2023.11.1 マニュアルの作り方

マニュアルの意味とは?わかりやすく作るコツと流れを解説

tebikiサポートチーム
執筆者:tebikiサポートチーム

製造/物流/サービス/小売業など、数々の現場で動画教育システムを導入してきたノウハウをご提供します。

マニュアルとは「特定の業務における作業手順を具体的に記したもの」を指します。マニュアルを作成することで、業務品質の向上、生産性アップ、コスト削減というメリットが得られます。しかし、現場でマニュアルが活用されなければ、これらのメリットを享受することはできません。

今回の記事では、現場で活用されるマニュアルを作成するためのポイントについて解説します。マニュアル作成の目的を理解し、作成する際の重要なポイントを抑え、適切な手順で作成することが、現場で活用されるマニュアルを作るためには重要です。ぜひ参考にしてください。

また最近では、その作りやすさ/わかりやすさの観点から「動画」を活用したマニュアル作成をするケースが増えています。動画マニュアルの基礎知識や作成ノウハウを凝縮した、以下の『はじめての動画マニュアル作成ガイド』も併せてご活用ください

 

目次

1.マニュアルとは?作る意味は?

マニュアルとは?言葉の定義

マニュアルとは、Oxford Languagesによると、以下のように定義されています。

 

「あることがらに関する事項を一冊の本の形にまとめて書き、日常使用に供するもの。手引き。ハンドブック。」

引用:Oxford Languages

手引書、ハンドブックといった様々な呼び方がありますが、手順書に代表されるような「特定の業務の作業手順を具体的にまとめたもの」がマニュアルと呼ばれています。

マニュアルを作る意味は?

マニュアルを作る本来の意味は「教育する仕組みを作る」ことにあります。マニュアルがあっても使われていないという現場では、教育をする仕組みがOJT頼みになっているケースが少なくありません。すべての教育をOJTにしてしまうと、現場の教育担当者に負荷が集中して本来の業務に注力できないほか、人によって教える内容にバラツキが発生して手順やルールが標準化されないといった課題が生じます。

このような理由からマニュアルを作る意味がありますが、ただ作業手順を明確に記載することを作成のゴールにしてしまうと、十分にマニュアルを活用できない可能性があります。

教育する仕組みをマニュアルを通じて作るためには、マニュアルの作成だけでなく、実際にマニュアルを使って業務手順などを学ぶ人が、どのようにすればマニュアルに書かれている内容を理解し実践できるようになるのかという、運用面もセットで検討することが求められます。

また、マニュアルに記載する内容は時代や環境の変化に応じて変更が必要になるため、マニュアルの内容も更新し続ける必要があるという点も作るうえで重要です。

マニュアルは主に、以下の種類/用途で作られることが多いです。

  • 操作マニュアル:業務システムなどを操作する際の手順が書かれているもの
  • 業務マニュアル:ある業務全体の流れや、実際の手順が書かれているもの
  • 教育マニュアル:社員の教育や訓練のために必要な情報が書かれているもの
  • 規範マニュアル:企業理念に基づく社員の行動指針が書かれているもの

2.マニュアルと意味が似ている言葉との違い

マニュアルと意味が似ている言葉として、手順書、手引書、取扱説明書、ハンドブック、ワークフローがあります。マニュアルとこれらの言葉の違いについて説明します。

より具体的に知りたい方、「SOP」や「作業手順書」など他の類語との違いを知りたい方は、詳しく解説している以下の記事をご覧ください。

▼関連記事▼
マニュアルとは:「作業手順書」「SOP」等の類語との意味の違いや英語の呼び方など

手順書との違い

手順書とは、「特定の業務に関する作業などの進め方を記した書類」を指します。マニュアルが業務全体のフローを説明する文章であるのに対して、手順書は業務全体の中から一部分を抜き出し、その手順を説明する文章である点が異なります。

そのため、手順書はマニュアルと比較すると、取り扱う情報の範囲が狭く、具体的に書かれています。「製品Aの検品マニュアル」の中に「部品Aの動作確認手順」が存在するのが良い例です。このように、業務全体のフローの中で、ある部分の作業ステップが具体的に記載されているものが手順書です。

手引書との違い

手引書とは、「業務全体の大まかな手順が記載された書類」を指します。「マニュアル」という名称が広く使われる前は「手引書」という単語が使われていました。そのため、手引書とマニュアルが示す意味は同じであると考えて問題ありません。

取扱説明書との違い

取扱説明書とは、「機械やソフトウェアなどの使用方法をまとめた書類」を指します。マニュアルは、ある業務を行うための手順や方法、ノウハウが記載されている書類であるのに対して、取扱説明書は機械やソフトウェアの使い方が記載されている書類である点が異なります。

そのため、取扱説明書は、機械やソフトウェアを使用する業務や工程に関わらず利用可能です。しかし、取扱説明書にはマニュアルのように特定の業務における機械やソフトウェアを使用するノウハウは記載されていないため、取扱説明書でカバーされていない情報はマニュアルを参照する必要があります。

ハンドブックとの違い

ハンドブックとは、「特定の業務において、理解しておかないと支障が出る単語や重要事項などを簡単にまとめた書類」を指します。マニュアルとハンドブックを比較すると、マニュアルは業務全体の流れを説明する書類であるのに対して、ハンドブックは業務の重要事項のみを抽出した書類である点が異なります。

そのため、ハンドブックはマニュアルと比較すると情報量が少なく、気軽に持ち運べるボリュームである点が特徴です。ハンドブックは情報量が少なく重要事項のみに絞られているため、困ったときに参照しやすいというメリットはありますが、業務全体を網羅した情報が必要な場合はマニュアルを参照する必要があります。

ワークフローとの違い

ワークフローとは、「業務プロセスの流れを図式化した書類」を指します。ITシステムの設計の際に用いられるフローチャート専用の記号を用いて作成される事が多く、業務内容の整理や管理を行うために使われます。マニュアルは主に文字情報を主に用いるのに対して、ワークフローは図式化したフローチャートも用いられる点が異なります。

3.マニュアルを作成するメリットとデメリット

マニュアルを作成することで、新人教育のコンテンツとして使えるため、OJTの負荷軽減といったメリットがあります。また標準化された内容を伝えられるため、業務品質の向上や生産性アップ、コスト削減というメリットも得られます。

しかし、全ての業務をマニュアル化すれば良いかと言うと、そうとは言い切れません。なぜならば、マニュアル化に適さない業務も存在しており、このような業務内容をマニュアル化しても期待通りの効果が得られない可能性があるためです。

このような、マニュアルを作成する上でのメリットとデメリットを解説します。

メリット

マニュアルを作成するメリットとして、業務品質の向上、生産性アップ、コスト削減といった効果が挙げられます。これらのメリットについてまとめると、次の表のとおりです。

メリット

内容

業務品質の向上

業務手順をマニュアルに記載することで、誰でも高水準で業務が行えるようになり、会社全体の業務品質の底上げにつながる。

生産性アップ

経験や勘に頼らず、誰が行っても同じ結果が得られるように、マニュアルを作成する。品質の向上だけでなく作業効率の向上も期待できる。

コスト削減

マニュアルを用いて社員教育を行えば、教育の負担や時間を削減できるため、コスト削減につながる。

 

デメリット

マニュアル作成には、業務品質の向上、生産性アップ、コスト削減といったメリットがあります。しかし、マニュアルに向いていない業務の場合は、これらの効果は期待通り得られないデメリットがあります

マニュアルに向いている業務には、次の特徴があります。

  • 手順が決まっている単純な業務
  • フローチャートで整理できる業務
  • ルーティン業務

このような特徴に当てはまる業務に関しては、積極的にマニュアル作成を進めると良いでしょう。一方、次の項目に当てはまる場合は、マニュアル化に適さない業務だと言えます。

  • ケースバイケースで対応が異なる業務(クレーム対応など)
  • 知識や経験がなければ成り立たない業務(クリエイティブ作成やWebデザインなど)

このような業務の場合はマニュアル化では、ベストプラクティス事例の共有やロールプレイングといった手法も効果的です。

4.わかりやすいマニュアルを作成する5つのコツ

特定の業務について記載したマニュアルを作成しても、その内容が分かりにくい場合は活用されずにOJT頼みになってしまいます。しっかりと現場で活用されるためには、分かりやすいマニュアルを作成する必要があります。

ここからはわかりやすいマニュアルを作成する5つのコツを解説します。

  • 見栄えにこだわりすぎない
  • パッと見て内容がわかるタイトル/見出しをつける
  • 文字で説明しすぎない
  • 1度で完璧を目指さない
  • 使うたびに改善を重ねる

今回ご紹介しているコツはあくまでも代表例です。他にもさまざまなコツがありますので、他にも知りたい方は以下の記事もご覧ください。

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新人教育マニュアルの作り込みすぎに注意!「相手に伝わるか」で作成時間を決める
マニュアル作成のコツ:最初から完璧を目指してはいけない6つの理由
伝わるマニュアルの作り方:すぐに実践できる4つのポイント

見栄えにこだわりすぎない

マニュアルを作成する際に重視するべきポイントは、わかりやすさ、つまり相手に伝わるかどうかです。そのため、マニュアルの見栄えを気にしすぎて、伝わりにくいマニュアルとなってしまっては本末転倒です。

デザインはシンプルでわかりやすいものであれば十分です。デザインや見栄えに時間を割くよりも、マニュアルの内容を充実させることに時間をかけることをおすすめします。

動画マニュアル作成・共有ツール「tebiki」は、普段のOJTをスマートフォンやタブレットで撮影し、簡単に編集と社内共有ができるツールです。時間をかけずに視覚的に分かりやすいマニュアルが作成できます。

パッと見て内容がわかるタイトル/見出しをつける

現場で役立つマニュアルに求められる条件として、必要な情報を素早く発見できるという点が挙げられます。そのためには、すぐに内容がわかるタイトルや見出しをつけることが重要です。

NG例

良い例

<製品A 製造マニュアル>

・手順1
・手順2
・手順3

※それぞれの手順で、どのような作業が記載されているのか、わからない

<製品A 製造マニュアル>

1. 部材準備
     1-1. 仕様確認
     1-2. 部材加工

2. 素材検査
     2-1. 素材確認 
     2-2. 素材検査

3. 加工
     3-1. 治具準備
     3-2. 部材準備
     3-3. 加工
     3-4. 後段取り

※それぞれの手順でどのような作業が必要であり、全体の作業の流れが把握できる


最初から順にマニュアルを読み進める場合もありますが、全体の業務の中で詳細な手順がわからない部分だけ、業務マニュアルを参照する場合もあります。内容がわかるタイトルや見出しをつけておけば、どこに探している情報が掲載されているのか発見しやすくなるでしょう。

文字で説明しすぎない

文字が多いマニュアルは、読みにくい印象を与えるだけでなく、内容も伝わりにくいというデメリットがあります。そのため、文字だけでなく、画像、図、イラスト、動画も活用してマニュアルを作成することが重要です。

例えば、営業マン向けのセールスマニュアルを作成する場合は、トークスクリプトだけでなく、トークスクリプトを元にしたケース動画を作成することも効果的です。動画であれば、文字だけでは伝えられないニュアンスや間のとり方といった情報を、OJTの工数を大幅に減らして伝えることが可能です。

IT/WEB/ゲーム業界に特化した人材紹介事業を行っている株式会社Geeklyでは、営業部門の新人教育を動画に置き換えたことで、OJTの工数を7割近く削減しつつ、トレーナーごとの教え方のバラつきを解消し、新人の理解度向上を実現しました。

より具体的な株式会社Geeklyの事例は、以下の記事をご覧ください。

▼関連記事▼
年間の新人教育時間を3,700時間削減。トレーナーの教育時間が大幅に減り営業成績も向上!

この他にも、作業手順を写真やイラストを用いて手順ごとに作成したり、全体の流れをフローチャートの図を用いて説明することで、わかりやすいマニュアルを作れるでしょう。

1度で完璧を目指さない

担当者の変更、業務手順の変更、製品の仕様の変更など、様々な理由でマニュアルの更新が必要になります。そのため、マニュアルは完成度の高い完璧なものを作成したとしても、現場の状況に合わせて変更することが求められます。

例えば、紙のマニュアルを印刷した場合は、印刷コストがかかるため更新頻度は低くなってしまいます。誤植や誤りがあった場合は再印刷が必要となるため、どうしても完成度の高いマニュアルを作成する必要が出てきてしまいます。

一方、クラウドベースでマニュアルを作成すれば、紙のマニュアルよりも変更を素早く頻繁に行うことが可能です。また、変更があった際は、印刷して配布する必要がない点もメリットとして挙げられます。より具体的なクラウドに切り替えるメリット/デメリットは以下の記事で解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

▼関連記事▼
マニュアルをクラウドに切り替える:Excel/Wordと比較したメリットとデメリット

マニュアルは作成した後に更新作業が発生するため、一度で完璧を目指さずに頻繁に更新しやすい媒体で作成することが重要です。

使うたびに改善を重ねる

マニュアルは作成した後も、使うたびに改善を重ねることが重要です。そのためには、次のPDCAサイクルを回し改善を重ねることで、マニュアルの完成度を高めるようにすると良いでしょう。

  • Plan(企画する):マニュアルの内容を検討する
  • Do(作成する):マニュアルを作成する
  • Check(反応を見る):社内でマニュアルを公開し、実際に使ってみる
  • Action(改善する):マニュアルを使用して感じた、改善点を検討する

このように、マニュアルを作成した後もPDCAサイクルを回し改善を続けることが、活用されるマニュアルを作るためには重要です。

5.マニュアルを作成する流れ

分かりやすいマニュアルを作成するために注意すべきポイントを解説しながら、実際にマニュアルを作成する流れを簡潔に解説します。

より具体的な作成の流れを知りたいという方は、マニュアルの作り方をより深掘りした以下の記事をご覧ください。

▼関連記事▼
マニュアル作成『基本のき』5つのコツや手順、ツールを徹底解説!

マニュアルを作成する目的を明確にする

マニュアル作成には、業務品質の向上、生産性アップ、コスト削減といったメリットがあると解説しました。マニュアルの作成を検討している場合、これらのメリットのどれを目的としているのかを最初に明確にすることが重要です。

例えば、接客マニュアルのように業務品質の向上を目的としているのであれば、正しい手順をわかりやすく伝えるには、文字や写真では伝わらない動作は動画を用いて、視覚的に伝えた方が目的に対して適しています。

この他、検品マニュアルのように誰が行っても同じ結果が得られるように、生産性アップや業務標準化を目的としている場合は、全体の業務の流れをフローチャートで記載し、検品業務の流れを俯瞰できるようにすることも有効でしょう。

このように、マニュアルを作成する目的によって、適した表現方法や内容が異なります。最初にマニュアルを作成する目的を明確にして、どのような内容や媒体にすれば効果的であるか検討することが重要です。

マニュアル化する業務を洗い出す

マニュアルを作成するにあたり、どのような業務をマニュアル化するのか把握するために業務の洗い出しを行います。しかし、全ての業務がスムーズに出てくるとは限りません。そのため、最初にマニュアル化を検討している業務を大まかなカテゴリーに分類することをおすすめします。

次の表にまとめたカテゴリーで業務内容を分類し、業務の洗い出しを行うと良いでしょう。

カテゴリーの種類

内容

役割、担当

業務を担当する部署や担当者で分類し、漏れがないか確認する。

時間軸

月次で行う業務や、特定の時期に行う業務がないか書き出して、業務内容の漏れがないことを確認する。

関係者

社内、社外の関係者がどのような業務に関わっているのか書き出し、漏れがないことを確認する。

業務の特性

ルーティン業務なのか、他の業務と関連がないかなどを考慮し、必要な業務が漏れていないか確認する。


このように、様々な角度から業務の洗い出しを行うことで、マニュアル化する業務をもれなく抽出することができます。

マニュアル化する業務の優先度を決める

マニュアル化する業務の洗い出しが完了した後は、優先順位を決め、どの業務のマニュアルから作成するか決定する必要があります。洗い出した業務の優先順位を決める際は、2軸のマトリックス表を用いて行います。

2軸の項目として用いる指標は、以下の通りです。

  • 緊急度(高、低)
  • 重要度(高、低)
  • マニュアル作成に必要な時間(多、少)
  • 業務の発生頻度(多、少)
  • 他の業務との関連性(他の業務と関連が多い、少ない)
  • 工程の順序(他の業務より先に行う、後に行う)

マニュアル化する業務の優先順位を決めるには、最初に緊急度と重要度の2軸で洗い出した業務をマトリックス表に書き出します。基本的には緊急度が高く、重要度が高いものから作成すると良いでしょう。

緊急度と重要度の2軸で優先順位をつけにくい業務があれば、他の項目のマトリックス表も作成し、どの業務からマニュアル化するか決定することをおすすめします。

5W1Hで使用場面/内容を構成する

マニュアルを作成する業務の優先順位が決まったら、作成するマニュアルの構成を検討します。マニュアルの構成を検討する際は、5W1Hで使用場面を想定しマニュアルに記載するべき項目を漏れなく書き出し、構成を検討することが重要です

5W1Hとは、以下の英単語の頭文字を取ったものです。伝えたい内容を以下の要素に沿って構成すると、情報を整理しやすいという特徴があります。

  • Who(誰が・誰に)
  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どうやって)

マニュアルの構成を検討する際は、以下のように5W1Hを活用して内容を検討すれば、マニュアルに記載するべき情報を漏れなく洗い出せるでしょう。

マニュアルを作成する

マニュアルの構成が完成した後は、前述の「わかりやすいマニュアルを作成する5つのコツ」を参考にマニュアルへと情報を落とし込んでいきます。5つのポイントの概要をまとめたものが次の表です。

ポイント

概要

見栄えではなくわかりやすさを重視する

デザインや見栄えに時間を割くよりも、マニュアルの内容を充実させることに時間をかける。

内容がわかるタイトル/見出しをつける

必要な情報を素早く発見できるように、すぐに内容がわかるタイトルや見出しをつける。

文字で説明しすぎない

文字だけでなく、画像、図、イラスト、動画も活用してマニュアルを作成する。

1度で完璧を目指さない

マニュアルは作成した後に更新作業が発生するため、一度で完璧を目指さずに、頻繁に更新しやすい媒体で作成する。

使うたびに改善を重ねる

PDCAサイクルを回し改善を重ねることで、マニュアルの完成度を高める。

 

マニュアルを運用しカイゼンを重ねていく

マニュアル作成は、ゴールではなく改善を重ねるためのスタート地点に過ぎません。

担当者の変更、業務手順の変更、製品の仕様の変更など、様々な理由でマニュアルの更新が必要になります。そのため、マニュアルは一度で完璧を目指さずに、使うたびに改善を重ねる必要があります。マニュアルを作成した後もPDCAサイクルを回しカイゼンを続けることで、現場で活用される完成度の高いマニュアルになるでしょう。

カイゼンし続ける重要性については、以下の記事でより具体的に解説しています。

▼関連記事▼
業務マニュアルの目的と作り方:内容を改善し続けるためには

6.動作が伴うマニュアルには「動画」が最も分かりやすい

動画の情報量は文字の5,000倍とも言われ、文字や写真ベースのマニュアルより伝えられる情報量が多く注目を集めています。

特に、ヒト/モノ/機械の動きが伴うような製造や建設、物流、小売といったノンデスク領域では、3次元的に動作の流れを理解できる動画マニュアルがおすすめです。

動画マニュアルがおすすめな3つ理由

動画マニュアルをおすすめする主な理由は、次のとおりです。

  • 現場ノウハウを視覚的にわかりやすく伝えられる
  • 気になったときに気軽に確認できる
  • 外国人スタッフが理解できる

現場ノウハウを視覚的にわかりやすく伝えられる

デスクワークで完結する業務であれば、紙マニュアルでも一定の効果がありますが、ヒト/モノ/機械が伴う業務の場合は、文章や写真で動きを表現することが難しいです。また、現場ノウハウを持つ方が、言葉や写真だけで分かりやすく動作を言語化できるとは限らず、マニュアル作成時に大きな負担がかかります。

動画マニュアルであれば、普段のOJTや作業風景を撮影するだけで、各手順の所要時間や声のトーンと共に動きを再現できるため、現場のノウハウをわかりやすく伝えられます。

気になったときに気軽に確認できる

マニュアル使用者の視点から見たときに、現場教育担当者の業務を止めずに気になるところを、自分のタイミングで確認できるのは心理的なハードルが低いといえます。

文字/写真ベースで動作の流れが欠けているマニュアルの場合、その点を教育担当者が作業しているときに声をかけて教えてもらう必要があります。特に新人の場合、そのような場面で声をかけることに気が引けてしまうのは皆さんも経験があるのではないでしょうか

外国人スタッフが理解できる

外国人スタッフが在籍している現場では、言葉の壁で文字/写真ベースのマニュアルはもちろん、コミュニケーションでも大きな課題を抱え、従来よりも大幅に教育に時間がかかるケースも少なくありません。

動画マニュアルでは作業の開始から終わりまで、言葉ではなく映像で説明をしていきます。そのため簡単な作業であればあるほど教育の時間を短縮でき、現場での稼働を早く開始することが可能です。

現場教育システム『tebki』には字幕の自動翻訳機能があります。動画に表示されている日本語の字幕を、100を超える国や地域の言語に自動翻訳することが可能なので、より複雑な業務を伝えるときにも効果的です。

より詳細な『tebiki』の機能紹介については、以下のページより資料をご覧ください。

7.動画で効果的かつ効率的にマニュアル作成をしている事例

ここからは実際に動画マニュアルを用いて、現場教育の改善をしている事例をご紹介します。同じお悩みを抱えた事例があれば、ぜひ参考にしてください。

さまざまな業界/業種における活用事例を知りたい方は、以下の『tebiki導入事例集』も併せてご覧ください

東急リゾーツ&ステイ株式会社

全国100を超える宿泊/レジャー施設を運営する同社では、施設が増加している中で、求められるサービスやそのクオリティなど、常にお客様に満足していただけるようなクオリティ向上が重要でした。そのような中で業態や施設内の、個人ごとにサービスレベルのバラつきがあったことが課題でした。

また働き方改革に取り組む中で、従業員1人1人の労働時間も短縮しつつ、サービスクオリティの維持と向上を行うという難局を乗り越える必要から、従業員の多能工化を目指していました。

このような背景から動画教育システム『tebiki』を導入し、2年で9,000本以上の動画マニュアルを作成し、業態/施設毎に異なっていたマニュアルを統一管理することで業務のバラつきを解消し、業務の標準化・平準化を実現しています。

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従業員数2,500人超・全国100を超える施設で業務の平準化と多能工化を推進。

アスクル株式会社

事業所向けECサイト「ASKUL」と個人向けECサイト「LOHACO」を運営し、全国10カ所に物流拠点を構える同社では、人手不足状態にある物流現場でもお客様へ確実に早く商品をお届けするため、倉庫内を高度に自動化された物流設備を展開しました。それに伴い、機械化や自動化によるオペレーションが増え、扱う従業員にも高度で正確な技術が求められるようになり、効率的で効果的な教育を行う必要がありました。

しかしOJTでは、教育者の知識量や教え方の違いによる習熟度の違いや教育漏れが発生していました。また紙の手順書を作成しても一元管理がなされておらず、内容が重複する手順書が複数あるといった問題がありました。

このような背景から動画教育システム『tebiki』を導入し、動画マニュアルを繰り返し視聴できる環境を構築したことで、個々のスキルや習熟度、正確性が向上し、独り立ちまでの期間が半年から3か月程度に短縮しました。

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高度に自動化された倉庫の安定稼働を支えるために動画マニュアルtebikiを導入!

児玉化学工業株式会社

 

 

住宅設備や自動車向け合成樹脂加工/産業機器の製造などを行う同社では、外国人が多いなかで専門用語も出てくる現場で「伝える」ということに課題を感じていました。紙のマニュアルだと理解されないという点から、ビジュアル的に見せたいという思いを抱えていました。

このような背景から動画教育システム『tebiki』を導入したことで、作成した動画マニュアルが外国語にも翻訳できるようになり、より現場で作業のポイントを伝えやすくなりました。また標準動画を作れることで、社内の作業も標準化されていきました。

また動画に置き換えたことで手順書作成の工数は紙の1/3になり、マニュアルの作成や編集工数が減り、現場の負荷も大幅に軽減することができました。

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手順書作成の工数は紙の1/3になったと思います。動画で作るのはかんたんだし、学ぶ側にもわかりやすいですよね。


その他、さまざまな業界や現場における動画マニュアル活用事例を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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8.まとめ

今回の記事では、マニュアルを作成する目的や、活用されるための作り方について解説しました。

マニュアルを作成することで、業務品質の向上、生産性アップ、コスト削減というメリットが得られます。また、マニュアル作成の本来の目的である「教育する仕組みを作る」ことを達成するためには、マニュアルを作成した後に現場で活用されるように、今回の記事で解説したポイントや作り方を抑えてマニュアルを作成することが重要です。

現場のノウハウを、わかりやすく伝えられるだけでなく、短時間で理解できる動画マニュアルを活用し、現場で活用されるマニュアルを作成してはいかがでしょうか。

動画マニュアル「tebiki」では、スマートフォンで動画を撮影し、誰でもできる簡単な編集機能でわかりやすく伝えることができます。また、レポート機能でどの担当者や部門が閲覧しているか、テスト機能でどれほど定着しているかなど、活用状況を可視化することができます。

クラウド動画教育システムtebiki

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