2020.9.21 マニュアルの作り方

マニュアル作成のコツ:最初から完璧を目指してはいけない6つの理由

貴山 敬
執筆者:貴山 敬

動画教育システムtebikiを提供するTebiki株式会社代表取締役。元食品工場長、ISO9001導入責任者。現場の使いやすさを1番に考えてサービス開発しています。

マニュアル作成がうまくいかない理由のひとつに、「最初から完璧を目指してしまう」ことがあります。いざマニュアルを作ろうとしたときに、細かい言葉遣いにこだわる、正しい手順をチーム全員で長い時間をかけて議論するなど、ついつい時間をかけてしまいがちです。

特に動画マニュアルの場合は、まだそれほど普及していないこともあって、事前の台本作成に凝ってしまう、映像を何度も撮り直すなど、公開前にかなりの時間をかけてしまう傾向があります。

もちろん、安全対策など、最初から高い完成度が必要なこともありますが、ほとんどのマニュアルは、使いながら改善する方法が適しています。

本記事では、数々の現場に現場向け動画教育システムを導入してきた弊社の経験をふまえて、マニュアル作成のコツとして、最初は完成度の高さにこだわらず、早く作って社内公開した方が良い理由をご説明します。

また最近では、その作りやすさ/わかりやすさの観点から「動画」を用いたマニュアル作成に取り組まれるケースが増えています。動画マニュアルに関する基礎知識や作成ノウハウを凝縮した、以下の『はじめての動画マニュアル作成ガイド』も併せてご活用ください

 

目次

早く使いはじめてPDCAサイクルをまわす

マニュアルは作って終わりではありません。このPDCAサイクルをまわすことで、完成度が高いものをより早く作ることができます。

  • Plan: 企画する
  • Do: 作る
  • Check: 社内公開して反応をみる
  • Action: 改善点を検討する

マニュアル作成に不慣れな場合でも、まずは使い始めることで作り方にも慣れますので、何よりも、実際に使いはじめることが重要です。

作る人のやる気が1番大事

マニュアル作りとは、社内のノウハウ/技術を見える化して仕組みにするという、とてもエネルギーが要る作業です。また、仕組み作りは将来への投資なので、結果が出るのは先の話になります。目の前のことだけ考えればOJTの方が早いですし、日々忙しい中で仕組みを作るためには強い気持ちが必要です。

そんななかで、トレーナー/トレーニー/責任者などからの意見やリクエストが、何よりもマニュアル作成者の励みになります。フィードバックがない中で一人で作業していると、「私は何のためにマニュアルを作っているんだろう...」という気持ちになってしまうので、早い段階のフィードバックが大切です。

新人教育で教える側は、教わる側の気持ちを忘れてしまう

新人を教えるトレーナーは、何もわからなかった新人の頃をよく覚えていません。人間の脳は辛かったこと、大変だったことを忘れやすいようにできています。ベテラン社員が思うより、新人は業務を覚えることに苦労しているのです。

実際の新人にマニュアルを見せることで、教わる側の気持ちをはじめて理解できます。「これぐらいわかるだろう」と思っていたことを全然知らなかったり、逆に教える側がたいしたことないと思っていた内容でも「これが知りたかった!」とすごく喜んでくれるなど、予想外のことがありますので、教わる側の反応を見ながらマニュアルを作った方が、良いものを作ることができます。

業務マニュアルは必ず後で修正する

担当者/商品/機械/法規制など、さまざまな理由で現場の手順は頻繁に変わります。逆にいえば、現場の状況にあわせて変わり続けるマニュアルが良いマニュアルと言えます。

後から修正するものの完成度を必要以上に高くしてしまうと、作成にかける費用対効果が見合いません。業務に役立ちさえすれば多少の見栄えは重要ではない、という割り切りも時には必要です。

紙とクラウドの違いは回収が必要かどうか

紙マニュアルを高いレベルで管理している組織ほど、最初から完璧を求める傾向がありますが、これは「紙」の特性からきています。

紙マニュアルを改訂するときは、新版の配布と旧版の回収に大きな手間がかかるので、更新頻度は低くなります。冊子にする場合は数年に1回しか改訂しない、ということも珍しくありません。また、中身に間違いがあると回収することになるため、どうしても最初から完成度が高いものが必要になってしまいます。

一方、いつでもどこからでもアクセスできるクラウドシステムを使えば、配布と回収の手間がありません。修正すべき点があればリアルタイムに修正できるので、最初の完成度の高さを気にせずに早く公開することができます。

※クラウド型マニュアルシステムのメリット/デメリットは、こちらの記事をご参照ください。

マニュアルをクラウドに切り替える:Excel/Wordと比較したメリットとデメリット 

動画マニュアルに制作会社品質を求めてしまう

動画=地上波テレビ、のイメージがあるせいか、動画に制作会社なみの品質を求めてしまうことがよくあります。実際に動画を制作会社に発注すると数百万円かかることが多く、修正したいと思ってもその都度大きな金額の見積もりが来るので、社内稟議を考えると面倒になってしまって放置してしまうという、せっかく作ったのに全く使われずにお蔵入りしてしまった、という現場をたくさん見てきました。

プロの制作会社が作るものに近づけようとすると、しっかりした台本/絵コンテの作成に時間をかけたり、数十分の長尺の動画を撮ったりするため、膨大な時間がかかってしまいます。業務マニュアルは、社外向けの宣伝動画ではないので、そこまでの品質は必要ありません。
イマイチだったら撮り直すつもりで、まずはスマートフォンで短い動画を撮影して、社内公開しながら完成度をあげていきましょう。

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参考:マニュアル作成方法のまとめ

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