2020.6.21 新人教育の教え方

「マニュアル作るよりOJTの方が早い」は本当か:新人教育コストの計算方法

貴山 敬
執筆者:貴山 敬

動画教育システムtebikiを提供するピナクルズ株式会社代表取締役。元食品工場長、ISO9001導入責任者。現場の使いやすさを1番に考えてサービス開発しています。

現場向け動画教育システム tebiki をご提供していて、「マニュアル作って見せるより、OJTの方が早い」と言われることがあります。
この記事では、OJTのメリットとデメリット、OJTの教育コストの計算方法などを整理しました。

目次

※OJTとは「On-the-Job Training」の略で、対面で教えるやり方を指します。

新入社員がとても少ない場合はOJTの方が早い

例えば、「社員10名の会社で、新入社員は年に1名だけ」という状況ではOJTの方が早いです。
毎年教える内容を編集しながらマニュアル作成する手間をかけるよりも、対面で手とり足取り教えた方が、教育にかける合計時間は短く済みます。
マニュアル作成の手間と運用頻度で、どちらが良いかの判断となりますが、「教育はOJTだけ」のデメリットはたくさんあり、ほとんどの組織ではマニュアルなどの教育の仕組みを作った方がよいと言えます

「OJTだけ」のデメリット

教える方も教わる方も一生懸命なので、長い時間をかけてOJTで教える=「教育に時間をかける」ことが正しいと誤解されがちです。
しかし、教えたスタッフが確実に長期在籍してくれるのであれば、教育コストをいくらかけても回収できますが、そのような状況は稀であり、知識・技能を見える化し、教育の仕組みを作ることで、効率的かつ効果的に教育に時間をかけることが大切です。
教える側の貴重な時間を効率的に使って、教わる側が短期間で必要技能を習熟することが、あるべきスタッフ教育の姿です。

OJTの方が早いと思って「OJTだけ」の教育を続けていくと、以下の問題があるので、結局は時間もコストもかかってしまいます。

  • 予習復習できない
  • 習熟するまで何度も同じ内容を教える
  • 現物手配や出勤シフトのタイミングがあわないと教えられない
  • 教える人によってやり方が違う
  • 教えられる人が限られる
  • 教えられる人が退職すると正しい知識技能が失われる

OJTそのものが問題なのではなく、「教育はOJTだけ」 という状態に課題があり、文章/写真/動画で知識技能を見える化して、OJTと組み合わせた教育の仕組みを作り上げることが重要です。

また、初回はOJTで教えて、2回目以降はマニュアルを見て復習してもらう、というやり方は弊社のお客様でもよく見られる方法で、OJTの良さを活かしつつ、教える側がかかける時間を大幅に減らすことができます。

「OJTだけ」は技能水準の低下を招く

技能の高い社員が常に在籍している組織は問題ないですが、スタッフの離職率が上がってくると、技能を完全に習熟する前にトレーナーの立場になってしまうので、スタッフが入れ替わる度に、知識/技能を少しずつ失い続ける未来が待っています。

長すぎる教育期間は離職率が高まる

新人スタッフにとって、新しい業務は最初は刺激もあって楽しいですが、教育期間が長すぎると、半人前な状態が続いて仕事が面白くなく、かつ給与も上がらないので、離職率を高めることになります。

繁忙期に対応できない

繁忙期のある職場の場合、派遣スタッフや他部門からの応援など、たくさんの「新人」が繁忙期に入ってきます。教育の仕組みを普段から作っておかないと、OJTだけではとても対応できず、もろもろ省略して教えた新人がミスを連発し、結局は社員が振り回されて大きなコストがかかってしまいます。

さまざまな新人教育コスト

教育「コスト」は、教える/教わる時間(=人件費)だけではなく、様々な関連費用が発生しています。

 

機会損失

教育スタッフはベテラン社員であることが多く、エース社員のこともあります。教育にかける時間の分だけ他作業を犠牲にしており、売上等の機会損失が発生しています。


新人スタッフが起こしたミスの尻拭い

十分に教育できずに現場に新人を出してしまうと、新人スタッフのミスにベテラン社員が振り回されることになります。特に品質トラブルは、調査/社内報告/顧客への謝罪など、多数の関係者が大きな時間をかけることになります。

 

新人スタッフからの質問対応

最初のトレーニング期間が終了した後、新人スタッフから「XXXはどうすればよいですか」と質問される都度、新人もベテラン社員も手が止まることになり、生産性を低下させます。

 

離職率UP

難しい課題を早く与えてしまう(現場に出すのが早すぎる)と、各種トラブルを招き、責任を感じた本人の離職率を高めることになります。

教育コストのシミュレーション

数値化が難しいことが、教育コストを過小評価してしまうことの原因です。
現場によって状況が全く違いますが、シミュレーションの一例としてご覧ください。

シミュレーション例) 

・教育時間が月20時間(誰かが誰かに1日1時間教えている)

・直接的な教育時間と機会損失で月30万円程度の「教育コスト」が発生

教育コストのシミュレーション

※人件費単価には、本人給与以外に、社会保険、交通費、採用費用などを含めてお考えください。

教育システム費用の捉え方

弊社の tebiki を含めて様々な教育管理システムがありますが、教育コストの削減、繁忙期対応、採用速度をあげることでの売上拡大などをふまえて、システム費用の是非を総合判断することが重要です。

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