

執筆者:tebikiサポートチーム
製造/物流/サービス/小売業など、数々の現場で動画教育システムを導入してきたノウハウをご提供します。
かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」を展開する、Tebiki株式会社サポートチームです。
作業手順書や作業指示書を紙で管理しているような職場は、ペーパーレス化によって手順書・指示書の作成や管理工数などの付帯業務を大きく効率化できます。
本記事では、作業手順書のペーパーレス化に成功した企業事例を紹介します。また、ペーパーレス化の手段について、目的別にツール選定のポイント、実際に利用されているツールを詳しく解説します。
目次
- 1. 作業手順書のペーパーレス化が進まない現場にありがちな課題
1-1. 課題1:必要な情報がすぐに見つからない
1-2. 課題2:更新が面倒で、古い手順書が使われがち
1-3. 課題3:内容が分かりにくく、読まれない
1-4. 課題4:見て覚える「カンコツ」が伝わらず、業務標準化が進まない - 2.作業手順書/作業指示書をペーパーレス化するメリットとデメリット
2-1. 業務効率化と生産性向上
2-2. 改訂や更新の工数削減
2-3. スピーディーな情報共有が可能
2-4. 外国人スタッフの現場教育を改善
2-5. 手順書・指示書を探す手間が省ける
2-6. コストの削減やセキュリティの強化に - 3. ペーパーレス化するデメリットやありがちな問題
3-1. システム障害や端末、通信環境の影響を受ける可能性がある
3-2. 現場定着までに時間やコストがかかる
3-3. 利用者のITリテラシーに影響される部分がある - 4. 作業手順書をペーパーレス化するツール・方法
4-1.動画マニュアル
4-2.PDFなどによる電子文書化
4-3. スキャニングサービス
4-4. 文書管理システム
4-5. OCRツール
作業手順書のペーパーレス化が進まない現場にありがちな課題
多くの現場では、依然として紙の作業手順書が主流ですが、そこにはペーパーレス化によって解決できる様々な課題が潜んでいます。ここでは、紙ベースの手順書運用を続ける現場でよく見られる具体的な課題を4つ解説します。
課題1:必要な情報がすぐに見つからない
紙の手順書は、保管場所から探し出すのに時間がかかり、作業効率を低下させます。特に緊急時には、情報アクセスの遅れが対応の遅延に直結しかねません。
また、手順書が特定の場所にしかない場合、作業者はその都度移動する必要があり、手間がかかります。必要な時にすぐ確認できない環境は、作業の正確性を損なうだけでなく、手順を確認せずに勘や経験に頼った作業を誘発し、品質のばらつきやミスの原因となる可能性があります。
課題2:更新が面倒で、古い手順書が使われがち
紙の手順書は「改訂」に伴う負担が非常に大きいです。印刷、差し替え、配布、旧版回収といった一連の作業が該当します。
この煩雑さから、差し替え漏れや配布漏れが発生しやすく、結果として古い版の手順書が現場で使われ続けるリスクが高まります。誤った情報に基づく作業は、製品不良や手戻りを引き起こし、生産性を低下させるだけでなく、安全上の問題につながる可能性もあります。
例えば製造業のMSSステンレスセンター株式会社も、ペーパーレス化が進まないことによる「マニュアル改訂の負担」が課題となっていました。
課題として感じていたことは、現場で作業手順書がなかなか改訂されなかったことです。文章のマニュアル作成や改訂に手間がかかってしまっていて、忙しいとその業務に手が回らなくなってしまうことが多かったので、マニュアル作成や改訂の工数を削減したいと考えていました。
※ペーパーレス化を解消した同社の事例は以下のインタビュー記事からご覧いただけます。
▼インタビュー記事▼
ステンレス鋼の加工業務に動画マニュアルを導入し、現場教育のバラつきを削減
課題3:内容が分かりにくく、読まれない
紙ベースの手順書は、とにかく内容の分かりやすさを担保することが難しいです。特に製造業や工場、建設業といった現場作業の手順書は、内容が専門的かつ複雑な業務プロセスが書かれていることが多いので、言語化のハードルが高く、読みにくい内容になりがちです。
例えば総合建設業である株式会社安藤・間は、膨大なマニュアルが整備されていたものの、従業員に読んでもらえないという課題に直面していました。
数十〜数百ページと膨大になる紙マニュアルを熟読し理解する時間を確保することは非常に困難です。そのため、紙マニュアルでは「思うように浸透しない」「作成しても読んでもらえない」といった「紙マニュアルの限界」を感じていました。
※ペーパーレス化を解消した同社の事例は以下のインタビュー記事からご覧いただけます。
▼インタビュー記事▼
建設現場で使用するシステムの「利用者からの問合せ」や「新システムの普及展開」に関わる工数を8割削減!
課題4:見て覚える「カンコツ」が伝わらず、業務標準化が進まない
文字と静止画が中心の紙の手順書では、熟練作業者の持つ細かな手の動きや感覚的な「カンコツ」といった暗黙知を十分に伝えることが困難です。そのため、技術・技能の継承はOJTや口伝に頼りがちになり、指導者による差が出たり、習得に時間がかかったりします。
カンコツを伝えるための手順書整備にはいくつかのポイントがあるので、属人化の解消や標準化を促進したい方は、資料「カンコツが伝わる! 『現場で使われる』作業手順書のポイント(pdf)」をご覧ください。下の画像をクリックするとダウンロードが可能です。
>>>「カンコツが伝わる! 『現場で使われる』作業手順書のポイント(pdf)」を読んでみる
作業手順書をペーパーレス化(電子化)するメリット
ここからは、作業手順書や作業指示書をペーパーレス化することで得られるメリットや、その先にある現場改善効果について解説します。ペーパーレス化は電子化によって推進されることが多いので、ここでは電子化のメリットも含めて紹介します。
業務効率化と生産性向上
ペーパーレス化により業務効率と生産性が向上します。デジタルのマニュアルは迅速な情報アクセスを可能にするだけでなく、共有も容易なことから属人化を防ぎ、作業の標準化を促進します。
結果として、作業者間の品質のばらつきが減少し、全体の生産効率が向上します。特に複雑な作業手順において、一貫した品質を維持することが可能になります。
改訂や更新の工数削減
電子化された手順書・指示書は、紙と比較して改訂や更新が容易で、工数を大幅に削減できます。
オンラインでの更新は即時に全スタッフに反映され、再印刷や再配布の必要がないため、時間とコストの節約につながります。結果として、常に最新の情報を現場に提供することが可能です。
製造業の児玉化学工業株式会社も、手順書のペーパーレス化によって「マニュアル作成工数が3分の1になった」という改善効果を実感しています。同社は作業手順書を「動画化」し、ペーパーレスを図りました。紙の手順書から脱却した同社の事例インタビューの様子を、以下の動画で公開しているので、気になる方はご覧ください。
▼同社の手順書ペーパーレス化事例▼
スピーディーな情報共有が可能
ペーパーレス化により、情報共有がスピーディーになります。
デジタル化されたマニュアルはクラウド経由で瞬時に共有できるため、迅速な意思決定と作業実施が可能になります。結果として、製造現場での迅速な問題解決や改善活動が実現します。
外国人スタッフの現場教育を改善
副次的な効果にはなりますが、ペーパーレス化によって外国人教育が改善されることが多いです。
特に、多国籍な従業員が増えている現代の製造業界では、言語の壁を越えて効果的に情報を伝達する必要がありますが、紙の手順書では「言語ごとに手順書を用意する必要がある」のが実情です。
そのため作成に工数がかかり整備が追いつかないまま業務に従事してしまうことや、不正確な翻訳のため意図や手順が正しく伝わらないことでミスやヒヤリハットのリスクが高まります。
一方で手順書をペーパーレス化(電子化)できれば、紙の手順書よりも翻訳が比較的容易になります。オンライン上であれば翻訳ツールが活用できるので、例えば日本語で書かれた文字を翻訳ツールに落とし込み、外国人の言語で更新することが可能です。
ちなみに、字幕の自動翻訳機能がある動画マニュアル(tebiki現場教育)であれば、日本語で作成した1つの動画マニュアル(作業手順書)を1ボタンで100か国以上の外国語に翻訳が可能なので、外国人の教育工数を大きく削減できます。
その事例として挙げられる、海外に工場拠点を持つ製造業の株式会社Archemは、作業手順書を動画マニュアル化し、字幕を多国語に自動翻訳したものを新人教育で活用しています。
動画マニュアルの作成は非常にユーザーフレンドリーで、全体的に簡単なプロセスで作成できました。特に、ビデオのアップロード・必要となる動画のカット・字幕追加などがとても簡単でした。
新人受け入れのオリエンテーション用に、英語字幕をスペイン語に自動翻訳したものを活用しているのですが、皆さん理解できているので翻訳の精度も問題ないと感じています。
このように、動画マニュアルによる外国時教育は多くの現場で導入・推進されています。動画マニュアルによって外国人教育を改善する具体的な方法や事例について知りたい方は、資料「外国人労働者に「伝わらない」を解決した動画マニュアル活用事例集(pdf)」をご覧ください。下の画像をクリックするとダウンロードが可能です。
※同社の外国人教育に関する改善事例は、以下のインタビュー記事からご覧いただけます。
▼インタビュー記事▼
アメリカ3工場にて言語の壁を乗り越え、製品品質と生産性を向上
手順書・指示書を探す手間が省ける
電子化をした場合、管理方法にもよりますがフォルダによる階層管理もしくは検索機能によってアクセスすることになります。
複数の手順書の中から必要な情報を素早く見つけることができ、探す手間が省けます。結果として、現場での作業効率が向上し、生産性の向上につながります。
コストの削減やセキュリティの強化に
ペーパーレス化は、紙や印刷にかかるコストの削減につながります。運営コストの削減に貢献し、経済的な効率化も実現可能です。長期的には資源の節約にもつながります。
情報セキュリティやコンプライアンスの強化デジタルのマニュアルはアクセス権限の管理や履歴追跡ができるため、情報セキュリティやコンプライアンスの強化に関係します。重要な業務情報の漏洩やマニュアル紛失のリスクを減らし、安全な情報管理を実現します。
ペーパーレス化するデメリットやありがちな問題
一方で、作業手順書をペーパーレス化することによるデメリットも、あらかじめ押さえておかなければなりません。基本的にペーパーレス化は「電子化(デジタル化)」によって推進することが多く、電子化は以下のようなデメリットが生じます。
システム障害や端末、通信環境の影響を受ける可能性がある
電子化された作業手順書は、システム障害や端末の故障、不安定な通信環境の影響を受ける可能性があります。
製造業の場合、生産ラインが稼働している間にシステム障害の問題が発生すると、作業の遅延や停止につながる可能性があります。
現場定着までに時間やコストがかかる
ペーパーレス化の導入には、金銭的なコストと時間がかかります。
特にオンプレミスシステム(自社でサーバーやネットワーク関連機器を用意し運用する形式)の場合、初期設定やサーバーなどインフラ整備に高額な費用が発生することがあります。また、社内通知の実施や既存の手順書のデジタル化、新システムへの移行作業など時間的なコストもかかります。
利用者のITリテラシーに影響される部分がある
ペーパーレス化されたマニュアルの利用には、ある程度のITリテラシーが必要です。なぜなら、全ての従業員がデジタルツールに慣れているわけではなく、特に年配の従業員やITに不慣れな人にとっては、新しいシステムの使用が難しい場合があるからです。
あくまで、現場従業員が手軽に扱えるツールを選定することが重要になります。
作業手順書をペーパーレス化するツール・方法
ペーパーレス化のメリットや効果が理解できたところで、ここからは「ペーパーレス化を実現するための具体的な手段」について解説します。代表的なものは以下5つです。
- 動画マニュアル
- PDFなどによる電子文書化
- スキャニングサービス
- 文書管理システム
- OCRツール
動画マニュアル
動画マニュアルは、映像を活用して内容を分かりやすく伝える文書です。手順書や指示書に盛り込まれる内容は、業務手順などの「動作」であるため、動きを分かりやすく伝える手段として有効です。
例えば製造業の児玉化学工業株式会社は、作業手順書を動画マニュアルに置き換え、現場教育を大幅に改善しています。同社が実際に撮影・編集を手掛けた作業手順書の動画マニュアルを、一部ご紹介します。
▼ヤスリでバリをとる動画マニュアル(音量にご注意ください)▼
※こちらは「tebiki」で約10分で作成されました
こうした工程も文字では伝えにくく、OJTによる教育負担が大きい工程ですが、動画マニュアルによって作業イメージが明確に固まりやすくなります。それだけでなく、手順不遵守が9割ほど削減され、不良の大幅な削減に貢献したとのことです。
製造業の現場教育では、ペーパーレスも兼ねて動画マニュアルの導入が徐々に広まっています。具体的にどのように活用されているのか、より理解を深めたい方は、「製造業における動画マニュアル活用事例集(pdf)」もあわせてご覧ください。
>>>「製造業における動画マニュアル活用事例集(pdf)」を見てみる
PDFなどによる電子文書化
PDFによる電子文書化はマニュアルや手順書のペーパーレス化に広く利用されています。
PDFフォーマットは汎用性が高く、多くのデバイスで容易に閲覧できるため、情報の共有をスムーズに行うことが可能です。また、紙の文書と比較して容易に配布・共有でき、更新も迅速に行えます。
スキャニングサービス
スキャニングサービスは、既存の紙の文書をデジタル化する際に有効です。
大量の紙文書を効率的にデジタル化でき、情報の検索性とアクセス性を向上させることが可能です。結果として、製造業における情報管理の効率化が図れます。
文書管理システム
文書管理システムは、手順書や指示書の管理に不可欠です。文書のバージョン管理、アクセス権限の設定、履歴追跡などが可能で、情報の整理とセキュリティの強化が期待できます。
OCRツール
OCR(光学文字認識)ツールは、紙文書をスキャンしてテキストデータに変換する際に使用されます。手書きや印刷された文書をデジタル化し、編集可能な形式で保存できるため、情報の再利用が容易になります。
作業手順書をペーパーレス化する手順
ペーパーレス化ツールが理解できたところで、次は作業手順書をペーパーレス化する手順を解説します。基本的には以下の手順に沿って行うことで、業務課題の解決につながる電子化を実現できる可能性が高まります。
- 電子化する作業手順書・作業指示書の内容を見直す
- 見直した内容に沿って電子化するフォーマットに対応させる
- 電子化した手順書・指示書の管理ルールを明確にする
- 手順書・指示書を業務で使う仕組みを整える
電子化する作業手順書・作業指示書の内容を見直す
手順書・指示書のフォーマットを変える作業は、少なくない工数を割きます。抜本的な改善対応になるため、そもそも内容が現場の実態に則しているか?確認することをオススメします。
従来、活用されていた手順書・指示書の内容が手順変更時に改訂されておらず、そもそも形骸化しているというケースもお話として伺います。
労力をかけてペーパーレス化しても、内容が異なっていたら実際の業務で使えないので、いきなり電子化するのではなく内容の見直しを最初に行いましょう。
▼関連記事▼
作業手順書の見直しタイミングは?改訂手順や見直さないリスクを解説
見直した内容に沿って電子化するフォーマットに対応させる
手順書・指示書に盛り込む内容を最新にしたのち、実際に電子化を進めていきます。電子化する方法・フォーマットは後述していますが、私たちのおすすめは「動画マニュアル」です。なぜなら、作業手順書は「動作」を伝える文書であり、動きを視覚的に表現できる動画マニュアルは最も効果的だからです。
伝える文書であり、動きを視覚的に伝える手段として、動画マニュアルで電子化を進める場合は、以下のステップで進めていきましょう。
- 動画マニュアル化する業務の優先度をつける
- 動画マニュアルを作成する責任者を決める
- 動画マニュアルの構成案/台本を作成する
- 必要な機材を準備する
- 動画を撮影する
- 動画を編集する
各ステップの具体的な解説は、以下の記事をクリックしてご覧ください。
▼関連記事▼
【完全ガイド】動画マニュアルの作成手順と18のコツ!事例やソフト比較、選び方も
電子化した手順書・指示書の管理ルールを明確にする
手順書・指示書は電子化がゴールではありません。実際に使われて、業務改善につなげることがゴールであるため、従業員が「使いたいときにすぐ使える」状態である必要があります。
電子化されたデータが、各個人のPCやスマホなどの端末にバラバラで保管されると探す手間が生じ、本来の目的を達成することはできません。また、将来的な改訂実行時にデータを回収する手間も生じてしまいます。
電子化した手順書・指示書は基本的に、社内サーバーやクラウドなど特定のフォルダに一元管理することをオススメします。一元管理することで探す手間が省けるだけでなく、元となる文書を改訂するだけで職場全体の内容を更新することができます。
かんたん動画マニュアル「tebiki現場教育」であれば、プランに関わらず本数無制限でアップロードが可能です。自社サーバーを圧迫することなく、動画による電子化を推進することが可能です。
電子化された手順書・指示書を業務で使う仕組みを整える
作業手順書・作業指示書の電子化は、さまざまなメリットがある一方で、従業員の視点からすると「慣れているものから変えないといけない」という側面があります。
新しいものには少なからず抵抗感が生じるため、いきなり使ってくださいという展開ではなく、使う場面が生じるような業務ルール・仕組みを整えることで抵抗感を徐々に軽減することができます。
tebiki現場教育のように、従業員の閲覧履歴を確認できるレポートが備わっているツールであれば、『業務開始前に○○の手順書を見て』というオペレーションにすることで、ルール化と遵守されているか確認ができます。
強制力が多少生まれてしまうものの、まずは使われることで早期に効果を実感し、その後の運用定着を促すことができます。
作業手順書や作業指示書のペーパーレス化事例
「ペーパーレス化」とは、業務において紙を用いることで生じる弊害や非効率な状態を、紙を無くすことで改善する取り組みです。
作業手順書や作業指示書といった文書に、紙が使用されるケースが多いでしょう。一方で、紙を使用することで、以下のような課題を抱えているケースをよく伺います。
- 作業ノウハウは「動き」で、文字や写真では業務内容を伝えきれない
- 多品種の生産を行うため、手順書・指示書の作成や改訂が追い付かず形骸化している
- 外国人従業員向けに翻訳する工数が追加で必要
上記は一例ですが、紙で運用することで弊害が生じている場合が少なくありません。ここからは作業手順書・作業指示書をペーパーレス化し、業務課題の改善を実現している事例を4社ご紹介します。
株式会社神戸製鋼所
素材系事業や機械系事業、電力事業など多岐に渡る事業を展開している株式会社神戸製鋼所では、作業手順書を紙で運用する中、以下のような課題を抱えていました。
- 文字や写真では、作業内容やカンコツなどのノウハウが伝わりにくい
- OJTによるカバーも、教育者によって教え方や内容がバラつく
- 現場の作業習熟度に差を生み、製品の出来栄えがバラついてしまった
そこで、作業内容の微妙なニュアンスや動きを正しく伝える手段として「動画マニュアル」を活用しています。同社の場合、管理面の観点から紙の手順書をすべて動画化するのではなく、紙の手順書を一部ペーパーレス化し、動画と融合させる運用方針をとっています。
紙の手順書に「動画」を用いた結果、以下のような改善効果を実感されています。
- 作業手順書の作成工数が、0.5か月~1か月から1~2日に減った
- 指導前に動画を閲覧し、OJTの時間を3割ほど削減した
同社の具体的なペーパーレス化に向けた動き/過程は、以下のインタビュー記事をクリックしてご覧ください。
▼インタビュー記事▼
株式会社神戸製鋼所「動画を活用した現場の人材教育効率化と作業標準化」
アサヒ飲料株式会社
アサヒ飲料株式会社は飲料の製造販売を行う大手企業で、高品質で安全な商品の提供を目指し、人材育成にも力を入れています。同社では、人材育成の一手段として紙の手順書運用に取り組んでいましたが、以下のような課題を抱えていました。
- 一工程の作業手順書作成に数日単位で時間がかかっていた
- 手順変更が口頭/文字ベースの共有で、現場の解釈や理解がバラつく恐れ
- 手順書作成の工数から、頻度が多い業務でもOJTに依存していた
そこで、人材育成/手順書作成の効率化や、「動き」を分かりやすく伝えることを目的に、動画による手順書運用に取り組んでいます。作業手順書を動画でペーパーレス化した結果、以下のような改善効果を実感されています。
- 作業手順書が1本あたり30分で作成できるようになった
- 動画を新人に見せることで受入時のOJTが2時間に短縮し、教育者も定常業務と平行できるように
- 熟練者のカンコツなど、暗黙知を視覚的に確認できるようになった
同社の具体的なペーパーレス化に向けた取り組みは、以下のインタビュー記事をクリックしてご覧ください。
▼インタビュー記事▼
アサヒ飲料株式会社「OJTや手順書作成工数を大幅に削減!熟練者の暗黙知も動画で形式知化」
カルビー株式会社
カルビー株式会社は、スナック菓子の製造・販売を手掛ける大手食品メーカーです。同社では、従来の紙ベースの手順書やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)に依存した教育方法に以下のような課題を抱えていました。
- 指導者によって教え方や内容が異なり、新人の理解度に差が生じる
- 一度教わったことを再度質問しづらい雰囲気があり、理解が不十分なまま業務に就いてしまう
- 指導者は自身の業務と並行して新人教育を行うため、時間的・精神的な負担が大きい
このような課題を解決する手段として、手順書による座学・OJTに「動画マニュアル」を用いるPoCを行いました。ペーパーレス化による教育効率の向上を図った結果、以下のような改善効果を実感しています。
- 誰が教えても同じ内容を提供できるようになり、教育品質の標準化を実現
- 新人が自分のペースで何度でも動画を視聴できるため、理解度が向上し、早期の独り立ちが可能に
- 指導者が付きっきりで教える必要が減り、本来の業務に集中できる時間が増加
同社の具体的な動画マニュアル活用の検証と検証結果については、以下のインタビュー記事をご覧ください。
▼インタビュー記事▼
カルビー株式会社「カルビーが目指す製造現場の効率的な多能工化と新人の定着と早期独り立ち」
ASKUL LOGIST株式会社
ASKUL LOGIST株式会社は、事業所向け通販サイト「ASKUL」や個人向け通販サイト「LOHACO」の物流・配送機能を担っています。同社では、紙ベースの手順書やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)による教育に以下のような課題を抱えていました。
- 紙の手順書では動きや注意点が伝わらず、現場で繰り返し教える工数が増大した
- ハンドリフトやパレット搬送など一部の教育は、現場に出向く必要があった
- 多様な従業員が多く、言語やコミュニケーションの壁で教育が十分に伝わらない
このような課題を解決するため、同社は作業手順書やOJTに「動画マニュアル」を活用し、作業手順書のペーパーレス化による人材育成の課題改善を行っています。
- 動きや注意点を視覚的に伝えられるようになり、教育内容の理解度が向上
- 現場で繰り返し教える必要が減り、導入教育の工数が削減
- 多様な従業員にも均質な教育が可能になり、作業品質が向上
ASKUL LOGIST株式会社の作業手順書のペーパーレス化をはじめとする、人材育成面の課題解決の取り組みは以下のインタビュー記事をご覧ください。
▼インタビュー記事▼
ASKUL LOGIST株式会社「多様な人材を抱える現場で『標準化』と『安全教育』が必要だった」
4社の有名企業における事例をご紹介しましたが、作業手順書・作業指示書のペーパーレス化によって、人材育成をはじめとする業務課題の改善につながることがお分かりいただけたと思います。そして、作業手順書・作業指示書のペーパーレス化する手段には「動画マニュアル」がオススメです。
具体的な動画マニュアルの有効性や、実際に企業で使われている動画マニュアルのサンプルは、別紙のガイドブックで詳しく解説しています。以下の画像をクリックして、参考資料をご覧ください。
>>>「実際に業務で使われている動画マニュアルのサンプル集」を見てみる
自社や現場に合ったペーパーレス化を導入するために【まとめ】
マニュアルや作業手順書のペーパーレス化は、業務効率化と生産性向上のために重要です。株式会社ネクスコ・メンテナンス関東、曽我製作所株式会社、アサヒ飲料株式会社などの事例の通り、ペーパーレス化は業務プロセスの改善やコスト削減、情報共有に役立つといえます。
ペーパーレス化の意義は、単なる紙の削減だけではなく、業務のデジタル化による全体的な効率化にあります。誰でも簡単に作成・更新できるシステムの選定や、膨大な手順書の効率的な管理、さらには外国人スタッフの教育への活用など、多くの側面があります。
ペーパーレス化のメリットは多岐にわたりますが、特に注目すべきは業務効率化、コスト削減、情報セキュリティの強化です。一方で、システム障害のリスクや現場定着にかかる時間とコスト、従業員のITリテラシーなどのデメリットも理解し、対策を講じる必要があります。
ペーパーレス化に活用されるツールとしては、PDFの電子文書化、オンラインストレージ、スキャニングサービス、文書管理システム、OCRツール、そしてかんたん動画マニュアル「tebiki現場教育」などがあります。
自社に合ったペーパーレス化の方法を、本記事を参考に見つけてみてください。

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