2024.1.17 新人教育の教え方

カンコツとは?暗黙知の作業を“標準化”する4ステップ

tebikiサポートチーム
執筆者:tebikiサポートチーム

製造/物流/サービス/小売業など、数々の現場で動画教育システムを導入してきたノウハウをご提供します。

カンコツとは、熟練作業員の経験と勘に基づく、手順や数値が明確に定義されていない作業のことです。 長年の経験から培われた「勘」と「コツ」によって成り立つ作業で、マニュアル化が難しく、言葉や図だけでは伝えきれない、職人技のような要素が強く含まれています。

本記事は、カンコツ作業を伝承する難しさと、標準化して教える方法まで解説します。

カンコツ作業の意味から標準化するための方法まとめた資料もご用意しています。カンコツ作業が伝わらないとお悩みの方は、以下から資料を無料ダウンロードしてご覧ください。

目次

カンコツとは?

「カンコツ」とは、熟練作業員が長年の経験と勘に基づいて行う、手順や数値が明確に定義されていない作業のことです。 言い換えれば、暗黙知に基づく、非標準化された作業と言えるでしょう。 マニュアル化が難しく、言葉や図だけでは伝えきれない、職人技のような要素が強く含まれています。 そのため、若い世代への技術伝承が難しく、人材育成における大きな課題となっています。

こうした課題を解消するためには、カンコツ作業の標準化教育が欠かせません。

カンコツの標準化方法を知りたい方は、以下のリンクより「カンコツ作業を標準化する最適解」というガイドブックをご覧ください。

>>“伝わらないカンコツ作業”を標準化する最適解を見る

▼カンコツ作業の例▼

製造業

部品の磨き、溶接、塗装など、熟練工の感覚に頼る部分が多い作業。微妙な力加減や角度調整が求められ、数値化が困難なケースが多い。

建設業

コンクリートの打ち方、左官工事、溶接など、経験に基づいた微妙な調整が求められる作業。材料の状態や天候にも左右され、標準化が難しい。

食品加工業

食品の選別、味見、焼き加減の調整など、感覚的な判断が求められる作業。 熟練者でも、言葉で正確に伝えることが難しい場合が多い。

カンコツが伝わりづらい理由

ここでは、 教える側/教えられる側それぞれの視点から以下の2点について解説します。

また、次章『カンコツや暗黙知をわかりやすく伝えるためのポイント』では、カンコツを作業手順書で分かりやすく伝えるポイントを解説します。この章で当事者意識をもち、次章でより良い作業手順書を作成できるよう参考にしてください。

「教える側」から考えるカンコツを伝える難しさ

まずは教える側、すなわち熟練者の視点でカンコツを伝える難しさを解説します。主に以下の4点が熟練者の視点に立った場合の問題になります。

 

そもそもカンコツだと認識してない

多くの製造現場では、熟練者の技術やノウハウが「カンコツ」として存在しています。カンコツは熟練者が無意識のうちに行っている作業であることが多いため、重要性を認識していない/特別なものとして意識していない傾向にあります。

そのため、カンコツを文書化し、他者に伝えることが難しいのです。

忙しくて教える時間や余裕がない

熟練者が、新人に技術を教えるための時間が十分に取れない状況はよくあることです。日々の仕事に追われ、教育や指導に割く時間が限られてしまうからです。

カンコツの伝え方/教え方がわからない

熟練者がカンコツを効果的に伝えることが難しい主な理由は、熟練者が技術を言語化し、教える能力に欠けていることにあります。なぜなら、技術は長年の経験から自然に身についたものであり、他人に技術を教えるスキルとは別軸であることも多いからです。

「飲み込みが悪い」「カンが鈍い」と評価しがち

熟練者が新人を指導する際、「飲み込みが悪い」「カンが鈍い」といった評価をしてしまうことがあります。熟練者が無意識のうちに習得した技術を、新人が理解できないことに対する失望から生じる傾向です。

熟練者は長年の経験を通じて自然と身につけた技術を、同じように新人も短期間で習得できると考えがちです。この誤解は、熟練者と新人の間のコミュニケーションのギャップを生む原因となり、技術伝達の妨げになります。また、誤解による評価で、新人のモチベーションが低下する可能性もあるでしょう。

「教えられる側」から考えるカンコツを身につける難しさ

一方で、教えられる側の視点からもカンコツを身に付ける難しさを3つ解説します。

 

何がカンコツなのか理解できていない

手順のみを伝えられると、手順の背景/意味/重要性が把握できず、どこがカンコツ作業なのか理解できない可能性があります。手順の重要性を理解していない場合、必要な作業を省き、危険な状態に陥る恐れもあります。

教えてもらうことや質問することに遠慮してしまう

新人が疑問や不明点を質問することを遠慮し、自身で解決しようとすることがあります。その背景には、「先輩社員が忙しそうで質問をすると迷惑がかかるのでは」と考えることが多いです。

新人が質問をためらうことで、重要な技術の習得が遅れ、結果として効率が低下することを招きかねません。

教える側に不信感を覚えてしまう

新人は教える側のコミュニケーション不足や教え方の問題が不信感の原因となることがあります。熟練者が技術を伝える際に十分な説明や配慮が欠けると、新人は「この人に教育してもらって大丈夫なのか」と不安になることがあるでしょう。

その結果、コミュニケーション不足が悪化し、作業に重要なカンコツを伝承できないことにつながります。

教える時間がない/コミュニケーションに問題があるという場合は、教育を「動画」に置き換えるのがおすすめです。動画の場合、「自分のタイミングで何度も、熟練者の技をリアルに見れる」ため早期習熟につながりやすいです。動画マニュアルの導入効果やおすすめツールについては、以下のマンガでわかりやすく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

>>>動画マニュアルの効果がわかるマンガを読む

カンコツを作業手順書でわかりやすく伝える4つの手順

ここではカンコツや暗黙知を伝えるときのポイントとして、以下4点について解説します。

  • 作業手順書で伝えられるカンコツを整理/分類する
  • カンコツ作業を分析する
  • 作業の目的や判断基準を明確にする
  • 作業手順書や技能マニュアルに落とし込む


伝わりにくいカンコツを2STEPで「かんたんに標準化する方法」をまとめたガイドブックもご用意しています。以下のリンクから無料でダウンロードできますので、カンコツの標準化を通じて品質向上と効率化を実現するためにお役立てください。

>>>“伝わらないカンコツ作業”を標準化する最適解を見る

作業手順書で伝えられるカンコツを整理/分類する

暗黙知を文章ではっきりと表し、作業手順書に落とし込むことで、「知識の標準化」と「伝承」が行いやすくなります。暗黙知を明らかにするためには、「暗黙知の4階層モデル」を用いましょう。

▼暗黙知の4階層モデル▼

 

階層の概要

第1階層

外から見えて、言語化が可能な階層

→もっとも伝達しやすい

特定の機械の操作方法や安全手順など

第2階層

外からは見えないが、言語化はできる階層

→個人の経験や判断基準などで、外からは直接観察はできないものの、言葉で表現可能

ヒヤリハットが発生しそうな状況での判断の仕方や問題解決策など

第3階層

作業者は無自覚であるが言語化ができる階層

→インタビュー/観察を通じて知識を引き出し、文書化することが可能

作業者が経験から無意識に行っているコツなど

第4階層



作業者が無意識に行い、言語化ができない階層

→もっとも伝達が難しい暗黙知

作業者自身もその存在に気づいていないことが多い。まさしく熟練工が長年の経験で得た「カンコツ」などが該当


第1層から第4層までを理解し、作業手順書に落とし込むことで、暗黙知はより実用的な形で後継者に伝えることができます。とくに、第3階層と第4階層の暗黙知は、詳細な観察やインタビューを通じて明らかにすることが重要です。

カンコツ作業を分析する

カンコツ作業を効果的に伝えるためには、その作業を詳細に分析することが重要です。なぜなら、ベテランの経験や知識は言葉だと表現しづらい暗黙知になっているため、明確にすることが必要だからです。分析の方法としては、以下がおすすめです。

  • ベテラン作業員に対して、作業内容のヒアリングやインタビューを行う
  • ベテラン作業員の作業風景を動画で撮影する
  • 作業工程をチャートで可視化し、どの部分が暗黙知なのか特定する など


複数の視点から客観的に作業の順番や動作を分析することで、技術を他の作業員にも伝えやすくなります。

作業の目的や判断基準を明確にする

作業手順の根拠や理由を明確にすることは、カンコツや暗黙知の伝達において極めて重要です。なぜなら、作業員が手順の背後にある目的や理由を理解することでより深くその作業を理解し、適切な判断ができるようになるからです。

たとえば、品質管理のプロセスを教える際は、「その手順が品質を保つためになぜ重要なのか」を理解することで、作業員の自律的な品質管理能力を向上させます。作業手順と作業目的などは1セットで教育しましょう。

作業手順書や技能マニュアルに落とし込む

いよいよ暗黙知となっている事柄を作業手順書に落とし込んでいきましょう。

作業手順書やマニュアルは、「作業員がいつでも参照できる知識の源泉」と捉えて、作業を行う誰もが/いつでも/どこでも閲覧できるようにしてください。教育負担を減らしながら、効率的な教育を行えるでしょう。

現場で活用される手順書の作り方は、以下をクリックして、わかりやすく作るための技術が詰まった資料をご覧ください。

>>>現場で使われる!手順書作成ガイドを見る

カンコツ作業を標準化するには「動画」の活用が有効

「カンコツは明文化するのが難しい…」とお悩みの方は、動画でカンコツを可視化するのがおすすめです。ここでは「動画活用のメリット」と「おすすめの動画マニュアル作成ツール」をご紹介します。

動画マニュアルの作成に少しでも興味のある方は、以下の資料も併せてご覧ください。動画による教育効果などがわかりやすくまとまっています。

>>>動画マニュアルの教育効果を詳しく見る

ベテランや熟練者のカンコツを見える化できる

文字が多い文書ベースのマニュアルより動画の方が伝わりやすい

動画の場合、熟練者の手の動きや作業の流れなど、文書や口頭では伝えにくい細かな技術やノウハウを具体的に示せます。そのため、動画はベテランや熟練者の技術を「見える化」するのに非常に有効です。

さらに、動画で技術を可視化することで、以下のような効果も期待できます。

  • 教育工数を削減できる
  • 教育内容のバラつきを防げる
  • ナレッジ蓄積となり、技術伝承を進められる など

 

ベテランと新人の違いを比較検証しやすい

動画はベテランと新人の作業方法の違いを視覚的に比較し、検証するのに役立ちます。同じ作業を行う際の手順や動作の違いを直接見ることで、新人が学ぶべきポイントや改善点を明確にできるからです。


たとえば、組立作業の動画を新人とベテランで撮影し比較することで、新人はベテランの効率的な動作やベテランならではの特徴を学び、自身の作業方法を改善できます。さらに、動画は好きな時に何度でも視聴が可能なため、多忙なベテランに声をかけづらい状況でも、繰り返し作業を学習することができます。

熟練者でも気づいていなかった新たな発見に繋げられる

自分の作業を客観的に見ることで、無意識に行っていた効率的な動作や、逆に無駄な動作を認識できるようになります。無意識に行っていることで、危険なポイントがあることを発見できるでしょう。

カンコツの動画化には「tebiki」がおすすめ◎

現場向け動画教育システム tebikiは、動画マニュアルを誰でもかんたんに作成できるマニュアルソフトです。実際に作業している様子をスマートフォンで撮影し編集するだけで、わかりやすく高品質な動画マニュアルを作れます。

▼動画マニュアル作成ツール「tebiki」紹介動画▼


他にも、現場に必要な以下の動画編集機能が豊富に揃っています。

  • 字幕の自動生成
  • 100ヵ国語以上に対応した外国語翻訳
  • 動画シーンの静止とカット
  • 図形挿入 など


「誰が・どのくらい・どの動画を視聴したか」をレポートで確認できる機能も備えており、マニュアルの使用状況や定着度合いを管理者側で可視化できるというメリットも特徴です。さらに、マニュアル内にテストを設置することもできるため、マニュアルの習熟度を可視化することもできます。職場によっては、習熟確認会の負担軽減が期待できるでしょう。

tebikiについてもっと詳しく知りたい方は、以下の動画をクリックしてください。サービス概要や動画マニュアルのサンプルなどをご覧いただけます。「料金を知りたい」「実際の画面を見てみたい」という方は、こちらからお問い合わせください。

カンコツを動画化して標準化した成功事例

動画マニュアル作成ツールtebikiを活用して、技術やノウハウの可視化に成功した企業事例を3社ご紹介します。各社どのような課題を持ち、どのように解決したのかチェックしていきましょう。

より多くの企業事例と効果を知りたい方は、以下のリンクから導入事例集をぜひご覧ください。

>>>tebiki導入事例集を読む

御幸毛織株式会社

御幸毛織株式会社は1905年創業の繊維会社で、紡績から縫製、販売まで一貫して行っている企業です。同社では、40代と50代のベテラン社員の技をいかに若手へ継承するかが課題でした。紙のマニュアルでは細かな動きや微妙なニュアンスが伝わりづらく、動画マニュアルを社内で作成しようとしたものの、その難しさや作成担当者の負担を懸念し実現まで至らなかったという状況に。

そこで動画マニュアルのtebikiを導入し活用することで、動画による作業手順の可視化や業務標準化を実現し、効率的な研修と業務の属人化の削減に成功しました。くわえて、マニュアル作成の工数も3割~4割削減でき、紙マニュアルでは伝わりにくい細かいニュアンスも伝えやすくなったそうです。

御幸毛織株式会社の導入事例を詳しく読みたい方は、以下からインタビュー記事をご覧ください。

▼関連記事▼
明治時代創業の繊維会社が挑む技術伝承!ITテクノロジーを駆使して伝統芸を若手へ伝達

トーヨーケム株式会社

トーヨーケム株式会社は、東洋インキグループにおけるポリマー/塗加工関連事業を担う中核事業会社で、新人からベテランまで700名以上の社員を抱える製造業の企業です。

トーヨーケム株式会社では、若手社員への技術伝承と属人的なOJTによる教育のムラが課題でした。人や物の動きが伴う作業が多く、文字や静止画ではカンコツが伝わりづらいということに加え、OJTによる教育のみでは教え方の違いや業務ノウハウを言語化できずに新人の業務習熟度にバラツキが生じ、技術伝承や多能工化の教育がスムーズに進まないといった課題がありました。

そこで、動画マニュアルのtebikiを導入したところ、技術伝承が進み、教育のムラが減少しました。さらに、tebikiの簡単な編集機能と共有、管理の特化により、教育の質と効率が向上し、技術伝承と多能工化が促進! 実際に、動画マニュアルの作成が簡単になったことで現場からも「この業務は伝わりにくいので動画マニュアル化したい」という声が自発的に上がるようになりました。

トーヨーケム株式会社の導入事例を詳しく読みたい方は、以下からインタビュー記事をご覧ください。

▼関連記事▼
新人からベテランまで700名を超える組織教育のグローバルスタンダードを目指す

大同工業株式会社

大同工業株式会社は、1933年に創業した自転車チェーンの製造会社で、現在は自動車部品や産業機械、福祉機器などを手がけるグローバル企業です。基本的な内容は文書マニュアルに記載されていたものの、カンコツが言語化しにくく、結果的に実務を通じて担当者が会得する状態が続いていました。そのため、新人教育の非効率性の問題が発生。また、トレーナーによる指導内容のバラつき、試験手順の違いによるヒヤリハットや評価エラーという課題も抱えていました。

そこで、動画マニュアルtebikiの導入~運用により、マニュアル作成工数/教育工数を削減し、業務の標準化を達成。結果として、ヒヤリハットや評価エラーを削減し、多能工化を実現しました。それぞれの従業員が持っているカンコツを動画マニュアルに組み込むことによって、業務の効率化・最適化も実現しています。

大同工業株式会社の導入事例を詳しく読みたい方は、以下からインタビュー記事をご覧ください。

▼関連記事▼
製造業の技術部門の業務を動画で標準化。教育工数を8割削減し、業務の効率化・最適化も実現。

もっと多くの事例を読みたい場合は、別記事『【業界別26社】動画マニュアルの事例とサンプルを多数ご紹介!参考ポイントや作り方も解説』か以下の導入事例集をご覧ください。

まとめ

製造業でのカンコツや暗黙知の伝達は、教える側と教えられる側の双方からのコミュニケーションが不可欠です。カンコツの認識の難しさや教育のムラを減らすためには、作業手順の整理・分類と、動画を用いた可視化がおすすめ。動画化により、細かなニュアンスや技術が明確に伝わり、教育の均一化が達成できるでしょう。

tebikiの資料は無料でダウンロード可能です。ぜひこの機会に、カンコツを伝承するためにtebikiの資料を無料でダウンロードしてみませんか?

クラウド動画教育システムtebiki

今すぐクラウド動画教育システムtebiki を使ってみたい方は、デモ・トライアル申し込みフォームからお試しください。

カテゴリー: 新人教育の教え方