目次
- 1. 作業手順書の見直しタイミングはいつ?
1-1. 定期的なタイミング
1-2. 改訂する箇所が一定数以上になった時
1-3. 作業ルールや手順に変更や修正があった時
1-4. 不具合、品質不良、事故が発生した時
2. 作業手順書の見直・改訂を行わない5つのリスク
2-1. 共有が進まず属人化するリスク
2-2. 部下や後輩の指導に時間を取られ生産性が下がるリスク
2-3. 人によって手順にバラつきが生まれ、ムダやミスが増えるリスク
2-4. 品質不良や労災の引き金になるリスク
2-5. 「古い作業手順書」として形骸化するリスク
3. 作業手順書の見直しや改訂が進まない理由
3-1. OJTに依存しすぎた教育のため作業手順書を活用していない
3-2. 取りまとめる担当者やルールが定まっていない
3-3. 現場が忙しすぎて手順書をブラッシュアップする暇がない
3-4. 社内承認や差し替えの手間がかかる
4. 作業手順書の見直し・改訂を効率的に進める5つの手順
4-1. ステップ1.改善点や要望をヒアリングする
4-2. ステップ2.改訂目的を明確にする
4-3. ステップ3.改訂作業を行い、改訂履歴を作成する
4-4. ステップ4.問題がないか作業観察を行う
4-5. ステップ5.定期的な見直しを行う
5. 作業手順書を動画にすると見直し工数が減らせる
5-1. 動画にするとなぜ見直し工数が減らせるのか
5-2. 手順書の作成には動画マニュアル作成ツール「tebiki」がおすすめ
5-3. 「tebiki」を使って手順書作成工数を削減した事例
6. まとめ
作業手順書の見直しタイミングはいつ?
作業手順書は業務の標準的なやり方を説明するものであり、特に新人や引き継ぐ人へ業務を説明する際には最新の状態にしておきたいものです。
そのため、見直しや改訂は以下のタイミングで行うことをオススメします。
- 半年や1年に1回など、閑散期に行う日を決めておく
- 改訂する箇所が一定数以上になった時
- 不具合、品質不良、事故などトラブルが発生した時
定期的なタイミング
定期的なタイミングに見直しと改訂を行います。例えば半年に1回、1年に1回などの業務が忙しくない閑散期の時期に、見直す日・改訂を行う日を決めておきます。
そのタイミングまでに修正点があれば作業手順書に印をつけておき、印がなくても一通り目を通して気づくところがないかを確認します。
改訂する箇所が一定数以上になった時
作業手順書で改訂したい箇所がある程度たまった時に、見直しと改訂を行います。
例えば、新人へ作業手順書を見せながら業務を説明していて「ここがわかりづらいだろうな」「実際の手順とは順番が違っているのでは」などと感じる箇所が複数出てきたら、その箇所に印をつけておき、手の空いた時に修正します。
作業ルールや手順に変更や修正があった時
作業のルールや手順に変更・修正があった時に、見直しと改訂を行います。
例えば、作業の流れを改善し、より良い手順へ変更した時や関係部署の名称が変わった時など、従業員間で変更を知らせ合うことをきっかけに作業手順書も修正します。
不具合、品質不良、事故が発生した時
作業において、不具合や品質不良、事故などがあった時に、作業内容を見直すとともに作業手順書を見直し改訂します。
例えば、製品の不具合、取引先からのクレームが発生した時や、従業員の衛生や安全に関わる事象が発生した時に、手順の変更や再発防止策の策定を行うとともに作業手順書も修正します。
作業手順書の見直し・改訂を行わない5つのリスク
作業手順書の見直しや改訂をしていないと、作業手順書の内容が実際の業務と乖離している可能性があります。それによって以下のようなリスクが生じる恐れがあります。
- 業務の属人化
- OJTによる教育が発生し生産性が低下
- 人によって手順にバラつきが生まれ、業務のムダやミスが増える
- 品質不良や労災の引き金になる
- 「古い作業手順書」として形骸化する
実際の業務と内容が乖離している結果、現場で使われずに形骸化してしまうでしょう。これ文書マニュアル等の社内マニュアルでも同様に起こります。作業手順書やマニュアルの形骸化を防ぐ手段としては、動画マニュアル化がオススメです。
共有が進まず属人化するリスク
業務の変更点をチームやグループの中で共有できず、業務が属人化するリスクです。
属人化は、業務が特定の人に抱え込まれてしまうことを指しますが、小さなきっかけから起こります。業務の変更点について、作業手順書を修正せずチームのメンバーで共有していないと、知っている人だけがノウハウを持つこととなります。
そうすると、本来誰もが行える業務であったのにその人のみに任せる状況が続いてしまい、属人化してしまいます。
部下や後輩の指導に時間を取られ生産性が下がるリスク
先輩従業員が部下や後輩の指導やフォローに時間を取られてしまい、生産性が下がるリスクがあります。
作業手順書が最新の状態になっていないと補足説明が必要となり、OJTの時間が余計にかかります。OJTを行う先輩従業員に教育の負荷がかかり、時間が取られることによって生産性が下がってしまうおそれがあります。
また、口頭での説明は抜け漏れがある可能性があるため、説明が不十分なことで部下や後輩の生産性にも影響が出てしまいます。
人によって手順にバラつきが生まれ、ムダやミスが増えるリスク
手順にバラツキが生まれ、ムダな作業や過去にミスが多かった作業を再発するリスクがあります。
例えば、改善された手順が作業手順書に反映されていない場合、改善後の手順を知らない人はムダな作業をしたり、過去にミスが起きた工程で同じミスを起こしたりするおそれがあります。
さらに、作業手順書を更新しないと、他の人に教える際に改善前の手順を教えてしまう可能性もあります。
品質不良や労災の引き金になるリスク
製品の品質不良や労災が発生するリスクがあります。例えば製造業では、従業員の衛生や安全を守りつつ効率的で生産性の高い、標準となる手順があります。
標準的な手順を作業手順書に定めていても、変更に即した修正を行っていないと、変更前の手順で製品を製造してしまい不良品率が上がったり、製造工程での事故で従業員がケガをするおそれがあります。
「古い作業手順書」として形骸化するリスク
作業手順書が最新の状態になっていないと「内容が古いから」と使われなくなり、形骸化するリスクがあります。
作業手順書を改訂しないままで実際の業務との乖離が進むと、新人への指導に作業手順書を使わなくなっていきます。作業手順書を使わずに教えられた新人は、やがて後輩を教える際に、やはりように同じように作業手順書を使わずに教えるようになります。
こうして作業手順書が形骸化し、誰も読まなくなるおそれがあります。作業手順書を1つ作成するにも時間や手間がかかっていたのに、それらがムダになってしまいます。
作業手順書の見直しや改訂が進まない理由
作業手順書の見直しや改訂をすべきだとわかっていてもなかなか着手できない理由は、どのようなものでしょうか。主な理由を4つ挙げ、解消するヒントをご紹介します。
- OJTに依存しすぎた教育のため作業手順書を活用していない
- 取りまとめる担当者やルールが定まっていない
- 現場が忙しすぎて手順書をブラッシュアップする暇がない
- 社内承認や差し替えの手間がかかる
OJTに依存しすぎた教育のため作業手順書を活用していない
本来、新人教育や引き継ぎ時には作業手順書を活用するとスムーズになりますが、先輩従業員が作業手順書を使わずにOJTで教えてしまう状況だと、仕事を覚えた後は作業手順書を見なくなり、従業員があまり意識を向けなくなります。
作業手順書は「業務の標準的な手順を記載し、業務の共有に活用するものである」という役割を再認識し、新人教育や引き継ぎでOJTと並行して活用することを徹底しましょう。
取りまとめる担当者やルールが定まっていない
作業手順書の見直し・改訂を取りまとめる担当者やルール、実施するタイミングが定まっていないと、よりよい手順書へ向けた改善はなかなか進みません。
そのような場合、まずは作業手順書の見直しが重要であることを再認識した上で、例えばチームやグループ内で2名を取りまとめ担当に任命し、見直しのルールやタイミングを話し合う中心的な役割を担ってもらいます。
社内の業務の繁閑期から判断しやすい、定期的な見直しタイミングを決めてみるとよいでしょう。
現場が忙しすぎて手順書をブラッシュアップする暇がない
現場が忙しすぎて余裕がなく、作業手順書を見直す時間が取れないということが背景にあるケースも考えられます。
時間が取れない中でも、1日だけ「作業手順書を見ながら仕事をする日」を作り、作業手順書と実際の業務で違っていることがないか確認しながら業務を進めてみましょう。改訂がすぐできなくても、まずは見直すことが重要です。
内容がかなり古くなっているなど気づきがあると「何とかして作業手順書を改訂する時間を作ろう」という意識やモチベーションが高まります。
社内承認や差し替えの手間がかかる
見直し・改訂を行うのに、上席の社内承認が必要だったり、全営業所や工場に配備されているために差し替えるのに時間や手間がかかったりするものです。
「作業手順書は重要なものである」という意識付けは素晴らしいですが、見直し・改訂に着手しやすいよう、社内ルールからまず見直しましょう。
主な理由を4つ挙げましたが、共通するのは「作業手順書の見直し・改訂は時間や手間がかかるイメージがある」点です。手間がかかるから見直さないままでは、作業手順書が実際の業務と乖離してしまい、ブラックボックス化につながります。このまま見直し・改訂を行わずにいるとムダの発生や生産性の低下、品質不良に陥り、経営課題に結びつく可能性もあります。
そこで、作業手順書の見直し・改訂を効率的に進める手順を、次の章でご紹介します。
作業手順書の見直し・改訂を効率的に進める5つの手順
作業手順書の見直しや改訂を効率的に進める手順を、5つのステップでご紹介します。
- 改善点や要望をヒアリングする
- 改訂目的を明確にする
- 改訂作業を行い、改訂履歴を作成する
- 定期的な見直しを行う
紙ベースの作業手順書の運用は、作成/管理/回収/修正/配布と多くの工数が発生するため、見直し・改訂のタイミングで『作業手順書のペーパーレス化』もご検討ください。
関連記事:事例から学ぶ作業手順書のペーパーレス化!目的・タイプ別のツール選定法
ステップ1.改善点や要望をヒアリングする
作業手順書を使用している現場の従業員に改善点や要望をヒアリングし、見直す材料を集めます。
ヒアリングする内容としては、業務内容の変更に伴い修正すべきところ、表現の面で改善してほしいところや、内容の面で追加・削除してほしいところなどです。複数の目で見直すと一度にいろいろな意見を集められますので、できるだけ多くの従業員からヒアリングしましょう。
ステップ2.改訂目的を明確にする
ステップ1で集めた材料から、今回改訂する目的を定めます。
例えば業務内容が大きく変更していたなら、業務に沿った内容へ改訂することが優先的な目的となります。もしくは、軽微な変更だけであれば、新人受け入れを意識した改訂を目的とします。
他にも、半年のサイクルのように定期的に行うならば「8月には変更点のみの改訂、2月には新人を意識した全面的な改訂」というようにあらかじめ目的を決めておいてもいいでしょう。
ステップ3.改訂作業を行い、改訂履歴を作成する
ステップ2で決めた目的にしたがって作業手順書を見直し、改訂作業を実施します。
作業手順書の見直しポイントに、ヒアリング時に付箋を貼るなどして、抜け漏れのないよう注意しながら改訂していきます。同時に、改訂した箇所については、改訂箇所・時期・理由などを別表に記録し、改訂履歴も作成していきましょう。
担当者2名で行い、一人が改訂作業を行ったらもう一人が再鑑するなど、複数人で推進すると集中的に効率よく進められます。
ステップ4.問題がないか作業観察を行う
改訂した内容に問題がないか、実際の業務を作業手順書に沿って実践し、確認します。
ステップ2で決めた目的を達成しているかを意識しながら「内容が間違っていないか」「表現が理解しやすいか」「体裁が見やすいか」の3つの視点から確認するとよいでしょう。
ステップ5.定期的な見直しを行う
今後も引き続き見直し・改訂作業を継続するために、定期的な見直しタイミングを決めておきます。例えば「5月・11月の第3週に行う」と具体的に決め、次回の担当者も決めておくとよいでしょう。
作業手順書を動画にすると見直し工数が減らせる
作業手順書を効率的に見直し・改訂していくためには、ご紹介した5ステップの手順のほかに「作業手順書を動画にする」という方法があります。
これは、動画編集ソフトや動画マニュアル作成ツールを利用して作業の風景を撮影し、パソコンなどで編集して作業手順書として保存するものです。作業をする際にはパソコンのほか、スマートフォンやタブレットなどで視聴するイメージです。
作業手順書を動画にするとなぜ見直し工数が減らせるのか、具体的なツールにはどのようなものがあるかをご紹介します。
動画にするとなぜ見直し工数が減らせるのか
「動画撮影」と聞くと、ビデオカメラで撮影するイメージですが、近年スマートフォンでの撮影でもクオリティの高い作業手順書を作成できます。改訂の必要が発生したら、その日に変更後の手順で業務を行う様子をスマートフォンで撮影し、それがそのまま作業手順書改訂版となるイメージです。
したがって、時間の余裕ができる時までいくつか改訂箇所をためておくといったタイムラグがなく、その都度業務とともに改訂が完了します。
文字の作業手順書で必要とされた改訂履歴も、動画内で過去の経緯を説明すれば伝えることができますし、紙に印刷して差し替え作業をする工程も不要です。動画であれば作業を見たままに伝えることができるため、わかりにくい説明を誰でも理解できるよう文章をあれこれ表現を思案する工程も不要となります。
動画であれば短時間のものであっても情報量が多いため、忙しい現場や、OJTを行うほうが理解しやすい作業のある現場にこそ、動画による作業手順書が向いているといえます。
動画によるマニュアル/作業手順書を運用するメリットとデメリットは、以下の記事でより詳しく解説しているので併せてご覧ください。
関連記事:動画マニュアルのメリットとデメリットは?事例から学ぶ導入の効果
手順書の作成には動画マニュアル作成ツール「tebiki」がおすすめ
動画マニュアル作成ツールとは、動画によるマニュアルや手順書の作成に適したツールであり、動画の編集から手順書の完成までユーザーが容易にできるよう工夫されたものです。特におすすめな動画マニュアル作成ツール「tebiki」は、スマートフォンで撮影した動画を簡単に編集でき、誰でも動画の手順書を作成できるようになっています。
字幕が自動生成され、動画の切り取りや図形の挿入も直感的に行えるなど、高度な動画編集技術を学んだことのない現場の従業員も、動画の作業手順書を作ることができます。
他にも、100ヵ国語への自動翻訳機能や、誰が何時間どの動画を視聴したかをレポートで確認できるといったメリットもあり、製造業や物流業、小売業や飲食業などで広く活用されています。
「tebiki」を使って手順書作成工数を削減した事例
「tebiki」を使い、手順書やマニュアルの動画化から作成工数の削減に成功した事例を2つご紹介します。より多くの事例を知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
関連記事:【業界別】動画マニュアルの事例とサンプルを多数ご紹介!参考ポイントや作り方も解説
アサヒ飲料株式会社
「三ツ矢サイダー」など、広く親しまれる飲料を製造しているアサヒ飲料株式会社では、工程の一部分だけでも手順書を作成するのに10時間ほどかかっており、さらに新商品の生産などにともない見直し・改訂を行うにも多くの工程が必要である一方、それほど手間をかけた手順書であっても文字だけの情報では人材育成に時間がかかるという課題がありました。
そこで「tebiki」を導入したところ、操作マニュアルを見なくても直感的に操作でき、1本あたり30分程度で手順書を作成できるようになりました。また、ベテラン作業者が培ってきたコツは文字では表現しきれず暗黙知となっていましたが、動画で見せると新人作業者であっても習得が早くなるなど、工数削減以外の成果も出ています。
より具体的なアサヒ飲料様の取り組み事例を知りたい方は、以下のインタビュー記事も併せてご覧ください。
▼関連記事▼
OJTや手順書作成工数を大幅に削減!熟練者の暗黙知も動画で形式知化
サッポログループ物流株式会社
サッポログループの商品の安定的な輸配送を担うサッポログループ物流株式会社では、紙によるマニュアル作成に課題がありました。読み手にわかりやすい表現を考え、画像を用意するなどを行うとどうしても作成工数が多くなっていました。
そこで動画マニュアル「tebiki」を導入したところ、紙マニュアルの作成に2〜3時間かかっていたものが「tebiki」なら30分前後と、以前のおよそ3割ほどの所要時間短縮に成功しました。
また、トレーナーによるOJTの教育時間も削減できた点や、業務手順を間違えたり気が緩んだりすることによって起きた労働災害事例を動画にしたことで、効果的な教育を行えた点も動画による手順書を導入したメリットです。
より具体的なサッポログループ物流様の取り組み事例を知りたい方は、以下のインタビュー記事も併せてご覧ください。
▼関連記事▼
物流現場のノウハウを動画で可視化!ロジスティクスの生産性を上げるため人財教育の課題に挑む
まとめ
この記事では作業手順書の見直し・改訂を行うタイミングはいつなのか、また、見直さない場合のリスクや、なかなか見直しが進まない理由をご説明しました。
忙しくて見直し・改訂をする時間がないかもしれませんが、見直さないままでは少しずつ業務実態と手順書の内容がずれていき、使いづらい手順書となって形骸化したり、正しい業務を従業員間で共有できないことで生産性が低下したりするおそれがあります。内容が変わったタイミングや定期的なタイミングに見直していきましょう。
また、作業手順書の見直し・改訂を効率的に推進する5つのステップや、見直し・改訂の工数を削減するため動画によって作業手順書を作成する方法をご紹介しました。動画マニュアル作成ツール「tebiki」をご紹介しましたが、こうした誰もが使いやすいツールであれば、すぐに内容を修正できるため、見直し・改訂の工数を削減できます。
ぜひ、この記事を読んでいただいたことをきっかけとして、作業手順書の見直し・改訂に取り組んでみてください。
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