2024.12.4 動画マニュアルの作り方

【サンプル動画あり】製造業の作業手順書を動画マニュアル化する方法

tebikiサポートチーム
執筆者:tebikiサポートチーム

製造/物流/サービス/小売業など、数々の現場で動画教育システムを導入してきたノウハウをご提供します。

製造業や工場における作業手順書の動画マニュアル化は、さまざまな現場で推進されつつあります。複雑な手順や動きが伴う製造業において紙マニュアルは非効率な場面が多く、工場の生産性や従業員のリソースが著しく低下するからです。

とはいえ膨大な作業手順書を動画化するのは、一筋縄ではいきません。やみくもに動画化を進めても失敗するので、自社に適した動画マニュアル作成の進め方を事前に見極めることが重要です。

そこで本記事では、製造業の作業手順書を動画化するための実践方法や注意点について解説しました。最後までご覧いただくことで、自社にとって最適な動画作成手段や明日からのネクストアクションが整理できるはずです。

製造業における動画マニュアルの効果や事例を読みたい方は、以下の画像から事例集をご覧いただけます。教育の課題やおすすめの動画マニュアル作成ツールのご紹介もしています。

目次

製造業における紙の作業手順書の限界と課題

品質管理や技能伝承の要として長年活用されてきた紙マニュアルは今日、DX化が進む製造業において以下のような数々の課題を引き起こしています。

 

手間がかかる紙マニュアルの更新や管理

工程や作業手順がアップデートされる度に作業手順書も更新される必要がありますが、紙マニュアルの更新はかなりの時間を要するため、更新がされなくなります。最新のマニュアル管理がなされなくなると、以下のような負の連鎖につながりかねません。

  1. 属人化が進む
  2. 新人教育の品質が低下する
  3. 離職率が増加する
  4. 結果、人材不足に陥る


また、消費者ニーズの多様化により多品種少量生産が主流となった現代の製造現場では、製品ごとに作業手順書の作成・更新が必要となり、その作業工数は膨大です。取り扱い製品が多ければ多いほどマニュアル作成の効率化は無視できない課題であり、放置し続ければ生産性を脅かすことになります。

それだけでなく、更新した手順書を確実に現場へ配布し、古いバージョンを回収する作業も大きな手間となるでしょう。

浸透しない作業手順の標準化や遵守の徹底

前述したとおり、最新のマニュアルが管理されない現場では正しい作業手順が遵守されず、標準化にもつながりません。不完全な作業手順書ゆえに内容が理解できないまま作業が進むケースが発生し、品質トラブルの温床になるだけでなく「トラブル発生時の原因特定」も困難になります

例えば製造企業の「理研ビタミン株式会社」では、「フラスコで試薬AとBをよく振り混ぜる」と書かれた作業手順書がありましたが、読み手によっては「フラスコを縦方向に振るのか小刻みに振るのか」というような解釈のブレが生じ、業務品質のバラつきが課題の1つでした。

また、誤った手順で作業されるリスクにもつながるので、従業員の安全性や仕事生命に悪影響をもたらす可能性があるということも十分認識しなければなりません。

増大する受入教育コスト

人材不足が深刻化する製造業において、新入社員や中途採用者の即戦力化は喫緊の課題となっています。したがって「新人が自走するためのマニュアル整備」は重要な打ち手といえますが、複雑な手順や動きが伴う製造業では紙マニュアルとの相性が悪く、教育が困難です

結局OJTによる教育に頼るほかなく、ベテラン社員の生産性や稼働時間を低下させるケースが多いのです。それだけでなく、指導者による教え方のバラつきも発生するので、教育の品質を一定に保てないことも認識すべきでしょう。

停滞する多能工化や技術継承

製造業における最大の課題のひとつが「技術・技能の継承」です。2024年現在ではベテラン社員の大量退職時代を迎えており、その知識と経験をいかに次世代に引き継ぐかが、企業の競争力を左右する重要な要素となっています

しかし紙の作業手順書では、ベテラン社員の持つ「暗黙知」「カンコツ」を十分に文書化できません。微妙な力加減、音や振動での判断、長年の経験に基づく異常の予知など、言葉では表現しきれない技能の要素が数多く存在するのです。暗黙知による属人化が蔓延すると、多能工化も進まないことになります。

グローバル化に伴う多言語対応の負担

人材不足解消の一手として製造業では、外国人労働者の雇用が増えています。そのため、作業手順書の多言語対応がほぼ必須となりつつあり、この対応にかかるコストと手間も無視できません。

翻訳コストの増大はもちろんのこと、専門用語や微妙なニュアンスの違いによる誤解のリスクも存在します。さらに、手順書の更新が行われるたびに再翻訳が必要となり、そのコストと時間的な負担は半永久的に続くでしょう。

例えば海外拠点を抱える総合物流企業「株式会社フジトランス コーポレーション」では、増大するマニュアルの翻訳工数が日本人従業員のリソースを圧迫する課題に悩まされていました。

このように、製造現場における紙の作業手順書はもはや限界を迎えています。では、これらの課題をどのように解決すればよいのでしょうか。その答えのひとつが、作業手順書の「動画化」です。

製造業の作業手順書を動画マニュアル化するメリット

製造業における作業や工程は大変複雑で、言葉による説明は非常に難しいです。一方で動画は、文字や写真では表現できない3次元的な動きを一目で伝えられます。この動画化がもたらすメリットは膨大であり、製造現場が抱えるさまざまな課題に対する効果的なソリューションになり得ます。

そこでここからは、数多くの製造企業の動画マニュアル化事例を見てきた弊社の視点から、以下の5つのメリットを紹介します。


実在する製造企業の動画マニュアル事例や効果をご覧になりたい方は「製造業における動画マニュアル活用事例集」をチェックしてください。5つの製造企業が生の声で語った「動画マニュアル導入によって実感したメリット」を収録しています。

 

作業手順書の作成工数削減

マニュアルの作成工数に関して、紙よりも動画の方が優れている場合があります。基本的に動画マニュアル作成は以下の2〜3ステップだけで完結することが多いからです。

  • スマートフォンやタブレットを用意する
  • 作業工程を動画で撮影する
  • (必要であれば)編集ツールで字幕による補足を入れる


もちろん動画化するのに撮影者や演者となる作業者は必要ですが、言語化が難しい作業工程マニュアルを文字で都度作成・管理するよりは、比較的負担が少ないと言えます。

標準化による品質向上

これまで文字や静止画では伝えきれなかった「作業のコツ」が、動画によって明確に伝達できるようになるので、作業の標準化を図れます。微妙な力加減や、素早い動作のタイミングなど、言葉では説明しづらかったポイントも、動画なら一目瞭然です。

また動画であれば時間や場所を選ばずに熟練者の技術を目でじっくり視聴できるので、自己学習を促せます。したがって作業の早期習熟はもちろん「新人社員がベテラン社員へ相談・質問する時間」も減少します。結果的にベテラン社員の稼働時間もより確保されることになり、作業全体の品質向上につながるでしょう。

作業リスクの可視化による安全性向上

作業手順書の動画マニュアル化は従業員の安全を守ることにも寄与します。作業を動画で撮影・確認することで、これまで気づかなかった危険な動作や、事故につながりかねない作業手順が明確になるからです

作業工程においてやってしまいがちな危険な行為をNG例として動画におさめ、そのうえで正しい作業手順をレクチャーするような動画マニュアルはよく作られています。その例として、食品製造企業である「たまご&カンパニー株式会社(旧:イセ食品株式会社)」が撮影・編集をした動画マニュアルは安全性向上を意識した構成になっています。

▼NG例→正しい例を教える動画マニュアル(音量にご注意ください)▼

 

円滑な多能工化や技術継承の実現

ベテラン社員の暗黙知を動画におさめることで、多能工化や技術継承をスムーズに促せるようになります。

現在はベテラン社員の退職があらゆる企業で相次いでいる状況ですが、ベテランの技をデジタル資産として残すことで、着実に次世代へと継承できます。属人化からの脱却は製造業における重要な課題のひとつですが、動画マニュアル化は属人化解消に大きく役立つのです。

外国人労働者の生産性向上

グローバル化が進む製造現場において、非言語マニュアルでもある動画は言語の壁を超える強力な手段です。翻訳コストやOJTによる負担が大きい現場ほど、外国人でも視覚的に理解できる作業手順書の整備はほぼ必須と言えるでしょう

ちなみに外国人労働者が存在しない製造ラインでも、動画マニュアルが整備されている環境であれば、外国人労働者の採用という選択肢を将来的に見据えられるようにもなります。

具体的にどのような企業が、どのように動画マニュアルを活用し、どのような成果を上げているのかをさらに深く知りたい方は、動画マニュアル活用事例集をご覧ください。「業務手順の教育工数を8割削減した自動車部品メーカーの事例」などが収録されており、現場での動画マニュアルの活用イメージがさらに固まる資料となっています。

【サンプル動画あり】製造業の作業手順書の動画マニュアル事例

製造現場での作業手順書の動画化は、すでに多くの企業で成果を上げています。それぞれの企業が、どのような課題を抱え、どのようにして解決に導いたのかを、代表的な成功事例をもとに紹介します。

実際に作成された動画マニュアルのサンプルもあわせて掲載しているので、自社での動画活用イメージを膨らませてみてください

児玉化学工業株式会社:作業手順書の作成工数を7割削減

児玉化学工業株式会社は1946年に創業した化学メーカーであり、住宅設備や自動車向けの合成樹皮加工・産業機器の製造などを手掛けています。同社は動画マニュアルに注力しており、製造現場における以下の場面で動画を活用しています。

  • 作業手順
  • 異常処置
  • 安全指導


社内ルールでの不明確な「暗黙の了解」を動画で可視化するだけでなく、日本人・外国人従業員問わず円滑な教育にも役立っており、教育コストの削減に成功しました


児玉化学工業株式会社が実際に撮影・編集を手掛けた作業手順書の動画マニュアルを、一部ご紹介します。

▼ヤスリでバリをとる動画マニュアル(音量にご注意ください)▼

※こちらの動画マニュアルは約10分で作成されました

 

▼カバーサイドを組み立てる動画マニュアル(音量にご注意ください)▼


いずれの工程も文字では伝えにくく、OJTによる教育負担が大きい工程ですが、動画マニュアルによって作業イメージが明確に固まりやすくなります。それだけでなく、
手順不遵守が9割ほど削減され、不良の大幅な削減に貢献したとのことです。

 

児玉化学工業株式会社の動画マニュアル導入事例を詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。作業手順書の作成工数を7割削減した事例を掲載しています。

▼関連記事▼
製造業の動画マニュアル導入事例 | 工場の作業手順や異常処置、安全指導を動画で作成。手順書作成の工数は紙の1/3に。自動翻訳で外国人教育にも活用。

サラヤ株式会社:400以上の動画マニュアルを従業員自ら撮影

サラヤ株式会社は消毒剤や洗浄剤、医薬品、食品の製造を手掛ける化学・日用品メーカーであり、製造の作業手順書を動画マニュアル化して日々作業品質を改善しています。

以前は紙による作業手順書を使っていましたが、管理工数の圧迫によって動画マニュアルを導入しました。現時点で400以上の動画マニュアルを作成しており、業務に精通した従業員自ら撮影しているとのことで、教育負担の軽減や作業品質の向上を実現しています

そんなサラヤ株式会社が実際に作成した作業手順書の動画マニュアルをご覧ください。

▼底ラベルを貼る動画マニュアル(音量にご注意ください)▼

 

▼箱入れ作業をする動画マニュアル(音量にご注意ください)▼


同社は海外工場でも動画マニュアルの導入テストをしており、グローバル化にも今後寄与する見込みです。現地の外国語で紙マニュアルを作成しなくても済んでいる点が大きいと言えます。


400以上の動画マニュアルを独自で作成したサラヤ株式会社の、動画マニュアル導入ストーリーは以下の記事から読めます。

▼関連記事▼
医薬品メーカーの動画マニュアル導入事例 | 消毒剤のトップシェアメーカーでSOPを動画で作成。動画標準で力量の均一化、安全性の向上、品質の向上を実現。

新日本工機株式会社:動画によって海外拠点へのマニュアル展開を実現

新日本工機株式会社は主に工作機械の製造販売を主軸に置いており、国内外に生産工場や営業サービス拠点があります。

作業手順のバラつきや手順不遵守に長らく課題を感じていましたが、紙マニュアルによる運用は課題解消につながらないと判断し、動画マニュアルを導入しました。

動画により作業標準化が浸透しただけでなく、海外拠点へのマニュアル展開も容易になったとのことです。日本の教育担当者が海外子会社の外国人スタッフに動画を共有するだけで、ほとんどの情報が伝達できるようになりました

そんな同社で運用されている動画マニュアルの一部を紹介するので、動画作成の参考にしてみてください。

▼シールテープを巻く動画マニュアル(音量にご注意ください)▼

 

 ▼シールテープのNG例を紹介する動画マニュアル(音量にご注意ください)▼

正しい作業手順だけでなく、NG例もあわせて動画におさめることで、作業ミスが起きがちな工程の品質向上に努めています。

動画マニュアルを通じてグローバル化を推進した新日本工機株式会社の事例は、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

▼関連記事▼
人が育つ環境づくりとして動画マニュアルtebikiを活用。技術の蓄積と作業品質の安定を実現。

他のサンプル動画や企業事例を参考にしたい方は、以下の資料やこちらの記事もあわせてご覧ください。

製造業の作業手順書を動画化する手順・方法

一口に「動画マニュアルの作成」と言ってもその範囲は広く、計画・企画から動画編集・管理まで考慮すると押さえるべきポイントは広範にわたります。したがってここでは「紙の作業手順書で説明されている1工程を、1本の動画マニュアルに置き換える作業」に限定して解説します
手順は以下のとおりです。

  1. 動画化する工程を選ぶ
  2. 撮影の準備をする
  3. 作業を撮影する
  4. 動画を共有する


より詳細で広範な動画マニュアル作成手順も知りたい方は「はじめての動画マニュアル作成ガイド」をご覧ください。本記事では「動画の作成」のみに絞った解説に終始していますが、この資料では、動画作成における全体フロー「計画→作成→運用」に沿った動画マニュアル導入ステップが解説しているので、全体の見通しが立てられます。

 

1.動画化する工程を選ぶ

動画マニュアル化したい作業工程を選びましょう。作業工程を選ぶポイントは以下のとおりです。

  • 1〜2分程度の撮影で完結する作業であること
  • 紙マニュアルでは伝わりにくい作業であること


上記を踏まえると、動画マニュアルのメリットをより実感できます。

2.撮影の準備をする

スマートフォンもしくはタブレットを用意しましょう。

このとき、撮影は必ず「横向き」で行ってください。パソコンでもスマホでも、撮影した動画マニュアルを閲覧する場合は「横向き」で閲覧することが一般的です。

例えばバックヤードに共用パソコンを設置し、従業員が随時閲覧するような運用である場合、横向き撮影でなければ動画がうまく表示されません。

動画マニュアルの撮影カメラはスマートフォンが好ましい理由や、撮影におすすめの機材も知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

▼関連記事▼
動画マニュアルを撮影するカメラはスマートフォンがおすすめな理由
・【動画マニュアルの必要機材】おすすめカメラや撮影のコツも(初心者~プロまで)

3.作業を撮影する

実際に作業を撮影しましょう。必要に応じて、作業者の手元が明確に見える位置に移動したり、作業の全体像が分かるように引きで撮影したりすると、親切なマニュアルになります。

動画クオリティを高めるためにすぐできることとして「カメラ位置はなるべく固定する」「ズームが必要な際はカメラごと寄る」といったテクニックがありますが、他にもいくつかのポイントがあるので、さらに詳細を知りたい方は以下の記事もご覧ください。

▼関連記事▼
動画マニュアルの作り方:スマホ撮影の5つのコツ

4.動画を共有する

撮影した動画を従業員が見られるように、共有しましょう。社内で閲覧可能な場所(共有フォルダやクラウドストレージなど)にアップロードし、関係者に共有場所を連絡します。

このとき、工程名を明確にしたファイル名で保存すると管理がしやすいです。

ファイル名の例▼
ベアリング組立_手順1_20241126

 

以上4ステップが、作業手順書を動画マニュアル化する方法になります。ただし前述したとおり、本格的に動画マニュアル作成を推進するには「企画」や「運用」「管理」といった、撮影以外の工程にも気を配らなければなりません。こうした点も理解を深めたい場合は、以下の記事もあわせて読んでみてください。

▼関連記事▼
【完全ガイド】動画マニュアルの作成手順と18のコツ!事例やソフト比較、選び方も

動画編集に必要な手段・ツール

作業手順書を動画化する手順について解説しましたが、撮影した動画を「マニュアル」としてより機能させるには「編集」が特に重要です。

ここで言う編集とは以下のような「マニュアルをより分かりやすくするための加工作業」を指します。

  • 動画のカット、統合作業
  • 字幕の挿入作業
  • 音声の吹き込み作業


この編集作業に適した手段は一般的に以下の3つが挙げられます。


結論から言うと、動画編集ツールとして最適な選択肢は「製造業に適した動画マニュアル作成・編集ツール」の導入です。
理由も踏まえ、それぞれについてここから解説します。

【1番おすすめ】「製造業に適した動画マニュアル作成・編集ツール」の導入

一般的な動画編集ツールは以下のような弊害があり、動画マニュアル1つを完成させるのに膨大な時間がかかることが多いです。

  • 多機能すぎて使いこなせない
  • 編集できる人が限定される
  • 本来の業務が進まなくなる


そのため、「製造業に適した動画マニュアル作成・編集ツール」の導入がおすすめです。

動画マニュアル化の推進に失敗する大半のケースは「無理な内製化」であり、無理な内製化に直結する要因の1つが「一般的な動画編集ツール(製造業に特化していない動画編集ツール)が使いこなせず、時間がかかりすぎるから」ということ。

そこで検討したい手段が「作業手順書を動画マニュアル化するのに適した動画作成編集ツール」であり、その代表的なツールが「tebikiです。

tebikiの最大の特徴は「パソコンに慣れていない方/動画編集未経験の方でも動画マニュアルをかんたんに作成できる」点にあり、製造業の現場担当者が直接撮影・編集することを前提とした動画撮影編集ツールであることが強みです。

tebikiの機能や事例をまとめた資料を以下に掲載しているので、検討手段の1つとして参考にしていただけると幸いです。

 

「動画制作会社」への外部委託

動画の撮影編集手段として2つ目の選択肢が、専門の制作会社への依頼です。プロフェッショナルな映像品質が特徴ですが、実用面では大きな課題があります。それは「作業のカンコツを一切知らないこと」

製造業の業務は高度な技術や繊細な動きなどを必要とするので、マニュアルは原則「現場の作業者」が作成すべきです。動画制作会社は製造業のドメイン知識に乏しいため、ツボを押さえた動画マニュアルはなかなか作れないでしょう。

また、一般的に動画制作会社は制作費用が高額です。制作費用には企画構成費、撮影・制作費、編集費の3つが含まれることが多く、1本あたりの動画費用が高額になることが多いのでマニュアルの量産には向いていません。加えて動画マニュアルは基本的に「更新」ありきの運用が基本なので、軽微な修正でも追加費用がかかります。

動画マニュアルを作成するのに必要な費用相場を以下の記事にまとめているので、気になる方はあわせてご覧ください。

▼関連記事▼
動画マニュアルを製作する費用相場は?費用を抑える方法も解説【2024年版】

「汎用的な動画編集ツール」の導入

3つ目の選択肢として「汎用的な動画編集ツール」で動画マニュアルを作る方法が挙げられます。汎用的な動画編集ツールとは、例えば以下のようなものです。

  • パワーポイント/Googleスライド
  • 無料の動画マニュアル作成ソフト


特に、無料の動画マニュアル作成ソフトは種類が豊富にあります。windowsでも使用可能な無料動画マニュアル作成ソフトの代表例としては「PowerDirector365」「Openshot」「VideoPad」など。

「まずは無料の動画編集ソフトで動画を作成してみたい」という方は以下の「無料の動画編集ソフト比較表」の資料をご覧ください。無料で使える代表的な動画編集ソフト一覧を比較しつつ、動画マニュアルを成功させるためのポイントも凝縮してまとめています。

このような汎用ツールは「最小限の初期費用」と「自由度」がメリットとして挙げられます。一方で、操作習得に時間がかかる/管理が煩雑になりやすい/教育状況を把握しにくいというデメリットもあります。したがって、一般的な動画編集ツールで動画作成する場合は「長期的な運用が可能かどうか」を念頭においたうえで、慎重に検討する必要があります。

【注意】作業手順書の動画化に失敗する主な理由は「無理な内製化」

これまで動画マニュアル化の事例や方法、必要なツールについて解説しました。これらを踏まえ動画の作成に踏み切る際、必ず注意しなければならないのが「無理な内製化」です。

というのも、動画マニュアル化プロジェクトが頓挫するほとんどの理由が「無理な内製化」に集約されるという結果が出ているからなのです。

動画作成についてのアンケート結果

「内製化による動画の作成がうまくいかなかった」理由の内訳(N=50)

上図は、現場の課題を解決するクラウド教育システムを提供する「tebiki株式会社」が、同社の運営メディア「現場改善ラボ」にて実施した「動画マニュアル内製化の実態調査レポート」の結果を一部引用したものです。

ここから読み取れるのは、動画マニュアル化を推進しようとした多くの製造企業が、以下のパターンで失敗しているという事実です。

 

動画の作成・更新が手間で時間がかかった

内製化の最大の課題は、想定を大きく上回る工数の発生です。

例えば1本の動画を作成する場合、撮影環境や工程によりますが、撮影準備に1〜2時間、撮影本番に3〜4時間、編集作業に5〜6時間、さらに修正対応に2〜3時間と、合計で10~15時間程度が必要となります。

これらの作業が通常業務に追加される形となるため、現場の負担は急激に増大します。

特に多品種少量生産の製造現場では、作成すべき動画の数が多く、更新頻度も高くなるため、工数の問題は深刻です。「通常業務を圧迫するレベルで動画の作成時間が取られる」ケースは、よくある失敗例として挙げられます

動画マニュアルを作成できる担当者が限られていた

動画編集ソフトの操作には専門的なスキルが必要で、その習得には膨大な時間が必要となります。ソフトウェアのバージョンアップへの対応や、新しい機能の習得も継続的に求められるため、担当者の負担は時間とともに増加していきます。

さらに、編集スキルを持つ担当者が限られることで、特定の人物に作業が集中することも避けられません。結果として、作業の遅延や品質低下を招くケースが多く見られます。

作成者によって動画の品質に差が出る

動画の品質管理も大きな課題となります。手ブレや画質の不安定さ、音声品質の問題、重要ポイントの見落としなど、作成者によってさまざまな品質上の問題が発生します。特に製造現場特有の環境要因(照明条件、騒音、スペースの制約など)により、安定した品質の確保は余計に難しいと言えるでしょう。

標準的な品質を保つための基準作りも必要になりますが、それを守るための工数がさらなる負担となってしまいます。

作成担当者が退職後に引き継げない

動画作成のスキルやノウハウが特定の担当者に依存することで、人事異動や退職時に「引き継ぎ」の問題が発生します。担当者がいなくなる際は、編集ソフトの操作方法から撮影のコツまで、後任者に伝達しなければなりません

引き継ぎがうまくいかないと、担当者の交代とともにプロジェクト全体が停滞し、作成した動画の更新もままならない状況に陥りやすくなります。

このように、内製化による動画マニュアル作成には、想定以上の課題が潜んでいます。では、どのような方法であれば、持続可能な動画マニュアル化を実現できるのでしょうか。

無理のない動画マニュアル内製化は「tebiki」がおすすめ

動画マニュアル化で陥りがちな失敗パターンである「無理な内製化」は、「適切な動画作成編集ツール選び」によって回避できます。特に製造現場向けに開発された動画マニュアル作成ツール「tebiki」であれば、無理のない内製運用が実現できます。その理由を以下にまとめました。

▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼


製造業に特化した動画マニュアル作成ツール「tebiki」のより詳細な機能や費用感について知りたい方は、「3分で分かる『tebikiサービス資料』」をぜひご覧ください。導入予定はなくとも、「動画マニュアル作成にはどういった要件が求められるのか」をさらっと把握できる資料にもなります。


現場スタッフの誰もが作成できる直感的な操作性

tebikiはスマートフォンひとつで撮影から編集まで完結します

パソコンや専門的な編集ソフトは不要で、ITスキルに自信のない現場スタッフでも直感的に使いこなせます。この簡単な操作性により、特定の担当者に依存することなく、現場全体で動画マニュアルの作成・更新が可能になります。

食品工場でtebikiを活用した動画編集イメージ画像

 

効率的な運用を支援する「字幕の自動生成」

音声の自動認識による字幕作成機能により、編集工数を大幅に削減できます

工場内の騒音が大きく音声収録は難しい場合は、映像だけ撮影して音声を後から吹き込むことが可能であり、同様に字幕が自動で作成されます。したがって作成者による品質のバラつきも抑えられ、一定水準の動画マニュアルを安定して提供できます。

データ量を気にせず撮影できるクラウド管理

クラウドベースのサービスのため、データ容量の心配もありません。バージョン管理や更新履歴の管理も自動化されており、運用負荷を最小限に抑えることができます。したがって、共用パソコンやデバイスの容量圧迫を気にする必要はなく、必要な動画マニュアルを必要な分だけ保存できます

グローバル化する製造現場での活用を促進する多言語対応

ボタンひとつで、動画内の字幕を各国の言語に変換できます

tebikiなら100か国以上の言語に自動翻訳できることが分かる図

これにより外国人労働者への教育はもちろん、海外拠点への技能伝承もスムーズに実現します。翻訳コストを抑えながら、グローバルな製造現場での標準化を推進できるようになるでしょう。

このように、tebikiは従来の内製化における課題を包括的に解決し、製造現場の実態に即した機能と誰もが使える簡単な操作性で、持続可能な動画マニュアル化を実現します。

製造業に特化した動画マニュアル作成ツール「tebiki」のより詳細な機能や費用感について知りたい方は、「3分で分かる『tebikiサービス資料』」をぜひご覧ください。導入予定はなくとも、「動画マニュアル作成にはどういった要件が求められるのか」をさらっと把握できる資料にもなります。

まとめ

紙の作業手順書を動画化することは、製造業特有のあらゆる課題を解消し得る有効な手段であることは間違いありません。

一方で、動画マニュアル化は一筋縄ではいかず、計画・作成・管理の見通しを立てたうえで必要な動画作成編集ツールの見極めも重要であると解説しました。外部委託は高額だからといって無理な内製化を進めると、動画制作に膨大な時間がかかりプロジェクトが停滞することになります。

したがって弊社では、製造業における作業手順書の動画マニュアル化を推進するうえで有効な打ち手は「製造業に特化した動画マニュアル作成ツール」と結論付けています。同様のツールはウェブで検索すると複数の候補が見つかるかと思いますが、1番のおすすめは「現場の教育を動画でもっとかんたんに」を掲げる動画マニュアル作成ツール「tebiki」です。

本記事を通じて自社での動画マニュアル活用イメージを膨らませ、どのようなツールを用いてどのように運用するのが適切なのか、判断材料の1つとして参考にしてみてください。

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