2020.9.21 マニュアルの作り方

マニュアルシステムを個人ID(アカウント)でわけるメリットとデメリット

貴山 敬
執筆者:貴山 敬

動画教育システムtebikiを提供するピナクルズ株式会社代表取締役。元食品工場長、ISO9001導入責任者。現場の使いやすさを1番に考えてサービス開発しています。

現場教育に使えるマニュアルツール/システムは様々な種類があります。弊社が提供している tebiki もそうですし、広い意味では、Microsoft WordやExcel、Dropboxなども「マニュアルツール」と言えます。

急速に普及しているクラウド型のマニュアルシステムの場合、1ID(ユーザーアカウント)増えるごとにXXX円が追加され、ID単位で利用料金が増えることが一般的です。
※スマホ/タブレットなどのデバイス単位で課金する場合もあります。

この記事では、ID課金型のマニュアルシステムを使う場合の、社員個人単位でIDをわけるメリットとデメリットを解説します。

目次

個人別IDを発行するデメリット

社員個人単位でIDをわけない場合、1つの共通IDのみを発行して、ユーザー全員が同じID/PWでログインして利用することになります。個人別IDを発行するデメリット=共通IDで管理するメリット、となります。

費用

仮に1IDあたり1000円とした場合、100IDの場合は10万円となるので、IDをわけるデメリットはなんといっても費用がかかることです。

ID発行の手間

情報システム部などの管理部門の方は強く実感する点ですが、ID発行はそれなりに手間がかかります。
個人別にID発行する際、対象ユーザーのITリテラシーが高い場合はスムーズに行きますが、そうでないと、「招待メールが届かない」「PWの設定方法がわからない」などの様々な質問が管理者に届くことになります。

個人別IDを発行するメリット

セキュリティ(退職者管理)

共通IDで管理する場合、退職者が出る都度、管理者がパスワードを変更して周知するというルールを作ることがほとんどですが、時間がたつと形骸化していき、いつしかやらなくなると思った方が良いです。
共通IDで管理している限りは、退職者がシステムにアクセスできてしまう可能性が高いとお考えください。また、PW変更時、新しいPWをemail等でお知らせすることになるので、セキュリティ上とても良くないです。

個人別IDの場合は退職者IDを削除するだけなので、これらの問題がありません。

セキュリティ(アクセス管理)

個人別IDの場合、誰がいつどこからアクセスしているかを会社として管理できます。共通IDの場合、アクセス管理という意味ではセキュリティを諦めることになります。

 

新人教育から全社員教育へ


教育マニュアルというと新人教育に使うものというイメージが強いですが、実際は「新人」だけでなく「新卒2年目」「新卒3年目」「トレーナー」など、様々な社員にとって重要です。

見落としがちなのが新人を教える側の社員で、トレーナーごとに流派がある手順を統一して、会社として一つの標準のやり方を徹底して浸透させるためには、教える側のベテラン社員にもIDを発行して、全体管理する必要があります。

全体管理する上で、マニュアルツールを誰がどう使っているか/使っていないかを可視化することは管理の土台であり、これができないとPDCAを回すことができません。

 

教育レベルの底上げ(「平均以下」を「平均的」に引き上げる)


これまで様々な現場教育の事例を見てきましたが、個人別IDのメリットとして、この点が実は最も重要です。

社員の技能レベルは、大きくこの3つにわけることができます。
・平均以上
・平均的
・平均以下

このうち、「平均以上」の人は自学自習で伸びていく力があるので、会社として管理する必要性はあまりありません。自分で成長してくれる貴重な人材です。

全社の教育レベルを引き上げる鍵を握っているのが、実は「平均以下」の社員です。
「平均以下」の社員はミスも多く、ベテラン社員が振り回されるので、全体効率を大きく低下させる要因となっています。
教育管理としては、IDを個人ごとに発行して、誰が「平均以下」かを区別して、「平均的」になれるまで手厚くサポートすることが、全体の生産性を大きく引き上げる鍵となります。

まとめ

個人別IDを発行する費用はかかりますが、セキュリティを担保し、現場レベルを引き上げていくためには、IDを個人ごとに発行して現場教育を徹底することが大事だと考えます。費用対効果のご判断に本記事が役立てば幸いです。

参考:マニュアル作成方法のまとめ

マニュアルの作り方に関する豊富なノウハウ集です。

マニュアル作成方法のまとめ:コツ/目的/手順/進め方など

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