業手順をまとめます。箇条書き、フローチャートなどを活用して、実際に作業する人にわかりやすいようにまとめます。また、図や写真を用いて目で見てわかるように(ビジュアライズ)まとめるように工夫するとよいでしょう。

特に、手の動きや画面操作で間違えやすい作業はビデオの活用も検討してください。

関連する規定やマニュアル

マニュアルは一つのルール、あるいは業務ごとに作成しますが、一緒に読んでおいたほうがよい関連ルールや作業手順書もあります。たとえば、輸入処理と輸出処理のマニュアル、クレーム処理と代納品の納期調整マニュアルなど、関連性の高い業務マニュアルを参照できるようにまとめておきます。

特に、全社的なルールの下に部門固有のルールを作る場合は、上位である全社ルールに準拠している必要があるのと、重複する部分は書かないようにして齟齬(食い違い)が生まれないようにします。

改廃権限

マニュアルを作成するのは担当者ですが、発行は作成部門の責任者、通常は管理職になります。配布したルールを他の部門が勝手に変えたり、廃止したりしないように、改廃権限者を宣言します。

また、文書を発行したことの責任と権限を意識付けするという意味もあります。いい加減なルールを作ってしまうと修正が多く、効率的な業務にならなくなってしまいます。内容に責任をもって発行することをコミットするという意味もあります。

改訂履歴

修正を加えた個所がわかるように、改訂するごとに履歴を残します。何ページの、どの項目を、どのように変更したかを記録します。また、変更した理由も書いておき、いつの間にか改良前の状態に戻ってしまわないようにすることも重要です。

 

フォーマットを統一する

構成とならんで重要なのがフォーマットです。文書番号や文書名の位置、発行日を入れる欄、本文の構成やフォントまで統一しておき、チェックするときにどこに何が書かれているかを読みやすくします。

どのようなフォーマットで作成するかを最初からゼロベースで作成するのは大変なので、テンプレートを活用することもおすすめです。マニュアルのテンプレートと活用方法については、以下の記事でわかりやすくまとめているので参考にしてください。

▼関連記事▼

効率的に業務マニュアルを作成するためのテンプレートと活用方法

 

複数人でマニュアルを作成しない

いざマニュアルを作成しようとすると、複数名で分担して協力して進めようとなるケースが多いのではないでしょうか。実はここがマニュアル作成の落とし穴だったりします。複数名で取り組むとプロジェクト責任者が曖昧になるだけでなく、「普段の業務で忙しいし、○○さんがやってくれるだろう」といった意識を持ちやすいです。

そのため一番最初は責任者が作成し、その後の作成作業を複数名に依頼する方がマニュアルのサンプルも出来上がっているため、作業者も分かりやすく着手しやすくなります。

まずは責任者が作るべき理由については、以下の記事でより詳細に解説していますのでこちらもご覧ください。

▼関連記事▼

業務マニュアル作成の最初の手順:「誰が作るか」作成者を決める

 

マニュアル作成後のコツ

運用し内容を改善する

マニュアルは一度作ったら終わりではありません。実際に作業時に使った人にインタビューしてわかりにくかったところを確認したり、作業の順番を変えたほうがミスが減るところなどを定期的に修正しましょう。マニュアル作成においては、最初から完成度を求めて時間をかけがちになりますが、定期的に修正を重ねて完成度を徐々に上げていく方が、結果的に早く完成度が高いマニュアルに到達することができます。

安全対策など最初から完成度が求められる場合もありますが、基本的には最初から作りこみすぎないことを意識しましょう。この内容については、以下の記事でより詳細に解説していますので併せてご覧ください。

▼関連記事▼

マニュアルの作り込みすぎに注意!「相手に伝わるか」で作成時間を決める

 

最新の状態に更新する

マニュアルを運用開始してから一定期間経過すると、作業手順の効率化/改善のために新たな手順に変更したり、新たなツールが導入されているなど環境が変化していることも珍しくありません。この変化にマニュアルが対応していないと、作業者にとっては「使いにくいな…」という評価になってしまい、せっかく作成したマニュアルも形骸化してしまいます。

そのためマニュアルも最新の状態に更新できる仕組みづくりが必要です。仕組みについては、更新する意識/文化を醸成することも必要ですが、作成前に誰もが簡単に負担なくマニュアルを作成/更新できるツールを決めることも大切です。

ここまでお伝えした改善や更新を続けるというアプローチについて、どれほど重要なのかは以下の記事で詳細に解説していますので併せてご覧ください。

▼関連記事▼

業務マニュアルの目的と作り方:内容を改善し続けるためには

 

わかりやすいマニュアルはどこで差がつく?作成が上手い人のコツを4つ紹介

何のマニュアルなのかがすぐにわかる

マニュアルが1つ、2つしかないときはどのマニュアルのどこに何が書いてあるのか覚えていられますが、組織の規模が大きくなり業務が複雑化してくると、それだけマニュアルの数も増えるでしょう。

前はひとつにまとまっていたマニュアルが、2つ、3つに分けられる場合もあります。そうすると、どの文書に何が書かれているのかを探すのが大変になり、業務の非効率化が生じてしまいます。

マニュアル管理が上手な人や組織は文書作成ルールを定めて、内容が想像できるタイトル表記を定めていることが多いです。

何かの作業を確認したいときは、それをキーワードにしてあいうえお順に並んだ書庫から文書を探したり、電子ファイルを検索したりすれば、作業に必要なマニュアルを容易に見つけられるように管理しています。

文書番号にルールを決めて、Aで始まる文書番号は全社マニュアル、Bは部門ルールなどのように分けたり、2文字目がAなら人事関連、Bなら輸出入関連など、おおよその目星が立てられるように工夫していることもあります。

さらに、途中まで読んでから必要な文書と違うということがないように、必ず文書の先頭に目的を書きます。ここを読めば文書の中身がわかるので、自分の欲しかった情報を含んでいるマニュアルなのかを確認することができます。

 

読み手に合わせた内容になっている

マニュアルは、それを必要としている人、手順を知りたがっている作業者のために作られる文書です。作った本人にしかわからないような手順や用語を使ってしまうと、誰も使えないマニュアルになってしまいます。

業務を統一化してだれもが同じ質の仕事ができるようにしたいのに、マニュアルを作った人の自己満足になっていては意味がありません。これくらいわかるだろう、自分が知っていることは他の人も知っているはずだ、という思い込みを捨てましょう。作る人は、自分が新人だったころを思い出しながら意識することがコツです。

まったく初めての人でもわかるように丁寧に手順を書いたり、難しい用語には注釈をいれる、頻繁に聞かれる質問はFAQを用意するなどして、使う人、読む人がわかりやすいマニュアル作りを意識してください。

 

シンプルなマニュアルになっている

マニュアルには多くの情報を載せる場合がありますが、目を通すのに10分以上かかるようなマニュアルになると、作る側も大変ですし、なにより使う側の人がすべてを頭にいれるまでには相当な時間がかかってしまいます。

挙句に読むのが面倒になり、中途半端な理解のままで作業し、後からやり直さなければならないという最悪の結果になりかねません。

確実に伝えたいところを簡潔に、平易な言葉で伝えるように、マニュアルはシンプルにまとめましょう。また、書式の統一や構成を共通化して、どこを読めば必要な情報が得られるかをわかるようにしておくことも重要です。

時間をかけて大作を作るより、少し情報が不足していてもシンプルに短く書いた方が、結果的にうまくいきます。こちらの記事で理由を解説しているので、参考にしてください。

▼関連記事▼

マニュアル作成のコツ:最初から完璧を目指してはいけない6つの理由

 

図や表が活用されている

文字だけがたくさん並んだ文章を読んで、作業内容や業務処理方法を想像して理解するというのは、ある程度その仕事がわかっている人にしかできません。新入社員や別の部署から異動してきた人は、見たことのない伝票処理や作業を想像して理解するのは困難です。

そこで、写真や図があれば自分がやったことのない作業でも仮想することができて、マニュアルを理解するのが容易になります。色や形も確認することができるので、実際の作業現場に行ったときにすぐに作業に取り掛かれるようになります。

 

マニュアル作成のツールと比較

マニュアルを作るためのツールとして従来からある紙以外に、Word、Excelなどの電子ファイルも普及してきました。さらに、クラウド上でファイル共有する企業も増えています。それぞれに一長一短がありますので解説します。

 

代表的なマニュアル作成方法

ツール

メリット

デメリット

作業場所のすぐそばで開いて見ることができる

ネットワークがダウンしてもマニュアルが確認できる

改定時の回収、配布が大変

Word

フォント、箇条書き、表挿入など書式が豊富

必要な箇所までスクロールが必要。目次機能などデザインできるスキルが必要

Excel

表計算が使える。項目ごとにシートを分けられるので必要なページにアクセスしやすい

書式の自由度が少ない。シートをわけると文書全体を読んでもらえないことがある。

PowerPoint

図や画像を使って手順をビジュアル的にわかりやすく作れる

文字の多いページは読みにくい

クラウド

改定後すぐに有効化できる。

インターネット環境があればどこからでもアクセスできる

ネット環境がダウンするとマニュアルにアクセスできない

機密漏洩に対するリスク管理が必要

 

紙でマニュアルを発行することが有効なのは、近くにパソコンやタブレットを置くことができない職場です。たとえば製造工程や工事現場などでいまでも広く使われています。また、パソコン画面に慣れていない人が多い職場も、従来からある紙のマニュアルを好む傾向があります。

デメリットは、最新版管理です。マニュアルが修正、更新されたときに旧版を回収し、発行日がわかるハンコを押して、現場に配布する必要があります。配布先が複数ある場合は漏れがないように確認するため、回収に多くの労力がかかります。

 

Word

マニュアルを作成する際にもっとも利用されているのがWordです。電子ファイルとしてそのまま運用される場合もありますし、紙印刷するときにもWordが使用されます。強調箇所は太文字にしたり、羅列が必要なところは箇条書きにできるなど、書式の種類が多いことがメリットです。

デメリットは、ページ数が増えるとスクロールする必要があり、必要箇所まで進むのに時間がかかることです。見出しをうまく使えばページジャンプできますが、使い方に精通した人が作成メンバーにいないと項目をうまく設定できないので注意が必要です。

 

Excel

Excelは表計算だけでなく、マニュアルを作成するためにも便利です。行、列をそろえた文書が作りやすく、図や写真の挿入も容易です。目的、関連部門、手順など項目ごとにシートを分けることで、必要箇所にジャンプしやすいというメリットもあります。

デメリットは、セルの幅に対して文字が多いと隣のセルで隠されてしまうので、折り返し設定をする必要があります。また、シート毎に項目を分けられるのは便利である一方、すべてのシートに目を通してもらえない場合があるということも考慮が必要です。

 

Powerpoint

PowerPointは、作業内容を順に、スライド一枚ずつわけて作成できるので、紙芝居のようにマニュアル化できることがメリットです。アニメーション機能を使えば、作業の結果が少しずつ変わっていくことをビジュアル的に、わかりやすく示すことができます。図や画像の挿入が容易なのもメリットです。

一方で、文字の多いページは読みにくく、目的や組織ごとの役割などルール上の重要箇所がわかりにくくなるというデメリットがあります。作業手順のデザインに凝りすぎたり、ページが多くなりすぎる傾向があるので注意が必要です。

 

クラウド

パソコン、タブレット、スマホなどインターネットに接続できる端末を活用できる職場の場合、いつでも業務マニュアルにアクセスできるクラウドは非常に便利なツールです。改廃のたびに配布、回収の必要なく、更新したら即時発行できるというメリットもあります。データベースをツリー構造で管理できるので、目的のマニュアルを見つけやすいという特長もあります。

ネット環境がダウンするとマニュアルにアクセスできなくなったり、社外のサーバーに文書を預けることになるため、機密漏洩対策もしっかり行う必要があります。レンタルサーバの契約費用も必要なので、事業規模に見合うのかよく検討しましょう。

使用するツールについて、クラウドとExcel/Wordのメリットデメリットを解説している記事もあるので、ツール選定でぜひご活用ください。

▼関連記事▼

マニュアルをクラウドに切り替える:Excel/Wordと比較したメリットとデメリット

 

マニュアル作成に「動画」がおすすめな理由

マニュアル作成には、業務が最もイメージしやすい「動画」を活用することがおすすめです。特に製造業や食品業、小売業、飲食業など、現場系の業務であれば、動画を活用するメリットが大きくなります。

現場での業務は、「人・モノ・機械の動き」が業務ノウハウとなります。複雑な手順となると、図や表を用いたとしても限界があるというケースも多いでしょう。動画であれば、これらの人・モノ・機械の動きを的確に伝えられるため、業務のイメージやコツをつかみやすくなります

さらに、「マニュアルを見ながら先輩社員が実際に作業を見せる」必要がなくなり、OJTの回数・時間を削減できます。このように動画マニュアルは、業務を的確に伝えられるだけでなく、教育コスト削減にも効果があります。

 

動画マニュアルの作成には「tebiki」が適切!

現場向け動画教育システム tebikiは、動画マニュアルを誰でもかんたんに、日々更新しながら使い続けることができるマニュアルソフトです。実際に作業している様子をスマートフォンで撮影し編集するだけで、手間なく高クオリティな動画マニュアルを作ることが可能です。

他にも、自動で字幕が生成される機能や100ヵ国語以上に対応した外国語翻訳機能、動画シーンの静止とカット、図形挿入、音声上書きなど、現場に必要な豊富な動画編集機能も揃っています。

また、作成する側の手間や工数を削減できるといったメリットに加え、「誰が・何時間・どの動画を視聴したか」をレポートで確認できる機能も有しているため、マニュアルが本当に組織で使われているかがわかりやすくなるという管理者側のメリットも特徴です。加えてマニュアル内にテストを設置することもできるため、マニュアルの習熟度を可視化することもできます。

動画マニュアルの簡単な作り方やtebikiの詳細について、無料で資料をダウンロードできます。是非ご覧ください。

 

 

動画マニュアルtebikiを活用している事例

児玉化学工業株式会社

住宅設備・自動車向け合成樹脂加工や産業機器の製造を手掛ける化学メーカーの児玉化学工業株式会社では、部品作成だけでも500以上ある多数の紙マニュアルの動画化に取り組みました。

児玉化学工業株式会社が抱えていた課題として、紙のマニュアルを管理する工数がかかっていたこと、紙マニュアルでは作業手順や安全指導が十分に伝わらずに製品不良を引き起こしていたことが挙げられます。

そこでtebikiの動画マニュアルを導入したところ、マニュアル作成にかかる工数を1/3ほどに短縮することに成功しています。他にも、多言語にも対応しているため外国人労働者にもわかりやすいマニュアルになり、作業理解が深まったことに加え製品の品質向上や、OJTの効率化や業務の標準化、作業不順守が9割減少したという結果が出ています。

▼関連記事▼

手順書作成の工数は紙の1/3になったと思います。動画で作るのはかんたんだし、学ぶ側にもわかりやすいですよね。

 

大同工業株式会社

バイクチェーンや自動車エンジン用チェーン、産業機械チェーン、コンベヤシステム、福祉機器を提供している大同工業株式会社では、新人教育の際に用いる紙のマニュアルを作成する工数が負担になっている点や、文章でカンコツが伝えきれずに教育のムラが生じているという点を課題に感じていました。

そこで動画マニュアルtebikiを導入したところ、従来のマニュアルでは作成に2時間を要していましたがtebikiではマニュアル作成の時間が1時間以下になるという結果に。

他にも、マニュアル作成を通して部内全体で標準化を進めることができたため、部内で発生していた試験中のヒヤリハットや評価エラーも削減できたというメリットがありました。

▼関連記事▼

製造業の技術部門の業務を動画で標準化。教育工数を8割削減し、業務の効率化・最適化も実現。


上記以外にも様々な業種でtebikiの動画マニュアルは活用されています。tebikiの導入事例について、より多くの内容を知りたいという方に向けて、さまざまな事例をまとめたtebiki導入事例集をご用意していますので、こちらもご覧ください。

【まとめ】マニュアル作成に困ったらtebikiがおすすめ

業務マニュアルや作業マニュアルを作成することで、だれでも同じ質の仕事をすることができ、安定した製品やサービスを提供できるようになります。また、わかりやすいマニュアルで業務の効率化ができれば、余った時間でさらにクリエイティブなことに時間を使えるようになります。

その結果、社員のモチベーションが上がり、組織の活性化につながります。コツさえつかめばわかりやすいマニュアルをつくることは難しくありません。tebikiの動画マニュアルはだれでも簡単にマニュアル作りができるようにサポートします。

ぜひ、tebikiの動画マニュアルをご検討ください。

クラウド動画教育システムtebiki

今すぐクラウド動画教育システムtebiki を使ってみたい方は、デモ・トライアル申し込みフォームからお試しください。

カテゴリー: マニュアルの作り方