2024.9.3 マニュアルの作り方

作業マニュアルの作成手順とは?使用ツールの候補も紹介

tebikiサポートチーム
執筆者:tebikiサポートチーム

製造/物流/サービス/小売業など、数々の現場で動画教育システムを導入してきたノウハウをご提供します。

かんたん動画マニュアル作成ツール「tebiki現場教育」を展開するTebiki株式会社です。


本記事では作業マニュアルの作り方や、作成に必要なおすすめのツールを解説します。特にツールは職種によって変わるので、職種別におすすめを紹介しています。本記事を参考に、業務内容や環境に合った作り方を見つけてみてください。

また、作業マニュアルの作成手順テンプレートとして、「そのまま真似できる見本つき マニュアルの作り方完全ガイド(pdf)」も用意しています。本資料を見ながら実際に作成に取り掛かると、スムーズに作成できるでしょう。

>>>「そのまま真似できる見本つき マニュアルの作り方完全ガイド(pdf)」を読んでみる

目次

作業マニュアルとは

作業マニュアルとは、業務や作業の手順やルールを明確に記載した文書です。特定の作業を正確かつ効率的に行うために使用され、新人教育 / 業務の標準化 / 属人化の解消 / 品質の維持に役立ちます。

マニュアルにはあらゆる種類が存在しますが、作業マニュアルは「作業手順・業務プロセス」に焦点をあてた説明書(手順書)です。そのため通常のマニュアルよりも言語化しにくい内容になりがちであり、マニュアル化の難易度が比較的高いとされています。したがって作業マニュアルは「どれだけ分かりやすく作れるか」が鍵です。

例えば製造業の「児玉化学工業株式会社」が、紙マニュアルでは伝わりにくい複雑な業務プロセスを「動画マニュアル」に置き換えて現場教育を大幅に改善した事例のように、理解を促すための工夫が求められます。

作業マニュアルの目的やメリット

作業マニュアルは、新人教育やノウハウの可視化のために作成されることが多いです。作業マニュアルをもとに業務を進めることで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 社員教育の時間/コストを削減できる
  • 作業品質/作業効率が向上する
  • 復習が可能になる
  • スムーズに引継ぎが行える
  • 個人に依存するリスクが軽減できる


これらのメリットを一言で言えば、「教育時間の効率化」です。すなわち、教育時間が効率化されるマニュアルが整備できれば「成功」と言えます。

ここでの注意点は、1度マニュアルを作れば必ず上記のようなメリットを享受できる、というわけではない点です。あくまでマニュアルの正しい作成手順やポイントに沿って作り、改善を重ねながら運用に乗せることで初めて、教育効果に表れるようになります。

教育改善に寄与するマニュアルの作り方をより深く理解したい場合は、資料「成功に導く「わかりやすいコツ」つき はじめてのマニュアル作成ガイド」をご覧ください。下の画像をクリックするとダウンロードできます。


作業マニュアルと他マニュアルの違い

マニュアルにはいくつか種類がありますが、代表的なものは以下のとおりです。

  • 作業マニュアル・業務マニュアル
  • 規範・規程マニュアル
  • 取扱説明書・システムマニュアル


このなかでも、作業マニュアルは「具体的な作業手順や業務プロセス」に焦点をあてたマニュアルです。したがって抽象的な説明はほとんど存在しないため、文字やテキストだけで完結させることは難しいと言えます。

作業マニュアルは特に、動きの伴う業務や作業で必要になるため、現場作業員が「一目見て、そのまま作業ができる」ようなマニュアルが理想的であり、そのクオリティを目指さなければなりません。

その例として挙げられる「株式会社テック長沢」は、現場にタブレットとマニュアル(QRコード)を設置し、作業員がその場で作業内容を確認できる作業プロセスを整備しています。また、マニュアルも動画で作成しているため、複雑な動きも一目で理解できる工夫を凝らしています。

作業マニュアルの作り方

業務の効率化を実現する効果的な作業マニュアルを作成するための、基本的な作り方をご紹介します。以下の手順を参考に、現場で役立つ実用的な作業マニュアルを作成してみましょう。

  1. ツール選定
  2. マニュアル化する業務の洗い出し
  3. 構成の作成
  4. 業務手順の説明を作成
  5. 現場従業員からのレビュー
  6. 定期更新される仕組みづくり


作業マニュアルの作成手順を画像や見本つきで理解したい方は「そのまま真似できる見本つき マニュアルの作り方完全ガイド(pdf)」を参考にしてみてください。本資料を見ながら実際に作成に取り掛かると、スムーズに作成できるでしょう。

>>>「そのまま真似できる見本つき マニュアルの作り方完全ガイド(pdf)」を読んでみる

ツール選定

作業マニュアルを作るためのツールを選定しましょう。最初にツールを選定することで、その後の作成手順がスムーズに進行されます。

パワーポイントやエクセル、専用のマニュアル作成ツールなど、ツール選定は多岐にわたります。ここで大事なのは、業務内容や職種によっておすすめのツールは変わる点です。ツールの選び方について知りたい方は後述する「【職種別】作業マニュアル作成に向いているツール」をご覧ください。

マニュアル化する業務の洗い出し

マニュアルが不必要な業務までマニュアル化していては、効率的に整備できず、マニュアル作成の目的を果たすまでかなりの時間を要してしまいます。そのため、どの業務をマニュアル化する必要があるかを確認しましょう。

マニュアル化する業務を決めるためには、作成の目的から逆算して考えるのがおすすめです。たとえば、「接客におけるサービス品質の向上」を目指すのであれば、「接客の基礎」や「従業員のトレーニング方法」などが網羅的にわかるマニュアルを作ると良いでしょう。

構成の作成

構成を作ることで、抜け漏れのない整理された作業マニュアルを作れます。

作業マニュアルの構成は、読み手が効率的に情報を探し出せる順序にしましょう。基本的には、時系列順に並べるのがおすすめです。

業務手順の説明を作成

構成を作り終えたら、具体的な業務内容を詳しく記載して肉付けしてください。

このとき、以下のポイントを抑えて業務手順の説明を作成するようにしましょう。

  • 初心者が読んでもわかる易しい言葉で解説する
  • 写真や動画で情報をフォローする
  • デザインなどを作り込みすぎない


詳しくは、後述する『作業マニュアルの作成でよくある失敗と対策』でご紹介します。

現場従業員からのレビュー

マニュアルが形骸化するよくある原因の1つに「現場の実態に即していないから」があります。したがって必ず、完成したマニュアルの内容を1度、その業務担当者にチェックしてもらうフローを取り入れてください。

分かりやすいマニュアルの必要条件は、「現場作業員が直接マニュアルを作成する」ことですが、すべて作成してもらうことは現実的に難しい場合が多いので、その場合は必ずレビューを受けるようにしましょう。

定期更新される仕組みづくり

マニュアルは1度作って終わりではなく、定期的にアップデートし、誰がどのタイミングで見ても最新の作業手順が記載されている状態が望ましいです。そのため、定期更新される体制を整備する必要があります。

この定期更新は、マニュアルを形骸化させないポイントとして非常に重要であり、だからこそ更新作業が膨大になる紙マニュアルは教育に向いていないのです。電子(オンライン)マニュアルであれば、共有ドライブ上で1度更新すれば、すべての拠点や部署のマニュアルも一斉に更新されます。

【職種別】作業マニュアル作成に向いているツール

ここからは、作業マニュアル作成に向いているツールを紹介します。職種(業務内容)によって使いたいツールは変わるので、職種別に解説しています。

動画マニュアル作成ツール【おすすめ:現場作業、サービス業、営業など】

複雑な作業プロセスの言語化は難しいです。例えば製造業や物流業といった現場作業や、接客が伴うサービス業、ロールプレイによる訓練が必要なセールス活動は、文字のマニュアル整備では限界があります。

こうした作業プロセスは「動画」におさめ、「一目である程度の作業プロセスが理解できるマニュアル」で解説することが推奨されます。

例えば、以下の動画マニュアルは「ビールサーバーの清掃手順」が解説されているマニュアルであり、「株式会社メティウスフーズ」で実際に活用されています。

※「tebiki」で作成されています

また、以下の動画マニュアルは「株式会社下部ホテル」で活用されている「布団の敷き方」を解説するマニュアルです。

 

※「tebiki」で作成されています

 
いずれも紙マニュアルや文書マニュアルでは作成工数が膨大になりますが、動画は作業の様子をそのまま撮影し、必要最低限の編集をするだけで完結します。

 
動画編集ソフトは無料のものも多数あります。無料の動画編集ソフトをまとめた比較表から、気になるものを試しに使ってみると良いでしょう。
 

>>>「動画マニュアルが作れる!無料の動画編集ソフト比較表」を見てみる

 もし他の動画マニュアルのサンプルも見たい方は、資料「実際に業務で使われている動画マニュアルのサンプル集」をご覧ください。動画マニュアル導入の推進イメージについても言及されているので、動画の検討をしている方にも参考になるでしょう。

>>>「実際に業務で使われている動画マニュアルのサンプル集」を見てみる

Wikiツール【おすすめ:IT・デスクワーカー】

Wikiツールとは、かんたんに言えば、社内専用の情報共有システムです。Webブラウザ上で容易にページの作成・編集ができ、情報同士をリンクさせやすいのが特徴で、複数人での共同編集や更新履歴の管理がしやすいツールとなっています。

代表的なWikiツールは以下のとおりです。

  • Confluence
  • Notion
  • NotePM


社内ナレッジベースの一部としてマニュアルを管理したい、頻繁な更新や追記が想定される、情報同士の関連付けを重視したい場合に役立ちます。

一方で、パソコンの「画面操作手順」のような「動き」が伴う業務をマニュアル化する場合は、映像や動画のマニュアルツールが好ましいです。

Microsoft office/Google Workspace【おすすめ:事務作業】

Microsoft office(Word、Excel、PowerPoint)やGoogle Workspace(Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleスライド)は扱いやすく、慣れ親しんだツールになるので作成や編集が比較的容易です。

とはいえ複雑な作業プロセスを言語化するのは難しく、もし図解や画像での説明を取り入れる場合はそれ相応のマニュアル作成工数がかかります。そのため事務作業のような、あまり動きの伴わない業務内容をマニュアル化するのに向いていると言えるでしょう。

ただし、事務職でも動きが伴う業務内容がある場合は、映像や動画におさめ、マニュアル化することをおすすめします。例えばコピー機の扱い方やメンテナンス方法は、文書マニュアルよりも動画化された説明の方が比較的分かりやすいです。

作業マニュアルの作成でよくある失敗と対策

ここで、作業マニュアルの作成をするうえで、弊社がよく耳にする失敗例を解説します。

デザインにこだわりすぎて、作成工数が大幅にかかってしまった

見栄えを追求し、デザイン調整に多くの時間を費やしてしまう失敗です。教育工数を削減するのが目的であるにもかかわらず、マニュアル作りに大幅な時間がかかるのは絶対に避けなければなりません。

デザインは必要最低限にとどめ、シンプルさを優先しましょう。

ちなみに「動画」によるマニュアルは、撮影した業務内容をそのまま動画にし、字幕で補足するだけで完結するため、デザインの介入余地が一切ありません。すなわち、装飾を整える時間がゼロになります。

動画マニュアルの具体的な作成方法や推進イメージは、資料「はじめての動画マニュアル作成ガイド(pdf)」で詳しく解説しているので、少しでも興味がある方はあわせて参考にしてみてください。以下の画像をクリックすると、ダウンロードできます。


分かりづらい内容で、誰にも見られなくなってしまった

専門用語が多い、文章が冗長、図や写真が不足しているなど、内容が難解で利用者に敬遠されてしまう失敗です。作成者目線ではなく「利用者が理解できるか」を常に意識し、平易な言葉と具体的な記述を心がける必要があります。

しかし、複雑な作業や微妙なニュアンスは、文字と静止画だけでは伝えきれません。実際の動きを見て直感的に理解できる「動画マニュアル」なら、誰にとっても分かりやすく、形骸化を防ぐ有効な手段となります。

形骸化しないマニュアルを動画で作成する方法は、資料「「使われないマニュアル」は卒業!動画マニュアルで実現した現場の効率化」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

>>>「「使われないマニュアル」は卒業!動画マニュアルで実現した現場の効率化」を読んでみる

更新が追い付かず、実際の作業とマニュアルの内容が乖離してしまった

業務手順や使用ツールは日々変化しますが、それにあわせてマニュアルが更新されず、情報が古くなってしまう失敗もよくあるケースです。実態と乖離したマニュアルは役に立たないばかりか、誤った作業を誘発し、ミスや事故の原因にもなりかねません。

対策としては、更新の担当者を明確にし、定期的な見直し(年1回や手順変更時など)を義務付けること。また、修正・共有が容易な共有ドライブ等を活用し、常に最新の状態を維持できる仕組み作りが重要です。

作業マニュアルを動画化して教育効果を最大化させた成功事例

本記事で何度か紹介した「動画マニュアル」ですが、作業マニュアルを動画化することで、従業員教育の効果を飛躍的に向上させた企業が増えています。この章では、そんな3社の企業事例を紹介します。

より多くの企業事例を知りたい方は、以下の導入事例集も併せてご覧ください。 各社がどのような現場教育の悩みを抱えて、tebikiで解決してきたのかがわかりやすく1冊にまとまっています。


新日本工機株式会社

▼動画マニュアルtebiki活用事例動画▼


工作機械などの製造販売を行う新日本工機株式会社は、業務標準化ができていないという課題がありました。標準化を徹底すべく紙で作業マニュアルを作るも、文字ベースの情報は理解されにくく人によって理解が異なり、作業のバラつきが発生。

そこで、tebikiを導入し、多岐にわたる業務を動画マニュアルに作り替えました。操作が簡単だからこそ、導入後1年間で1,500本以上の動画マニュアルを作成。視覚的にわかりやすくなったことで理解のバラつきがなくなり、作業品質が安定しました。さらに、100カ国語以上の言語へ自動翻訳できる機能で、外国語翻訳の手間がゼロになり、マニュアル作成の負担軽減も実現しています。

品質の安定とともに技術伝承も推進できた、新日本工機株式会社の成功事例を詳しく読みたい方は、以下のインタビュー記事をご覧ください。
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人が育つ環境づくりとして動画マニュアルtebikiを活用。技術の蓄積と作業品質の安定を実現。

アサヒ飲料株式会社

飲料の製造販売を行うアサヒ飲料株式会社は、高品質で安全な商品の提供を目指し、人材育成にも力を入れています。その中で、手順書作成や新人受入時のOJTの工数が大きく、定常業務に影響が出ていました。

課題解決のために動画マニュアルのtebikiを導入したところ、手順書作成工数を3分の1まで減少。文字では伝えられない熟練者の暗黙知を、視覚的に伝えることが可能になったというメリットもありました。さらに、半日以上かかっていたOJTも、多くても2時間まで減少させることに成功しています。

アサヒ飲料株式会社のより詳細な動画マニュアルの取り組み事例は、以下のインタビュー記事をご覧ください。

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OJTや手順書作成工数を大幅に削減!熟練者の暗黙知も動画で形式知化 

まとめ

作業マニュアルの基本的な役割や目的、作成手順、効果的な運用方法について詳しく解説しました。また、見やすいマニュアルを作成するためのコツや、動画を活用した教育効果の最大化に成功した企業の事例も紹介しました。

動画マニュアルは複雑な作業の理解を深め、教育工数を大幅に削減する強力なツールです。動画マニュアル作成ツール「tebiki」のように、編集から教育管理まで簡単に行えるツールを活用することで、マニュアル作成がより効率的かつ効果的になります。

これから作業マニュアルを作成・改善しようと考えている方は、誰でも簡単に編集から教育管理まで行える「tebiki」の導入を検討してみてはいかがでしょう。ぜひ無料トライアルをご利用いただき、tebikiの編集操作の簡単さを実感しマニュアル作りに役立つ機能をお試しください。

クラウド動画教育システムtebiki

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