2025.9.2 お役立ち情報

グローバル製造拠点が抱える5つの現場課題と、動画マニュアルによる実践的な解決法

tebikiサポートチーム
執筆者:tebikiサポートチーム

製造/物流/サービス/小売業など、数々の現場で動画教育システムを導入してきたノウハウをご提供します。

かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」を展開する、tebikiサポートチームです。

本記事ではグローバル展開する製造業が直面する現場課題と、その解決策として注目される「動画マニュアル」の有効性について、具体的な事例やサンプル動画を交えながら解説します。


問題に対し、動画を活用することでどのように均一な品質・安全・教育を実現できるのか?動画マニュアルの可能性と導入効果を、現場目線でひも解きます。

目次

世界各地で製造拠点を有する企業が直面する現場の共通課題

製造現場では、人手不足による熟練技能の継承難や作業品質のばらつき、教育負担の増大、安全意識の低下、現場と管理部門の連携不足など、多くの共通課題が存在します。これらの課題は単独で発生するわけではなく、互いに影響し合いながら現場運営の持続可能性を脅かしています。


一方でグローバルに事業を展開する製造業ではこうした課題に加え、多国籍・多文化組織ならではのマネジメント課題が複雑に絡み合います。例えば、文化や価値観の違いからくる意思疎通の難しさや各国拠点の自律性と統制のバランス、共通基準のグローバル展開といった点です。


本章ではこうした課題の背景や影響を整理し、解決のポイントを示します。

 

熟練技能がベテランだけの暗黙知になり技能伝承が進まない

製造業における熟練技能は暗黙知の形でベテランに蓄積されやすく、形式知化されていない場合には教育の非効率や品質ばらつきを生みます。これは国や地域に関わらず共通する課題ですが、海外企業では多国籍人材を対象とするため、属人的なノウハウを標準化・横展開する難しさがより顕著になります。


加えて、国・地域によって教育レベルや職業観も異なるため単一の育成モデルが通用せず、「誰にでも、どこでも、同じように教える」ための設計力が問われます。

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標準が形骸化し文化の違いで現場が混乱する

製造品質の安定には、標準作業とその徹底が欠かせません。しかしグローバル企業においては、各拠点が異なる文化的背景や現地事情を持つため、本社が定めた標準が「実行可能なもの」として受け入れられないことがあります。


また、組織文化によって「標準通りにやる」ことへの意識も異なり、現場の解釈や実行レベルにばらつきが生まれます。このため、標準そのものの伝え方や浸透のさせ方が重要であり、「現地で理解・納得した上で動ける」状態をつくることが不可欠です。

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教育のやり方がバラバラで指導者の違いが品質に大きく影響する

OJTや現場教育は現場力を支える一方で、属人的かつ拠点ごとに品質がばらつきやすい領域です。さらにグローバル企業では指導者の国籍・言語・価値観が異なるため伝え方・受け取り方に差が生じやすく、教育効果に影響します。


例えば、指示の明快さを重視する文化と、自主性や対話を尊重する文化では教育スタイルが大きく異なります。これに対応するには、映像・多言語・標準化された教育ツールなどを用い、共通認識を育てる設計が求められます。

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安全活動が形だけになり、ルールが守られない

製造現場では、慣れによるルール逸脱や形骸化した安全活動が事故リスクを高めます。これは全世界共通の課題ですが、グローバル企業では特に安全意識のベース自体が国ごとに異なるケースも多く、「なぜそのルールが必要か」という認識のすり合わせから始める必要があります。


本社主導でルールや制度を押し付けるのではなく、「現場が納得して実行できる」形で安全文化を育てる設計が、真の事故防止につながります。

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 本社と現場のズレが深刻化し、品質/安全が担保されない

グローバル企業では本社と各国拠点の距離が物理的・文化的に離れており、意図の伝達や情報共有に課題が生じがちです。特に本社の基準・方針が現場の言語や実情に適合していないと形骸化しやすく、運用にギャップが生じます。


さらに、拠点ごとの自律性に任せすぎると品質や安全レベルに差が出るリスクもあります。拠点間でのベストプラクティス共有、進捗可視化、フィードバックループの仕組み化など、「統制」と「自律」のバランスが組織運営の鍵になります。

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 【サンプル動画あり】グローバル生産拠点で生じる課題に対する「動画マニュアル」の有効性

先述したような課題の解決に役立つ教育手段として、「動画の活用」に注目する現場が増えています。


ここでは、動画の活用による教育・現場改善効果について、実際の動画マニュアルのサンプルを示しながら解説します。

  • 【技術伝承】ベテランのカンコツを映像でわかりやすい教育コンテンツに
  • 【標準化の推進】同じ動画を見せることで教育のばらつきを解消
  • 【教育の負担軽減】繰り返し視聴で自学自習が推進
  • 【労災防止】動画で「キケン」や安全ルールを感覚的に伝えられる
  • 【品質向上】作業標準を映像で明確化し、作業品質の安定とミスの削減に
  • 【外国人教育】言語や文化の壁を超えて、視覚的に作業内容やルールを伝達


動画マニュアルのサンプルを他にも見たい方は、以下のリンクをクリックし別紙のガイドブックをご覧ください。

>>実際に業務で使われている動画マニュアルのサンプル集!業務改善へのヒントをみる(無料配布中)

 

【技術伝承】ベテランのカンコツを映像でわかりやすい教育コンテンツに

製造現場で最も難しい課題の一つが、熟練者の「カン」や「コツ」といった暗黙知の継承です。これらは言葉だけで伝えきれず、属人化しやすい特徴があります。


カン・コツを見える化して共有するには、以下のような手段が考えられます。

対策項目 内容 改善効果
動画マニュアル 熟練者の作業を動画で記録し、視覚的に作業手順や注意点を伝える教材を作成 言語や経験差を越えて誰でも理解しやすく、教育の均一化と効率化が可能
作業標準書・手順書の詳細化とイラスト化 作業のポイントや注意点をテキストだけでなく、イラストや図解を使って整理 細かな動作やコツを視覚的に補い、わかりやすく伝達
チェックリストや作業カードの導入 工程ごとの必須確認項目をまとめたチェックリストやカードで作業者が自分で確認できる仕組み 手順の抜け漏れや誤りを防ぎ、一定の業務品質を担保
技術伝承ワークショップや勉強会の開催 熟練者が技術を説明し質疑応答を行う場を設け、参加者同士で意見交換 暗黙知の形式知化を促進し、共有の質を高める
業務フロー図や作業手順のマッピング 作業全体の流れや関連工程をフローチャートで可視化し、タイミングや手順を明示 作業全体の理解が深まり、属人化を防止

 

ここでおすすめな手段が、「マニュアルの動画化」です。動画であれば熟練者の動きや手順、細かな注意点をそのまま映像として記録できるため、言葉や文字だけでは伝わりにくい「カン」や「コツ」といった感覚的な技術を、わかりやすく具体的に伝えることが可能です。特に海外拠点や新人教育において言語や経験の壁を超え、技術の均一な伝達と早期戦力化に効果を発揮するでしょう。


例として、「ヤスリでバリを取る」作業を動画化したマニュアルをお見せします。

tebiki現場教育で作成


熟練工の手先の動きをアップで映すことで、細かい作業の流れも見たままに理解できます。また、「優しく削る」といった個人の感覚に依存しがちな内容についても、どの程度まで削るのか?という見本を見せることで、従業員ごとの解釈の違いによる業務品質のズレを抑えることができます。


実際に児玉化学工業株式会社では、書面では伝えきれなかったコツや人の動きを動画化した「標準動画」を作成したことで社内の作業が標準化され、現場で作業のポイントが伝えやすくなっていると導入効果が実感されています。


他にも、HOEI THAILAND CO.,LTD.のタイ製造拠点では、具合の原因究明や対策といった、これまで属人化していたノウハウについて、「Problem & Improvement(問題解決)」という短い動画マニュアルを作成し、全スタッフがいつでも確認できる状態にすることで、担当者以外のスタッフでも同じ手順を学べるようになりました。

【標準化の推進】同じ動画を見せることで教育のばらつきを解消

品質と安全を安定させるには、全員が同じ手順で作業を行う標準作業の明確化と徹底が不可欠です。特にグローバル企業では、工場や国を越えて同一の品質を保つことが求められます。


そのためには、標準作業書やチェックリストをわかりやすく整備し、OJTで実際に教育する工程が重要です。しかし、これまでのOJTでは教える人によって指導内容や重点が異なり、教育の質にばらつきが生じることが課題でした。


ですが、動画マニュアルなら同じ動画を全員に視聴させることができるため教育内容のブレを防止し、標準作業の徹底につながります。結果として作業品質の安定化や効率化が進み、チーム全体の生産性向上に寄与します。


例として、「シールテープの巻き方とNG例」を動画化したマニュアルをお見せします。

tebiki現場教育で作成


動画で正しい手順やお手本となる状態、避けるべき状態を明確に示すことで、「教育係のAさんとBさんで言っていることが違う」といった状態を解消することができます。また、作業前に動画を見せることで理解が進み、現場に入っても短期間で即戦力になるという効果も期待できます。


実際に新日本工機株式会社では、課題であった人による作業方法のばらつきや作業の後戻りが動画マニュアルを活用した教育により改善され、標準化された作業を正確かつ簡単に伝えたことで作業品質も安定していると語っています。


他にも、株式会社Archemが展開しているアメリカ国内の3工場では、モニターで常に作業内容の動画マニュアルを確認できる環境を整備したことで、作業のローテーションが行われる現場でも品質が向上したという効果も。また、他拠点の作業標準を簡単に共有できるようになったことも標準化を促進しています。

 

【教育の負担軽減】繰り返し視聴で自学自習が推進

製造現場では、新人や異動者の教育を任されるベテラン作業者の負担が非常に大きく、彼らが教育に多くの時間を割くことで本来の生産作業が圧迫されるケースが頻繁に起きています。また、教育内容が教える人の経験や考え方に依存するため、指導の質や速度にばらつきが生まれ、育成に時間がかかることも現場の大きな悩みです。


こうしたベテラン作業者の教育負担は現場の大きな負荷となっていますが、動画を活用することで「教える側」の時間的負担を軽減できます。


新人や異動者は動画を繰り返し視聴しながら自学自習できるため、教育のスピードアップと理解度向上が見込めます。また、視聴履歴や理解度をデジタルで管理すれば、進捗状況の「見える化」も可能となり、効率的なフォローアップも実現します。


例として、「商品の箱詰め方法」を動画化したマニュアルをお見せします。

tebiki現場教育で作成


忙しい現場で直接行う作業でも、先輩社員の手を止めずに動画で学ぶことができるため、教育のタイミングを柔軟に設定できます。これにより現場の作業を中断することなく育成を進められ、全体の業務効率を損なうことがありません。また、指導者ごとの伝え方の違いによる混乱も防げるため、新人も安心して作業に取り組むことができるようになります。


実際にサラヤ株式会社では、「動画マニュアルだと、同じ内容を何回も伝えることができる。その日の温度や湿度に左右されるような感覚的な部分も動画マニュアルだと伝えやすく、感覚の伝承に役立っている」と活用の効果を実感されています。


他にも、タイで工場を展開するHOEI THAILAND CO.,LTD.では新人が100ページ以上の紙マニュアルで作業を覚えるのに最大5か月かかっていた課題に対し、動画マニュアルの導入により習熟期間を最短1か月程度まで大幅に短縮しました。

【労災防止】動画で「キケン」や安全ルールを感覚的に伝えられる

多くの製造現場では、安全ルールが「守らなければならない決まり」として形式的に捉えられがちで、ルールの目的や背景が十分に理解されていません。その結果、日々の作業でルールを軽視・省略するケースが発生し、ヒヤリハットや小さな事故が繰り返される原因となっています。特にベテラン作業者ほど「慣れ」から安全手順を無視する傾向が強く、重大事故につながるリスクが高まっています。


こうした安全意識の低下は重大事故のリスクを高めますが、言葉や文字だけでは危険の本質を十分に伝えきれません。一方で、動画は実際の危険箇所や事故発生状況を視覚的に示し、現場の感覚に訴えることで安全意識の醸成に大きく寄与します。


特に、過去のヒヤリハット事例や事故予防のポイントを動画化することでルール遵守の納得感が高まり、効果的な安全教育が可能となります。


例として、「ロール台車による事故の様子」を動画化したマニュアルをお見せします。

tebiki現場教育で作成


ロール台車の不適切な扱いにより、どのようなリスクがあるかを実際の映像で示すことで、ルールの順守を「自分事」として捉える助けになります。他にも、「なぜ事故が発生するのか?」というメカニズムを見たままに示すことで、事故を起こさないための行動を逆算して考える効果も期待できます。


実際に、イセ食品株式会社ではベテランや若手問わず発生していた労災を防ぐために、ルールを周知徹底する安全教育が必要だと感じ動画マニュアルを作成。結果として、今までは、何がわからないのかわからなかった。今は、動画を見るとわからないことがわかるようになっている」と、従業員の理解が進んだことを実感されています。


他にも、HOEI THAILAND CO.,LTD.のタイ工場では、製造ライン上で発生する不具合の対策と安全上の注意を動画でわかりやすくまとめることで、不具合への適切な対処法を習得すると同時に誤った対応による潜在的な危険を回避し、作業環境の安全性を間接的に高めています。

【品質向上】作業標準を映像で明確化し、作業品質の安定とミスの削減に

多拠点展開を行うグローバル企業にとって、品質の安定は競争力の根幹です。製造品質の安定には作業標準の徹底が欠かせないですが、現場では標準が形式化していたり、指導者や拠点ごとに解釈が異なることで品質のばらつきやミスが発生しやすくなります。


特にグローバル企業では本社で設計した標準が現地に伝わらず、実態に合わないまま運用されているケースも少なくありません。加えて紙マニュアルや口頭指導では細かい動作や注意点が伝わりづらく、属人的な作業が定着しやすくなります。さらに、国や拠点ごとに指導のスタイルや作業習慣が異なるなど「標準通りにやる」ことの難易度はさらに上がります。


こうした課題に対して有効なのが、動画による作業標準のマニュアル化です。動画マニュアルなら正しい手順や判断ポイントを視覚化し、誰が見ても同じように理解・再現できる状態を実現できます。


例として、「カバーサイドの組み立て作業」を動画化したマニュアルをお見せします。

tebiki現場教育で作成


作業者にとっては「正しい作業」のイメージが明確になり品質の安定につながるほか、本社が定めた標準作業をそのまま動画化することで拠点間の品質ギャップやローカルルールの独自進化を防ぐといった効果も期待できます。


実際に児玉化学工業株式会社では、紙のマニュアルや写真での指導だけでは作業の「コツ」や人の動きを伝えきれず、作業者によってやり方が異なっていたことで製品不良に発展していましたが、動画マニュアルで標準作業を動画化したことで作業のばらつきが是正され、製品品質の向上が期待されています。


他にも、株式会社Archemのアメリカ国内3工場では、手作業におけるばらつきが原因でスクラップせざるを得ない製品が発生したことに対し、動画マニュアルの活用で作業ばらつきが低減され製品の不良率が低減し、工場全体のパフォーマンス向上につながっています。

 

【外国人教育】言語や文化の壁を超え、視覚的に作業内容やルールを伝達

多国籍人材を受け入れるグローバル製造拠点では、言語や文化の違いが教育の大きな障壁となります。言語の壁により現地作業者の理解度にばらつきが生まれたり、指導者と作業者の間で指示の意図がうまく伝わらないケースも珍しくありません。また、各国の教育スタイルや職業観の違いから、同じ内容を教えても受け止め方が異なるという課題もあります。


こうした場面で有効なのが、視覚情報中心で構成された動画マニュアルです。映像を中心にすることで言葉による説明に頼らず、動作や手順、注意点を直感的に伝えることが可能になります。さらに、多言語字幕やナレーションを加えることで、異なる母語の作業者にもスムーズに教育を展開できます。


「誰にでも・どの国でも・同じ水準で」教育を届けるには、視覚ベースでの標準化が鍵となります。動画はその実現において、現場と本社の認識をつなぐ有力な手段です。


実際に、数百人を超える外国人従業員を抱え、多言語翻訳の負担と紙マニュアルでは細かい動きやニュアンスが伝わらないことを課題視していたタマムラデリカ株式会社では、動画マニュアル(tebiki)を活用することで多言語への翻訳作業が「一瞬でできる」ようになり、動画マニュアル作成にかかる時間も1時間から15分と大幅に短縮。また、動画を見返すことで外国人を含む新人の自学自習が進み、誤ったルールを覚えていた従業員への再教育も効果的に行え、ミスの削減につながっています。


他にもタイ国籍のスタッフを中心とするHOEI THAILAND CO.,LTD.では、動画マニュアルを導入したことで複雑な操作や注意事項を直感的に把握できるようになり、かつ場所や時間にとらわれず全スタッフが同じ情報にアクセス可能になったため、不具合発生時の原因究明や対策実施が迅速に行えるようになり、生産ラインの停止を伴うダウンタイムの回避・短縮を実現しました。


ここまで、動画マニュアルが現場課題の解決に役立つ理由について、実際のサンプル動画をもとに解説しました。一方で、実際に動画マニュアルを作成しようとなった際に、どのようにして作成するか疑問をお持ちの方も多いはず。


そこで、次章では動画マニュアルの具体的な作成手順についてステップごとに詳しく解説します。

【ステップ別】動画マニュアルの作成手順

動画マニュアルを作成する際、基本的には以下の9ステップに基づいて作ることをオススメします。

  1. 作成する目的/ゴールなど目標設定を明確にする
  2. 活用シーンを5W1Hで整理する
  3. 動画マニュアル化する業務の優先度をつける
  4. 動画マニュアルを作成する責任者を決める
  5. 動画マニュアルの構成案/台本を作成する
  6. 必要な機材を準備する
  7. 動画を撮影する
  8. 動画を編集する
  9. 作成した動画を一元管理する


それぞれのステップで行うことやポイントについて、まとめた表を以下に記載します。

 

ステップ

要点/目的

ポイント

目的/ゴールを明確にする

数値で成果目標を設定する

(例:OJTを◯割削減、作業ミスを〇%削減など)

・「動画を何本作る」といった行動目標ではなく、成果目標にフォーカスする

・1~2個に絞ってスモールスタートする

活用シーンを5W1Hで整理する

動画を「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」使うかを明確にする

・使用シーンを具体的に洗い出す

・継続的な活用を前提にを設計する

・利用者にとって使いやすい形にする

業務の優先度をつける

動画化しやすく、かつ改善効果が大きい業務から着手する

・「頻度が高い」「作成が簡単」「インパクトが大きい」などの軸で優先順位を決定する

・完璧を目指さず着実にスタートする

責任者を決める

作成をリードする担当者を明確にすることで、進行停滞を防ぐ

・プロジェクトの責任者を1名決める

・作成フロー確立後にメンバーを段階的に増やす

構成案/台本を作成する

必要な要素・注意点を洗い出し、時系列に並べて構成し、セリフや資料も台本に落とし込む

・作業のポイントや注意点を整理する

・1分程度を目安に構成する

・長くなる場合は動画を分割する

必要な機材を準備する

目的に応じて必要最低限の機材(カメラ・マイク・三脚・編集ソフト)を準備する

・最初は手元にある機材で始める

・高価な機材を揃える前に効果を見極める

・業務改善に役立つかを基準に選定する

動画を撮影する

台本通りに撮影を進めつつ、周囲環境(騒音・明るさ)に注意する

・撮影前に現場を確認する

・照明や音声機器を活用して視認性や聴取性を確保する

・撮影環境を整えてから実施する

動画を編集する

撮影素材に対して字幕・図形・カット・ナレーションなどを加えてわかりやすく編集する

・字幕やナレーションを入れて視認性を高める

・不要なシーンをカットする

・補足映像や図形を差し込んで理解を促進する

動画を一元管理する

動画を運用・活用できるよう、管理ツールを使って保存・分類・バージョン管理を行う

・社内サーバーやYouTubeは避ける

・専用ツールを使って検索/整理/更新性を確保する

・セキュリティ面も考慮する

 

動画マニュアルを実際に作成できるツールの選び方や比較表、実際に使ってみた感想についてまとめたハンドブックもご用意しておりますので、併せてご覧ください。

>>動画マニュアル作成ツールを9社比較!使いやすくて改善効果があるツールを見てみる(無料配布中)


ここまで動画マニュアルのメリットや実際の作成手順について解説しました。ですが、実際に自社で作成しようとした際に、思わぬ課題に直面するケースがよく見受けられます。


次章では、動画マニュアルの内製化に関する4つの課題について詳しく解説します。

動画マニュアルは自社でも作れる?内製化の「落とし穴」

これまで動画マニュアル化の事例や方法、必要なツールについて解説しました。これらを踏まえ動画の作成に踏み切る際、必ず注意しなければならないのが「無理な内製化」です。


というのも、動画マニュアル化プロジェクトが頓挫するほとんどの理由が「無理な内製化」に集約されるという結果が出ているからなのです。


実際に、現場の課題を解決するクラウド教育システムを提供する「tebiki株式会社」が同社の運営メディア「現場改善ラボ」にて実施した「動画マニュアル内製化の実態調査レポート」では、動画マニュアル化を推進しようとした多くの製造企業が、以下のパターンで失敗しているという事実が明らかになっています。

  • 動画の作成・更新が手間で時間がかかった
  • 動画マニュアルを作成できる担当者が限られていた
  • 作成者によって動画の品質に差が出る
  • 作成担当者が退職後に引き継げない

 

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動画マニュアルの制作は内製と外注/代行どちらがオススメ?

 

動画の作成・更新が手間で時間がかかった

内製化の最大の課題は、想定を大きく上回る工数の発生です。例えば1本の動画を作成する場合、撮影環境や工程によりますが、撮影準備に1〜2時間、撮影本番に3〜4時間、編集作業に5〜6時間、さらに修正対応に2〜3時間と、合計で10~15時間程度が必要となります。


これらの作業が通常業務に追加される形となるため、現場の負担は急激に増大します。特に多品種少量生産の製造現場では作成すべき動画の数が多く、更新頻度も高くなりがちなため工数の問題は深刻です。「通常業務を圧迫するレベルで動画の作成時間が取られる」ケースは、よくある失敗例として挙げられます。

動画マニュアルを作成できる担当者が限られていた

動画編集ソフトの操作には専門的なスキルが必要で、その習得には膨大な時間が必要となります。ソフトウェアのバージョンアップへの対応や、新しい機能の習得も継続的に求められるため、担当者の負担は時間とともに増加していきます。


さらに、編集スキルを持つ担当者が限られることで、特定の人物に作業が集中することも避けられません。結果として、作業の遅延や品質低下を招くケースが多く見られます。

作成者によって動画の品質に差が出る

動画の品質管理も大きな課題となります。手ブレや画質の不安定さ、音声品質の問題、重要ポイントの見落としなど、作成者によってさまざまな品質上の問題が発生します。特に製造現場特有の環境要因(照明条件、騒音、スペースの制約など)により、安定した品質の確保は余計に難しいといえるでしょう。


標準的な品質を保つための基準作りも必要になりますが、それを守るための工数がさらなる負担となってしまいます。

作成担当者が退職後に引き継げない

動画作成のスキルやノウハウが特定の担当者に依存することで、人事異動や退職時に「引き継ぎ」の問題が発生します。担当者がいなくなる際は、編集ソフトの操作方法から撮影のコツまで、後任者に伝達しなければなりません。


引き継ぎがうまくいかないと、担当者の交代とともにプロジェクト全体が停滞し、作成した動画の更新もままならない状況に陥りやすくなります。


このように、内製化による動画マニュアル作成には想定以上の課題が潜んでいます。では、どのような方法であれば持続可能な動画マニュアル化を実現できるのでしょうか?

選ぶなら作成がかんたんで現場教育の改善に役立つ「tebiki現場教育」

「動画活用の効果はわかったけど、やっぱり作成は難しそう…」「どうすれば自社でも活用できるマニュアルを作成できる?」と感じる方も多いのではないでしょうか。


動画マニュアル化で陥りがちな失敗パターンである「無理な内製化」は、「適切な動画作成編集ツール選び」によって回避できます。そこでおすすめしたいのが、操作がシンプルで誰でも使いやすい動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」です。ここでは、グローバル拠点で活用できる便利な機能や、実際に教育で活用している様子について詳しくご紹介します。

グローバルな現場の教育をサポート!tebiki現場教育の便利な機能

「tebiki現場教育」は「かんたんさ」を追求した動画マニュアル作成ツールです。


スマホやタブレットを普段から使っている方であれば、直感的に操作できるほど動画編集がスムーズ。現場で本当に必要とされる機能だけを厳選しているため、誰でも迷わず使いこなせます。

 

▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼


さらに、以下のような豊富な機能まで搭載されています。

 

現場スタッフの誰もが作成できる直感的な操作性

tebikiはスマートフォンひとつで撮影から編集まで完結します。


パソコンや専門的な編集ソフトは不要で、ITスキルに自信のない現場スタッフでも直感的に使いこなせます。この簡単な操作性により、特定の担当者に依存することなく、現場全体で動画マニュアルの作成・更新が可能になります。

▼tebiki現場教育の編集画面▼

食品工場でtebikiを活用した動画編集イメージ画像

 

効率的な運用を支援する「字幕の自動生成」

音声の自動認識による字幕作成機能により、編集工数を大幅に削減できます。


工場内の騒音が大きく音声収録は難しい場合、映像だけ撮影して音声を後から吹き込むことが可能であり、同様に字幕が自動で作成されます。したがって作成者による品質のばらつきも抑えられ、一定水準の動画マニュアルを安定して提供できます。

 

データ量を気にせず撮影できるクラウド管理

クラウドベースのサービスのため、データ容量の心配もありません。バージョン管理や更新履歴の管理も自動化されており、運用負荷を最小限に抑えることができます。したがって、共用パソコンやデバイスの容量圧迫を気にする必要はなく、必要な動画マニュアルを必要な分だけ保存できます。

グローバル化する製造現場での活用を促進する多言語対応

ボタンひとつで、動画内の字幕を各国の言語に変換できます。

tebikiなら100か国以上の言語に自動翻訳できることが分かる図
字幕を100カ国超の言語に瞬時に自動翻訳が可能なほか、34カ国語に対応した読み上げ機能も搭載されているため、作業者が母国語で学べるほか、マニュアル翻訳の工数がなくなるため現場に負担を生じさせません。


これにより外国人労働者への教育はもちろん、海外拠点への技能伝承もスムーズに実現します。翻訳コストを抑えながら、グローバルな製造現場での標準化を推進できるようになるでしょう。


他にも、現場教育を推進するうえで役立つ以下の機能も搭載されています。

 

  • レポート機能で閲覧状況を可視化:未閲覧者へのフォローが可能
  • 教育計画や教育予定の策定:標準作業の教育を計画的に実行
  • 教育記録やスキルマップの整備:標準作業に関するスキル習得状況を可視化


このようにtebikiは従来の内製化における課題を包括的に解決し、製造現場の実態に即した機能と誰もが使える簡単な操作性で、持続可能な動画マニュアル化を実現します。


tebikiの機能詳細や導入に向けた流れなどについて詳しく知りたい方は、以下の画像をクリックし資料をご覧ください。

tebiki現場教育をグローバル拠点で活用している事例

実際に、tebiki現場教育をグローバル拠点の教育で活用している事例を2社ご紹介します。

  • 株式会社Archem:離職率の高いアメリカ工場で、言語の壁を越え品質と生産性を両立
  • HOEI THAILAND CO.,LTD:タイ工場でダウンタイムを短縮し、新人教育を5か月から1か月へ


株式会社Archem

自動車部品のグローバルサプライヤーである株式会社Archemは、アメリカ工場での高い離職率と、人が変わるたびに必要になる教育コストの増大、仕事の質の不安定さに課題がありました。多国籍の従業員が働く現場ならではの、言語の壁によるコミュニケーション不足が悩みの種でした。


そこで、動画マニュアル作成ツール(tebiki現場教育)を導入して解決を図りました。取り組んだのは、動画マニュアルを使っていつでも、誰でも、何度でも学べる環境の整備です。現場にモニターを設置し、各工程の正しい作業手順を常時再生しておきました。人の入れ替わりや作業ローテーションがあっても、いつでも正しい作業をモニターで確認して学習できるようにしたのです。


また、tebikiの多言語対応により国籍に関係なく母国語で説明を聞くことができるため、理解度が格段に上がりました。設備ごとにQRコードを貼り付けて、スキャンすれば関係する作業手順を確認できるようにしたことで、必要な作業マニュアルを探しに行く必要もなくなりました。


この活動の結果、作業のばらつきがなくなり、不良率が低減しました。新人の習熟期間も短くなり、工場全体の効率が向上しました。「見て学ぶ」環境を整備したことで従業員の自律的な学習が促進し、従業員満足度を向上させることにも成功したのです。


同社の動画マニュアル活用の様子について詳しく知りたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

▼インタビュー記事▼
アメリカ3工場にて言語の壁を乗り越え、製品品質と生産性を向上

HOEI THAILAND

工業用洗浄機などを製造するHOEI THAILANDは、新人オペレーターが一人前になるまでに約5ヶ月もの教育期間を要していました。また、設備トラブルに対応できる人材も限られているため、その間設備が止まり、生産性が低いという課題がありました。


そこで、動画マニュアル(tebiki現場教育)を利用して、この状況の改善をすることに成功しました。まず、100ページ超の紙マニュアルによる新人教育をやめて、動画による作業説明とトラブルシューティングの学習を導入しました。


動画は通常の作業手順書に加え、不具合の「原因と対策」を1〜2分の短い動画にまとめるようにしました。また、不具合対策会議で決定した内容を動画化し、全社でナレッジとして共有しました。動画マニュアルは現場のリーダーが自ら撮影、編集、更新する体制も構築しました。


その結果、新人教育期間が最短1か月に短縮できたのです。また、不具合発生時の対処も誰もができるようにしたことで設備の止まっている時間(ダウンタイム)も短くなり、効率的な生産ができるようになりました。さらに、属人化していたトラブルシューティングのノウハウが組織の資産として標準化されました。


同社の動画マニュアル活用の様子について詳しく知りたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

▼インタビュー記事▼
動画を活用した不具合対策によりダウンタイム短縮を実現

まとめ:動画マニュアルは、グローバル製造現場の「共通課題」を解決する有効な一手

世界各地に製造拠点を持つ企業では、現地ごとのスキルや教育レベルの差、言語や文化の違いによる伝達ミスなど、共通課題が存在します。特に作業標準の共有や安全教育の徹底は属人的になりやすく、品質や生産性に差が出やすくなります。


こうした課題に対し、動画マニュアルは「視覚で伝える」手段として効果的です。本社で作成した標準作業を動画化し各国に展開することで教育の粒度をそろえ、共通の作業基準が構築できます。また、音声と映像で細かな動きや注意点まで直感的に伝えられるため、教育のばらつきやミスを抑え、安全と品質の安定につながります。


「動画マニュアルでわかりやすく解説しながらも、翻訳工数を削減したい」という場合には、tebikiがおすすめです。100ヶ国語以上に対応した自動翻訳機能/34言語での読み上げ機能などといった、外国人従業員の教育にぴったりなツールとなっています。tebikiの機能や導入効果を知りたい方は、以下から詳細をご確認ください。

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